ホテル・業界用語解説

私たちホテルマンが、ふだん何げなく使っている言葉のいくつかを「私なり」に解説します。

これを読めば、今日からあなたも立派なホテル通!!


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おはようございます スィートルーム スキッパー& UG オープン屋 どんでん
御三家 コンプレ&コンプ サービス料 コンシェルジュ ノーショウ
エキストラベッド ホテルとイン ナイトマネージャー ケータリング 配膳会
国際観光ホテル整備法 リネンサプライ スチュワード ページング クローク

おはようございます

  ホテルは、24時間365日営業しています。 従って、ホテルで働く人達の出退勤時間は様々。

 朝食の準備の為の早朝出勤、ナイト勤務(夜間勤務)の為の夕方出勤、その間を繋ぐ日勤(通常勤務)等々

 外の世界に関係なく、出退勤が連続します。

 

 ホテルの、出勤時の挨拶は「おはようございます」、そして退勤時は「お先に失礼します」

 これを、朝・昼・晩 関係なく使います。

 

 ホテルでしか働いたことのない私は、全く違和感がないのですが。 

一般企業の方からすると、「おかしい」と思われるようです。

 

 以前、勤めたホテルの総支配人が、

 「昼会っても、夜会っても、おはようございますはおかしい」と言い出しました。 

確かにそのとおり、それじゃどうしましょう。  

昼出勤したときは、「こんにちは」  夜出勤したときは「こんばんは」に変えましょうか?

 これから仕事頑張るぞという時に「こんばんは」では、気が抜けますよね。 

やっぱり、仕事始めの挨拶は「おはようございます」の元気な声が似合います。  

そんなこんなの話で、結局「おはようございます」で落ち着いたことを思い出します

                                                      


スィートルーム

スィートルームってどんな部屋? 

よく間違われるのは、ハネムーン客からの連想からか、スィートをSWEET(甘い)と思われていること。

甘い部屋=おいしそうな部屋  むーん 何が?   

 

 スィートルームは実は「SUITE ROOM」  

 

一般的には、「2部屋以上の続き部屋のある客室」と説明されています。 

ベッドルームの他に続きの部屋 でパーラー(リビングルーム)、ダイニングコーナー等があり、

さらには、コネクティングルーム(お付きの方、もしくは警備の方の部屋)へと続く場合もあります。  

広さ、グレード、料金はピンからキリまで。

 

ホテルにとってスィートルームは自らのホテルのグレードを示す象徴といえます。 私たちホテルマンは

新設のホテルができると、ショウルームと称して客室等施設の見学をよくします。 

そこで必ず案内されるのが スィートルーム。  

案内する側は誇らしげに、案内される側は誉めたたえ、お互いホテルマンとしての

スィートルームに対する思い入れを分かち合います。

 

ところで、ホテルによって多少考え方は違いますが、

支払能力だけでスィートルームの予約を受付けるところは少ないように思います。  

それぞれのホテルが、スィートルームに泊まるにふさわしいお客様のイメージを持っていて、

そのイメージにそぐわないお客様には

「あいにく、ご予約でふさがっております」とお断りしている事が多いと思います。  

 

 あなたがご自身の俗っぽい評価(あくまでも、ホテルマンの独断的評価ですが)を知りたい場合は、

是非、スィートルームをご予約してみることをお薦めします。

                                                         


スキッパー& UG

私の働くホテルでも、年に1〜2回は、スキッパーの被害にあいます。 恥ずかしい〜!

スキッパーとは、チェックアウトの精算をせずに行方不明になる人達(てめーら 人間じゃねーといいたい)。

シティーホテルと自ら名乗るホテルのほとんどは、ウォークイン(※)のお客様を除き、

宿泊料金、館内での飲食代等をチェックアウト時に精算するシステムになっています。

これは、あくまでもお客様との信頼関係があって成り立つもの。 

悪意に満ちた人達には、全くすきだらけのシステムです。

 

スキッパーの典型的パターン

                                      1.前日までにちゃんと電話予約してくる

                                      2.男性一人、もしくは男女のカップル

                                      3.手荷物は少なめ

                                       4.ルームサービス、もしくはレストランでしっかり食べて、しっかり飲む。そしてサイン

                                       5.2泊もしくは3泊の連泊の予約で、チェックアウト前日にいなくなる

                  ホテル側が気が付くのはチェックアウト当日   うぅぅ〜 情けない。

 

概して被害額の大半は飲食代になります。ワインを必ずオーダーしているのが憎い。

たまに、宿泊だけ、他の利用は一切無しというのもありますが、これはちょっとスキッパーらしくない。

 

スキッパーの被害にあったホテルは、同地区での被害再発防止のため、

他ホテルにUG(不良客)情報として連絡をします。

 

それにしても、スキッパーが捕まったという話はあまり聞かないものですねー。

 

スキッパー(Skipper)=「急いで去る人、逃げる人」という意味だそうです。  

ウォークイン(Walk In)=「当日、予約なしで直接ホテルに来られるお客様」

                                                         


オープン屋

ホテルの開業準備に係わり、これを繰り返すスタッフを「オープン屋」といいます。

ホテルの開業準備期間はホテル規模にもよりますが、約2〜3年。 この間、各施設の営業内容の決定、

家具什器備品の購入、社員の採用教育、広告宣伝、営業許認可の取得、等々

開業までに必要な全ての懸案を決定、実行していきます。

 

かって私もオープン屋の端くれでした。 携わった新設ホテルは5ホテル。

主に、家具什器備品の購買業務を担当してきました。

トイレットペーパー、割り箸から厨房機器、コンピューターシステムまで

ホテルが営業するために必要なありとあらゆるものを、買い付けていきます。

最善の選択で購入したと思っていても、開業後、けっこう無駄買いをしたなと反省する物も正直あります。

開業以来一度も使われたことのない寸胴鍋、買いすぎて倉庫に眠るワイングラス・・・・胸が痛みます。

 

オープン屋はホテルマン本来の姿ではないですが、大変魅力ある仕事です。

                                                         


どんでん

「どんでん」とは、どんでん返しのこと。 

もともとは、歌舞伎などの舞台用語のようですが、いっきに様が変わる事をいいますよね。  

ホテルで使う場合は、宴会場でひとつの宴会が終わり、すぐ次の宴会を準備しなければならない様なときに使います。

通常、宴会と宴会の予約間隔は1時間から1時間半あけて予約を受け付けます。

結婚披露宴の場合ですと、私たちのホテルでは1会場で1日2回の施行が原則です。

18時頃スタートの披露宴を受注して1日3回施行することは可能ですが、夜の披露宴はあまり人気がありません。

1回目と2回目の間がいわゆる「どんでん」です。

1回目の披露宴が予定通り進行している場合は問題ないのですが、

ご来賓のご挨拶が思いの外長引いたり、カラオケが次々続いたり、新婦のお色直しが遅れたり、

いろいろ原因はありますが、とにかくお開きの時間が遅れてくると大変です。 

宴会サービスのスタッフは、もちろんお客様の前ではいつもの笑顔ですが、

心の中では、次の「どんでん」の事で頭がいっぱいです。

いよいよお開き、しかし最後のお客様が宴会場を出るまではジリジリと、かつ余裕の表情でお見送りをします。

そして、宴会場の扉を閉めると同時に戦争です。

テーブルの上の食器、クロスを片付ける。

テーブル・椅子を次の会場レイアウトに合わせて入れ替え、配置する。

クロスをセットし、食器をならべ、先付け料理を配膳。

さらに、席次表に合わせ、席札をおく、それに合わせて引き出物を席付け。 

そして最終チェック。

そのころ、宴会場前では、新郎新婦、ご媒酌人、ご両親が金屏風の前に整列され、ご来賓のお出迎えの準備です。 

宴会サービスのキャプテンのGOサインで、宴会場の扉が開けられ、2回目の披露宴スタートです。

これが披露宴での一般的な「どんでん」風景です。 

扉が閉まって、開くまでの間に宴会場は生まれ変わります。 

お客様には見せられない、扉の中の秘密?の

出来事(怒号飛び交うドタバタ劇)。 これもホテルマンの大切な仕事のひとつです。

                                                        


御三家

日本のホテルの御三家   帝国ホテル  ホテルオークラ  ホテルニューオータニ

外資系ホテルの御三家   リッツカールトンホテル  フォーシーズンズホテル  ハイアットホテル

ビジネスホテル御三家    ワシントンホテル  東急イン  ホテルサンルート 

高松のホテルの御三家   ロイヤルパークホテル高松  高松国際ホテル  リーガホテルゼスト高松  

  ※私の偏見と独断によるリストアップです。異議申し立ては一切受け付けません。悪しからず。

                                                      


コンプレ&コンプ

   コンプレ=コンプレイン(complain)=お客様からの苦情・クレーム

   コンプ=コンプリメンタリー(complimentary)=ホテル側の独自の判断で料金を無料にすること

                       「レ」があるとなしでは大違い。

コンプレはホテルマンにとって日常的かつ「宿命」であります。 ホテルマンなら涙なくしては語れぬ、コンプレ

がらみの話の10や20は必ず持っています。

「お客様は常に正しい」

これは19世紀末のグランドホテル時代を築いたセザール・リッツ(スイス人)の言葉 ですが、

ホテルマンはお客様からコンプレを受けた場合、この言葉を心の中で繰り返します。

いかに理不尽と思える苦情であっても、「お客様は常に正しい」この言葉を信じ、

お客様の真意、苦情の原因を探りながら、お客様の怒りを静めていきます。

これには、やはり経験が必要です。

若いホテルマンが元々のコンプレではなくその対応で、さらにお客様を怒らせてしまうと言うことは確かにあります。 

そんなときにお客様がおっしゃるのは「総支配人を呼べ!」。

 

コンプは、ホテルという企業の「接待」で主に使われます。

その他では、コンプレ客へのお詫びということで宿泊代、食事代等をコンプ処理する場合があります。

コンプレがコンプで解決する場合もあります。

                                                      


サービス料

サービス料(もしくは奉仕料)は、ホテル・旅館業独特の料金です。 

サービス料は、欧米で言えば「チップ」、日本旅館では「心付け」に代わるものと説明されていますが、

「チップ」「心付け」がお客様のお心次第というのに対し、

サービス料は基本料金の10%〜15%で、お客様の意向に関係なくいただいています。

確かに、ホテル業界に身を置く者としてもちょっと不思議に感じるシステムです。

ということは、お客様はもっと不思議に思っているのでしょうね。

当然、業界の中でも、サービス料廃止論があります。廃止論の中にもふたとおりの意見があって

  ・ 基本料金とサービス料を分離して料金をいただく意味合いがなくなった。従って廃止。

      実は、消費税が導入される以前は、料飲税(地方税)というものがあって、料飲税の場合は

      サービス料は非課税でした。それが現在の消費税ではサービス料も課税対象となりました。

      というわけで、基本料金とサービス料を分けていてもお客様が負担する税金は変わらなくなったということなんです。

  ・ サービス料を欧米のホテルのように「チップ」制に切り替えるべし。従って廃止。

      サービス料では、ホテル会社の収入に組み込まれ、サービススタッフへの還元が不明確です。

      欧米のホテルでは、サービススタッフの基本給与を低く抑え、残りはチップで補うというシステムの

      ようです。チップの多い少ないは、本人の努力次第、従って、サービスの質が上がるといわれています。

     ※「チップ」制への変更は賛否両論ありますが、私は反対派です。 反対理由はあらためて書きます。

というのが、主な論旨です。 

すでに一部のホテルでは、サービス料を廃止、もしくは基本料金に含めて表示しています。

しかし、サービス料を単純に廃止すれば

売上の減少、また基本料金に含めて表示するということは、基本料金(タリフレイト)のみを

表示する競合ホテルに比べ割高感を印象づけるのではないかという恐怖感があり、二の足を踏んでいます。

是非、これを読まれたあなたのご意見をお聞かせください!  hotelman@mail.netwave.or.jp

  

   ※(基本料金*1.1サービス料)*(1.05消費税+1.03特消税)=料金      

   ※特消税=特別地方消費税  飲食の場合7501円以上 宿泊の場合15001円以上から課税されます

          但し平成12年3月末日、密かに廃止されました。

                                                      


コンシェルジュ(Concierge)

コンシェルジュは、まだ日本のホテルではなじみのうすい職種です。 

アシスタントマネージャーとかゲストリレーションズといった職種が、これに近いのかもしれません。

私が初めてコンシェルジュに出会い、その仕事ぶりを見たのはスペイン・バルセロナの「リッツホテル」です。

フロントはチェックインの時に立ち寄っただけ、滞在中の諸事はほとんど、コンシェルジュが対応してくれます。

常にロビーにいて、ルームキーの受け渡し、観光案内、車の手配等々あらゆる要望に応えようとしてくれます。

滞在2日目には、日本語で「おはようございます」、そして日経新聞を手渡してくれました。

ヨーロッパのホテルサービスってこういうふうになっているのかと、つくづく感心しました。

日本でいうアシスタントマネージャーは宿泊部の副支配人クラスがロビーの一角にデスクをデンと構えてる

ケースが多いですし、ゲストリレーションズですと、ちょっと学歴を感じさせる女性を配してる場合が多いですよね。

そして両者とも、「何か困ったことがあった場合にだけ、来なさい」という感じで、

お客様をあまり見てみていない様に思います。・・・・これは私だけの偏見でしょうか?

しかし、リッツホテルのコンシェルジュは50歳を越える男性で、

いかにもコンシェルジュ歴何十年といった職人っぽい感じの人でしたが、

ずっとロビーに立ったままいて「何か困ったことがあったら、いつでも相談に乗りますよ」

といった感じで私たちを見てくれていました。 

私も、年をとってホテルでこんな風に働けたらいいだろうなと思いました。

コンシェルジュの仕事内容を十分に語る知識はありませんので、コンシェルジュの書いた本を紹介します。

     「究極のサービス コンシェルジュのすべて」 ホリー・スティール著 日経BP出版センター発行

        サンフランシスコのグランドハイアットでチーフコンシェルジュとして活躍した経験をもとに、

        楽しいエピソードを交え、コンシェルジュの仕事ぶりを紹介しています。

     抜粋 <コンシェルジュはゲストリクエストの終着駅である> 

                                                      


ノーショウ(No Show)

ノーショウとは、予約しているにもかかわらず、キャンセル通知もなく現れないお客様のこと。

実に「困ったお客様」です。

レストランや宴会ではほとんどありませんが、宿泊では日常茶飯事です。

ホテルの商品のひとつは「時間と空間」です。 

ノーショウのために売り逃した客室の「時間と空間」は、二度と商品にはなりません。 

いわば、究極の生鮮食品を売っているようなものです。

「もの」を売っている場合は、予約したお客様が現れなくても、その「もの」を売るチャンスはいずれ来ますが、

ホテルではそれが出来ないのです。

キャンセルの連絡さえいただければ、ホテルは次のお客様のために客室を準備することが出来ます。

個人のお客様からキャンセル料を頂くことは、現実にはありません。安心してキャンセルしてください。

ノーショウの被害を最小限に抑えるための方策として

 予約の確認電話を入れる・・・勤務先が原則  自宅に電話するととんでもないことが起こるケースがあります。  

 オーバーブックにする・・・・・・・満室以上の予約を受ける、これも大変危険な作業です。

お客様あってのことですから、ノーショウがなくなることはありません。 

このことを前提に客室の稼働率アップを目指すのが、私たちホテルマンの運命です。