HANAの病気
   慢性副鼻腔炎(鼻茸)の説明

      
      左の鼻腔の中に黄色い鼻汁が充満しています

   


1、慢性副鼻腔炎とは

  昔は一般に蓄膿症と呼ばれていました。
  副鼻腔は鼻腔の周りにある空洞の事で普通は空気が
  入っていて嗅覚や呼吸と関係があるといわれていますが
  本当に人間に必要なものであるかどうかはよく分かっ
  ていません。
  風邪をひいて細菌やウイルスが入り正常な粘膜が腫れて
  盛んに膿汁を出すようになった状態が急性副鼻腔炎であり
  鼻づまり、膿性の鼻汁,頭の重い感じやほっぺたが痛く
  なったりします。
  この状態が3ケ月以上経過しても治りきらない場合を
  慢性副鼻腔炎といいます。


2、副鼻腔炎の診断は

  副鼻腔は骨に囲まれていますので鼻の中から見ただけ
  では必ずしも正確に診断出来ませんのでレントゲン撮影
  を行なう事によって簡単に診断されます。
  又,最近ではCT(レントゲン)やMRI(磁場で撮影)でも
  頭部の撮影に際して副鼻腔の異常を指摘されて他科の
  先生から紹介される場合もあります。
  また、場所が歯と近い為に虫歯が原因で副鼻腔炎を
  おこしている場合もあり歯科の先生との相談が必要な
  場合もあります。  

     鼻のCT
     鼻のCTレントゲンです。
     頭のてっぺんから見たところで上に鼻の先端
     そこから頬骨があります。
     この写真では頬骨のすぐ下に空洞がありますが
     右は灰色、左は黒色になっているのが分かるで
     しょうか 
     黒い色になっているのは副鼻腔(上顎洞)は空気
     があってなにも貯まっていませんが,右側の灰色
     は液体(又は粘膜の腫れ)が充満している事が
     考えられます。 


3、副鼻腔炎の治療は

  最近はマクロライド系の抗生物質がかなりこの病気に
  よく効くことが分かってきましたので薬の服用で良くなって
  くる患者さんも増えてきました。
  しかし慢性と名の付くとおり治りにくい患者さんが多くいる
  事も事実です。
  
  そこで手術治療という事になりますが,昔のように頬の骨に
  穴をあけて(開窓)上顎洞の病気の粘膜を全部取ってしまって
  鼻腔への交通路を広く作るという手術は少なくなって
  鼻の中から内視鏡で観察しながら病気の部分を取り除き
  鼻の通りを良くする事によって副鼻腔の炎症を抑えようという
  手術方法に変わってきました。
  但しこの手術は鼻の入り口が狭い人や,血圧が高くて出血が
  多いような人の場合は困難です。


4,鼻茸の摘出は

  鼻茸とは鼻のなかにクラゲの様に粘膜が水膨れして
  出来るものでかなり体質的(?)な病気と考えられています。
  鼻を洗浄したり,ネブライザー療法,薬などである程度は
  小さくなりますが完全になくなる事はありません。
  そこで鼻茸を取って鼻詰まりを改善するために手術をします
  が,あまり出血や痛みがありませんので開業している耳鼻科
  の先生の外来で比較的簡単に出来ます。

  

  鼻茸を絞断器(輪になった鋼線)ではさんだ後電気凝固
  をして出血しないようにして取っている所です。


 

最後に可愛い患者さんの御紹介をします。

   
   原田健生(けんしょう)君と真帆ちゃんです

  

  これで鼻の病気はおわります。

 

                              (平成12年 秋)