ある耳鼻科の先生の独り言

      ( 今回はパート5です )


  今年も厳しい暑さの毎日が続いています(特に熱帯夜が困ります)
  開業している耳鼻科医にとっては比較的暇な季節ですので,ある耳鼻科の先生は
  これ幸いと
  ホームページ更新作業の真っ最中で・・・・・・・楽しい(創造,想像)の時間です
                                               


 1、最近はパソコンに(こき)使われています  

  ここ2年ほどの間にパソコンが急速に普及しましたので,いろいろな連絡をパソコンで
  しています
  私がメイルのアドレスを取得した頃はまだパソコンでメイルを受信する事がほとんど
  ありませんのでしたので,もっぱらネットサーフィンを楽しむくらいでした
  ところが,最近はメイルが生活の大きな部分を占めるようになってきて,生活も大きく
  変ってきました
  私の毎日の生活ですが,朝の食事(コーヒーだけ)が終わると,まずパソコンを立ち上げ
  て受診メイルのチエックをします
  必要な場合は返信メイルを直ちに送信して,それが終わってから一階のクリニックで
  診察をす始める事になります。
  職員との連絡も以前はホワイトボードに書いてしていましたが,最近は各自の携帯電話へ
  メイルを入れて済ますようになりました(ボーナス支給の連絡など)
  便利になったのか,不便になったのかよく分かりませんが,これから先はますます
  パソコンの前に座る時間が増えてきそうです
  携帯電話からもメイルが簡単に入るようになりましたので,受診するメイルの数が
  増える一方です
 
        ( おじさんは冷や汗だらだらの夏を過しています )

  今後は医療機関も電子カルテ,オーダリングシステムなどなどますますパソコンと
  にらめっこしながらの診察が主流になりそうで
  本当に患者さんとの間に心の通った医療が出来るかどうかたいへん心配です 

  パソコンを便利に使うようになったのか,パソコンに(こき)使われるようになったのか?
  
  メイルの問題点

  ◆ ウイルス ◆
  昨今は,パソコンウイルスばやりですので私のパソコンも非常に危険な状態になって
  きました
  そこでプロバイダーが最近始めたのメイルチエックサービス(月300円余分に金が要る)
  を申し込みました(ウイルスチエックをしてくれるそうです)
  さきほど「 セキュリテイメールサービス登録完了のお知らせ 」のメイルガ入っていました
  ので,ウイルスが私のパソコンに入る可能性が少しは減ったようです (ホッ)
 
 ◆ 表現の問題 ◆
  確かに(パソコンの)文字での連絡は相手の顔が目の前にないだけに,普段は言えない
  ようなきわどい言葉が活字となって送信されてしまいます(電話とはかなり違う)
  ですから,相手に誤解を与えたり,傷つけたりする可能性がありますので
  よく注意する必要があります

  ◆ 迷惑 ◆
  自分の希望しない迷惑メイルが勝手に入っていて驚きます
  これは頼みもしない郵便物(ダイレクトメール)と同じく,本当に困ったものだ 


  

 2、最近の勤務医の実情について         

   公立病院で勤務する同級生がいて,いろいろ職場での話を聴くのですが,
   本当にストレスが多くて大変なようです。
   昔(古き良き時代)は医者が少なくて,医者を確保するのが院長の大きな
   仕事でしたので,病院長は医学部の定年を迎えた教授が就任する場合が
   多くありました。
   その後,医者の数が急激に増えましたので,大学と病院との立場が逆転して,
   大学側から病院側へ医者を売り込む時代になりました。
   そこで,香川県の公的病院でも,病院長が大学の医局に断りもなく,全国に
   医師を公募したり,科によっては採用試験を始めるようになりました。
   経営の論理(病院が潰れたら元も子もない)をドクターに押しつけるものです
   から,必要のない検査をしたり,病院側の入退院の方針を患者さんに押しつ
   けたり,医者には夜間の救急医療を強要したりと,なりふりかまわぬ異療(?)
   をしています。
   もし,病院のやり方が気に入らない先生はいつでも辞めてもらって結構ですと
   今まで病院の為を思って必死で頑張ってきた先生に対しても,さまざまな
   プレッシャーをかけて(本人が辞めるのを待つという)体のいいリストラをしている
   ようです。
   そこで,院長の方針についていけない先生は,(それではと)開業に踏み切る
   わけですが,最近は銀行もなかなか金を貸してくれませんし,科によっては
   開業のリスクがあまりにも大きいので,なかなか開き直りが出来ず
   (嫌々ながらも)勤務を続けて(院長が辞めるのを待って)いるようです。
   ( 医者のやる気をなくするようなアホな病院は・・・・・いずれ潰れますぞ )  
                                         


 3,健康保険の改正(改悪?)について

   1997  社会保険本人の負担が一割から二割へ
         老人一回500円の自己負担(月4回まで)

   2002  診療報酬の引き下げ(健康保険の歴史で初めて)
   
   2002,10 老人医療費一割負担

   2003  保険本人負担二割から三割へ

   最近の厚生労働省の方針をみていますと,今後の高齢化に向けて出来るだけ
   保険の財源を確保するべく,取りやすい所からどんどん取ろうとしています

   私も医療をしている(レセプトを提出してお金をもらっている)立場からいえば
   今後とも日本の素晴らしい健康保険のシステムは維持してほしいと思っています

   そこで、今なにが問題かというと
   国民みんなが,必要に応じた医療を受けて,無茶をするべきでないという事です
   例えば乳児医療
   高松市の場合は6歳未満の子供達の医療費は保険料と税金で賄われています
   ので,窓口での負担がありません
   そこでどうなるかというと(いつでもどこでも只で治療を受けれますので)いろいろな
   病院へ行って,たくさんの薬(無駄な薬を含めて)などをもらっています
   医療機関の側もつい患者さんの負担がないと思うと・・・・・・あまり必要のない処置,
   検査,薬などを出すのも事実です

   そこで乳児医療,母子医療,身障などで窓口負担がない場合でも,一度支払って
   その後,手続きをして払い戻しを受けるようにすれば無茶はなくなると思います

   ( タダの医療は良くない )

   老人医療費については,これだけ高齢化が進んで保険の財源を支える若い人が少なく
   なったのですから,一割負担は当然だと思います
   そうなれば,今まで行われていた(無茶な)医療にかなり歯止めをかける事も可能です

   健康保険の本人の負担が3割になるのは反対です
   そもそも保険財源の中心は健保本人が支えているのですから,もし病気になった時
   (家族が本当に困ってしまう)は少ない負担で医療を受けても当たり前ではないでしょう
   か ?
   一番保険料を払っている人が,家族と同じ(3割負担)では納得がいきません
 
   日本の健康保険の制度は,今まで比較的安いお金で殆ど総ての国民の健康と命を
   守ってきた、世界にも類を見ないほど優れた保険制度です
   その財源の事をみんなでもう一度真剣に考えて,医療をする側も医療を受ける側も
   必要に応じたほどほどの対応が必要だろうと思います
   (自分だけ得をしようなどというケチな考え方が
                        ・・・・結局はいい制度を壊してしまいます)
                                                  


 4、尊厳死について


    日本尊厳死協会が発行している「尊厳死」という本によれば

    日本安楽死協会は1976年に創立され,不冶且つ末期の患者及び
    植物状態患者に対する過剰な延命措置の継続に対し各人の自発的
    意思によって,このような医療を拒否する運動を行ってきました
    我々の考え方の基本は「人間性を守る人権の主張であること」を強調し,
    且つ安楽死協会の名称が積極的安楽死(慈悲殺)を推進する団体であるかの
    如き誤解を解消するため「 日本尊厳死協会 」と改称した

       尊厳死の宣言書(リビング・ウイル)

    1、 私の傷病が,現在の医学では不治の状態であり,既に死期が迫っている
       と診断された場合には徒に死期を引き延ばすための延命治療はいっさい
       おことわりします
    2、 但しこの場合,私の苦痛を和らげる処置は最大限に実施してください
       そのため,たとえば麻薬などの副作用で死ぬ時期が早まったとしても,一向
       にかまいません
    3、 私が数ヶ月以上に渉って,いわゆる植物状態に陥った時は,一切の生命
       維持装置をとりやめて下さい

     に同意をして,申込書とお金(年会費3000円)を送ると
     原本を協会が保管し,コピーを本人が,もう一部を親しい人が所持する事によって
     本人の意思をいざという時に保証しようというものです
     
    尊厳死協会は東京に本部(電話03−3818−6563)がありますが,最近では
    全国8ケ所に支部が出来ています
    四国では高松市築地町5−1(電話087−823−6286)に四国支部があります   


   先日,私の母親がこの尊厳死協会の意義に納得して登録をし,私がそのコピーを
   所持する事になりました
   この際いろいろな勉強をしてみようとの気持ちから,協会が出しているさまざまな
   出版物を早速買い求め,現在それらの本を読んでいるところです

   人間,いつどうなるか分かりませんのでよくよく考えてみたいと思っています

                                            


  5、自転車泥棒について思う

   最近,立て続けに2台の自転車を盗まれました
   1台は買ってすぐの自転車でしたが,マンションの自転車置き場の上の段に置いて
   あったのを見事に盗まれました
   鍵をかけるのがなんとなく厭で(人を信じていたい)敢えてかけていませんでしたが
   ・・・・・・・・これが豊かな国の貧しい心でしょうか
         (自分で買えないとは思えませんが?)
   ちょっと借りて行ったくらいの軽い気持ちからでしょうが,これは立派な窃盗(犯罪)
   です
   もし事実関係が判明すれば警察も厳罰に処するべきだと思います
   ペナルテイがない為か社会の対応も甘く,このような自転車ドロボウが今後もたくさん
   出現しそうで困ります
   (自転車ドロの家族はこんな事実に対してどの様な対応をしてるのだろうか ??)

   モラル,マナーがうんぬんされる事が多い以下の数々
                  いつまでたってもらちがあきませんので・・・・・・・
   自動車からタバコや空き缶を投げ捨てたりした場合は犯罪として厳しく処罰
   携帯電話の違反も点数制にして,違反点数がある点に達したら電話の使用禁止処分
   禁煙場所での喫煙 バツ
   道を歩きながら痰をペッと吐いた場合も バツ
   迷惑をかけている子供をしかろうともしないアホな母親もバツバツ
   お年寄りを大事にしない人も バツバツバツ

   熱い熱い夏の為でしょうか,おっさんはさんは怒ってるぞー   
  
                                             



 

  これで ある耳鼻科の先生の独り言 (パート5) を終わります



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                      (平成14年8月15日お盆休みに)