Windowsによる実現


 前のページで少し触れたように、PC98Ndでは、メモリーが6Mと少なくWin95の動作が安定しないのと、富士通製のLANカードがPC98NdにおけるWin95では動かなかったため、 ViVidyによるWindowsでのルーター(正確にはProxyサーバー)の実現に急遽変更することとした。
 パソコンは別のものでもよかったのだけれど、LANカードの差し替えや設定変更がいやだったため、Linuxと同じハードのViVidyを選定した。
 なお、ViVidyのWin95は、遊んでいる200MのHDDがあったので、これに別のPCでWin95をインストールしておいてViVidyのLinuxの入ったHDDと差し替えて稼働させた。
 CATVインターネットによるProxyサーバー実現のために実施することは、UNIX系のOSに比べるときわめて簡単で、 これだけである。

○LANカードの二枚差し

 まず、LANカードを稼働させるためのIRQ確保が必要であるが、今回はサウンドも何も無いマシンであったので、Linuxの設定であるIRQの5と10がそのまま使用できた。
 常用しているマシンだと結構IRQが込んでいるので空けるのが大変かもしれない。私の場合は、不足する場合はRS232Cのポートを不使用にしようとは考えていたのであるが、すんなり出来で幸運であった。
 Win95へのカードのセットアップであるが、私の場合は、ISAのカードで95のハードウェアの自動検出では認識されなかったので、手動で一つづつ行うことになった。ドライバーは、どちらもMELCOのLGY−ATである。
 PCIのプラグアンドプレイタイプのLANカードであればもっと簡単なのかもしれない。

 確認は、「コントロールパネル」−「システム」−「デバイスマネージー」−「ネットワークアダプター」を開いてそこにあるLGY−ATのアイコンをダブルクリックして「プロパティ」を表示させ、真ん中当たりのデバイスの状態で「このデバイスは正常に動作しています。」とあればOKである。
 もし、異常であれば、リソースに競合があると考えられるので、リソースの変更が必要となる。私の使ったカードは、リソースの変更にはDOSからカード添付のソフトを起動して行う方式なもので、ViVidyにはフロッピーのドライブが付いていないなどの問題から、これがいやで色々苦労した次第である。

 カードが正常にインストール出来ていれば、次はネットワークの設定である。「コントロールパネル」−「ネットワーク」−でTCP/IP−>LGY−ATをダブルクリックする。
 私の場合同名のカードを使ったので、内部、外部の見分けがつかなかったが、二つあるネットワークアダプターのリソースを確認し、同じならびでTCP/IPもあるだろうと言うことで設定したところ旨く出来た。 これで再起動すれば各設定が有効となる。

確 認
これで、LANカードの95へのセットアップが終わる。

○ファイル・プリンターの共有指定

 インターネットにアクセスするだけであれば特に必要というわけではないが、一台のプリンターを共有したいとか、ファイルを一元管理したい場合には、サーバーに全てを集中するのが一般的である。
 このための設定は特殊なものではなく一般的なものであるので、概要のみを示すことにするので詳しくは95のヘルプなどを参照してほしい。
 ファイル、プリンター共用したい場合は、「コントロールパネル」「ネットワーク」「ユーザー情報」に「コンピュータ名」pc98nd、「ワークグループ」ANABUKI、「ネットワーク」にかえってMicrosoftネットワーク共有サービスを追加、共有はファイルとプリンターとする。
 さらに「マイコンピュータ」のディスクのプロパティで共有したいディスクを共有指定する。

 後は、クライアント側の設定で、「ネットワーク」「ユーザー情報」に同じ「ワークグループ名」ANABUKIを指定する。再起動後、「プリンター」「プリンターの追加」でネットワークプリンターを指定して、サーバーに繋がっているプリンターのドライバー(私の場合BJC600J)をインストールする。
 「テストプリントをするか」と聞いてくるので、Yとするとプリンターが動き出す。ここまで来れば、設定はOKである。  クライアントの「ネットワークコンピュータ」アイコンをダブルクリックするとpc98ndが見えるはずである。

○Winproxyのインストール

 Win95には、NAT相当のプログラムを見つけることが出来なかったので、類似の動作をするフリーソフトのWinproxyをインストールすることとした。
 このソフトは、前々からダイアルアップサーバーをWin95で作っていたときに使っていたものなで、それなりの知識があり、インストールは容易であった。
 このソフトのインストールは、WinProxyのホームページから proxy152.exe 1,347Kbyte とダイアルアップ機能のない wp20-b7-ras.exe 388Kbyte を ダウンロードし、まず、Proxy152.exe の方をインストールします。これは、CATV用のプロキシーでは無いのだけれど、HELPファイル等がそろっているので、まずこれをインストールしておいて、後でダイアルアップ機能のない wp20-b7-ras.exe をインストールする。これにより実行ファイルがRAS機能のないものに置き換わる訳である。

 具体的なインストールは、exe ファイルを実行するだけである。Proxy152 の方はc:\Program Files にインストールされるが、wp20-b7-ras は、実行したディレクトリーに解凍されるので、後で WinProxy.exe を正規のディレクトリーにコピーする必要がある。  プログラム自体の設定は、メール関係のサーバ等でそれ以外は初期設定のままといった簡単なものである。

起動は、DHCPによるIPアドレスを取得後、WinProxy を起動するだけで動作する。  本格的な使用の場合は、スタートアップに登録しておくと起動の手間が省ける。

○クライアントのセットアップ

 クライアントの設定は特に難しいものではなく、ブラウザの中の設定でProxyに関するものがあると思うが、そこで、Proxyを手動で設定するというような項目を選び、

httpとかftpなどを全てについて、Proxyサーバーのアドレス、192.168.0.100でポートを8080に設定する。
また、メールサーバー関係の設定は、192.168.0.100とする。Windows自体での設定はIPアドレスを設定する程度で他は特に必要がない。

確 認
 ProxyサーバーであるViVidyを起動し、クライアントのVAIOなどのネットスケープなどのブラウザからどこかのホームページを指定して、それが表示されればOKである。
 Proxyサーバーマシン自体にブラウザをインストールしている場合は、それからの確認も可能である。
 メールについても自分宛のメールを出してみてそれが届いていればOKである。

使用感
 組み込みは、最も簡単であったが、マシンパワーのせいか、URLを指定してからの反応がLinuxに比べかなり遅いのが気にかかる。一度クロック200M以上でメモリーが64Mクラスのマシンで試してみる必要がある。
 また、Unix系のOSのようにtelnetによるリモート制御が出来ないことから起動停止のためディスプレーが必須である。などからルーターとしてはUNIX系OSに太刀打ちできない言うことが判明した。
 常用マシンが決まっていて、そのマシンにパワーがありケーブルモデムも置ける環境にある場合は、そのマシンにProxyを組み込んで置けばディスプレイの問題やスピード不足も解決できることから、使えるかもしれない。
 なお、WinProxyは、ホームページを見ていただくとわかると思うが、まだまだ発展途上にあるソフトなので、対応できていない状況があることにご留意いただきたい。