ベンジャミンとの約束



小さな楽園



ベンジャミン山荘



 ベンジャミンが虹の橋に登って七年目の誕生日を迎えたその
日、2002年1月17日イギリス煉瓦の門柱に金色のプレー
トにブルーでBenjaminと書かれた表札が埋め込まれた。
ベンジャミンが亡くなる少し前、大好きな五色台に登り芝生広
場に座って「思い切り走り回れる庭と美味しい空気の山そして
いつもいつも一緒にいられるベンジャミンの小さな楽園を絶対
作るから・・・」そう約束してから7年近くが流れ去っていた。

 純白の体毛に包まれたベンジャミンに一番似合う赤を基調に、
赤煉瓦と白い壁、そして緑の樹々の中に溶け込む赤い屋根と黒
のストライプで飾り挙げた「ベンジャミン山荘」が八ヶ月の工
期を経てどうにか出来上がったのである。
 思いどおりに進んでくれない工事を見ながら、何度も何度も
挫けそうになり、ベンジャミンのいない寂しさも手伝って、と
もすればなげやりになりそうになる気持ちをロビンに支えて貰
いながらの八ヶ月であった。オリオン星座が東天に上がるのを
待ちかねてベンジャミンに語りかけ、主のいない山荘の完成を
祈り続けた日々の積み重ねでもあった。

 完成を喜ぶ気持ちより「遅くなってごめん!」と言う言葉が
何度も何度も口をつき、「やっとベンジャミンとの約束が果た
せた・・・やっと・・・」と大きなため息を何度も何度もつい
たのを覚えている。山と川に挟まれた標高三百メートルに建つ
小さな小さな楽園が完成した!