サブタイトル メインタイトル
伊方発電所3号機の耐震安全性評価結果及びプルサーマル計画について

 愛媛県は、平成22年1月29日、伊方発電所3号機の耐震安全性が確認できたことから、四国電力(株)に対し、同機へのMOX燃料(ウランとプルトニウムの混合酸化物(Mixed Oxide)燃料)の装荷を了承しました。
  県では、引き続き、プルサーマルが安全に実施されるよう、監視してまいります。

 県では、平成18年10月、安全協定に基づくプルサーマル計画の事前了解時に、県民の安心の醸成のため、四国電力(株)に対し、MOX燃料を初めて原子炉へ装荷するまでには、新しい耐震設計審査指針に基づく耐震安全性評価を行い、国及び県の確認を受けることを要請していました。
  その後、国の原子力安全・保安院と原子力安全委員会が、それぞれ専門家会合での審議を重ね、四国電力(株)の耐震安全性評価の妥当性を確認しました。県としても、耐震工学・地盤工学・原子炉工学等の専門家で構成する伊方原子力発電所環境安全管理委員会技術専門部会で、これまで計9回にわたって審議した結果、四国電力(株)の耐震安全性評価結果は妥当であることを確認しました。


耐震安全性評価の流れ

検討用地震の選定・評価
 伊方発電所の耐震安全性評価に当たっては、地質等の調査結果を踏まえて、地震の発生メカニズムに基づく地震の種類ごとに、伊方発電所に影響を与える最大の地震が選定され、評価が行われています。
伊方発電所の検討用地震


●国も、独自に敷地前面海域の海上音波探査を実施して、四国電力(株)の地質調査の妥当性を確認しています。

地震の種類 過去の主な地震
a プレート間地震 1707年宝永地震M8.6
1854年安政南海地震M8.4
b 内陸地殻内地震 1596年慶長豊後地震M7±0.25
1975年大分県西部M6.4
c 海洋プレート内地震 1649年安芸・伊予の地震M6.9
2001年芸予地震M6.7

 



検討用地震の評価結果
伊方発電所では、bの内陸地殻内地震(敷地前面海域の断層群による地震)の影響が最も大きいと評価されました。

※右のグラフは、各地震による伊方発電所の地盤の揺れを示したものです。
  縦方向は揺れの強さを表しており、上に行くほど強い揺れ、下に行くほど弱い揺れになります。
  横方向は揺れの周期を表しており、右に行くほど揺れ1往復当たりの時間が長く、左に行くほど短くなります。



地震発生のメカニズム

敷地前面海域断層群の地震動評価

 敷地に最も大きな影響を与える敷地前面海域の断層群による地震動の評価では、まず、地質構造等の調査結果に基づいて、基本的な震源モデルを設定しています。
基本震源モデル
○断層長さは54km
○傾斜角は90度
○アスペリティ(断層面の中で特に放出エネルギーが大きい部分)の位置は、最も影響の大きい断層上端とする。
さらに、設定した基本震源モデルの長さや傾斜角等の不確かさを考慮し、より大きな地震動となるおそれのある様々なケースを想定して地震動を評価しています。
○断層長さについては、断層の境目部分をすべて含めた長さ69km、中央構造線断層帯との連動を考慮した長さ130km、360kmが動くケースを評価。(九州側との連動を考慮した長さ180kmのケースも評価)

○傾斜角については、地質境界と同じ北傾斜30度のケースを評価。
 また、基本震源モデルの傾斜角のばらつきを考慮し、南傾斜80度のケースも評価。
○アスペリティの位置については、県技術専門部会の意見を踏まえ、大きいほうのアスペリティを発電所敷地の正面に配置したケースも評価

○その他、中越沖地震を踏まえ、地震時に解放される力(応力降下量)を1.5倍として評価

基準値震動の策定

 評価した地震動を基に、さらにそれらすべてを上回る基準値震動 570ガルを策定しています。
基準値震動

※「ガル」とは
  加速度の単位(cm/秒2)であり、着目地点での揺れの強さを表します。2001年の芸予地震時には、伊方発電所3号機で64ガルの揺れが観測されました。


※発電所ごとに地質構造等が異なっているため、他の発電所の基準値震動と単純に比較することはできません。

施設の耐震安全性評価

 発電所の施設や設備を基準地震動で揺らした場合に、"止める"、"冷やす"、"閉じ込める"という安全上重要な機能を有する主要な施設・設備の耐震安全性を確認しています。

施設の耐震安全性評価結果

 基準値震動によって発生する原子炉建屋及び原子炉補助建屋の最大のせん断ひずみ、設備に発生する力、制御棒の挿入時間について、評価基準値以下であることが確認されています。

※「せん断ひずみ」とは
 地震などによって発生する部材をずらそうとする力(せん断力)によって生じるひずみのこと。

最大せん断ひずみ 評価基準
原子炉建屋 原子炉補助建屋
0.00063 0.00084 0.002以下

機能 評価対象設備 発生応力
[N/mm2]
評価基準
[N/mm2]
止める (1)炉内構造物 90 391以下
(2)制御棒(挿入時間) 2.03[秒] 2.50以下[秒]
冷やす (3)蒸気発生器 56 79以下
(4)一次冷却材管 117 348以下
(5)余熱除去ポンプ 10 210以下
(6)余熱除去設備配管 176 343以下
閉じ
込める
(7)原子炉容器 274 465以下
(8)原子炉格納容器 60 351以下

 ※より詳細な経緯や安全性確認結果については、県原子力情報ホームページ(http://etelmtsv.pref.ehime.jp/index_I.html)を御参照ください。



バックナンバー
私たちと放射線は、どのように関わっているの?
安定した電気供給のための取り組みとは?
日本に原子力発電所はいくつあるの?
原子力発電と火力発電はどう違うの?
原子力発電所の安全はどうやって守っているの?
どうして地球はどんどんあたたまっているの?
温暖化防止と原子力発電っていったいどんな関係があるの?
CO2を減らすためにどんな工夫をしているの?
原子力発電所の地震対策
日常飲食するものには、どのくらいの放射能があるの?
放射線って何? 中性子も放射線なの?
エネルギーの歴史
原子力とは



TOPへ戻る