趣味のお話 ( PART 6 )

            higenosensei

  最近は本を読んだり,酒を飲む事が中心ですの
  で非常に不健康です・・・・・
   
  平成15年はなにか不思議な出会いがあり,感動
  して,ポロポロと涙を流しました
  これも・・・・・単なる偶然ではないかもしれません 
  (年と共に感性がだんだん鈍くなってきますが,
  まだまだ人の悲しみ,苦しみを知って一緒に泣ける
  自分を知って,なにかをする必然性の様なものを
  感じています)

  50にして天命を知り,60にして耳順う(シタガウ) 
  70にして心の欲する所に従って矩(ノリ)をこえず。 

  (50歳になって自分の仕事が天職であると納得し
   60歳になると人の意見を素直に聴く耳を持ち
   70歳になると節度を失わない)   

  こんな論語の一文を考えつつの平成16年元旦です 



   1、 詩人 塔和子(とうかずこ) さんの事 

    
           ( 塔 和子 全詩集 第一巻から )


    平成15年の秋,たまたま高松市立美術館の前を通りかかると
    ドキュメンタリー映画「 風の舞 闇を拓く光の詩 」の上映と
    香川大学名誉教授の笹本先生の講演会があるとの事
    なぜだか(?)足が引きつけられてしまいました。

    最初はどんな内容の話か,どんな映画か分かりませんでしたが
    散歩途中の(内の奥さん)二人でしたので,美術館内の喫茶店で
    約一時間ほど時間を調整して,講演会場に入りました。

    笹本先生は本当に柔和ないい顔の先生で,塔さんの詩を専門的
    な立場から分かり易く説明して下さり,本当に塔さんの詩につい
    ての奥の深さを詳しく話されて深い感銘を覚えました。
    
    香川県高松市から海を見渡すと,すぐ右約5キロの所にある
    大島青松園(おおしませいしょうえん)で,愛媛県にいる家族との
    縁を切ってほとんど一生を島の中で暮らしてこられました
    園内で結婚されたご主人が詩や短歌に詳しかった影響で雑誌に
    詩を投稿し、受け入れられた事から積極的に詩を創作されるよう
    になったそうです
    元ハンセン病(患者)の塔和子さんの詩の奥深さ・・・・・・はその
    生活から滲み出たものであり 

    作家 大岡信さんは塔さんの詩を評して
    「命を刻み込んだ真剣さがあり,生死の糾問者であり,凡百の詩人
    には成しあたえぬ詩を作った
」と述べておられます。

    その講演会の後に上映された約一時間の映画「風の舞」は
    詩人 塔和子さんの半生を描き,生きる喜び,希望やいのちの
    重みを問いかける映画で,会場の人々は皆涙を流していました
    俳優の吉永小百合さんが「私に出来ることを」と積極的に
    参加し,詩の朗読をされたと聴いていますが
    (監督は宮崎信恵さん,ナレーションは寺田農さん) 
    映画を見せていただきながら・・・・涙がとめどなく
    溢れ出てきました。

    人それぞれ,いろんな人生がありますが,こんなにも自由がなく
    可哀想な人生を過ごさざるを得なかった 「らい予防法」の存在に
    驚くばかりです。

    塔和子さんの詩から 

    聖なるものは木

    自らの威信を失うこのもなく
    どっぷりと広いその愛は
    すべての生の重さを与えて
    洋々と立ち
    なおも大きく枝を張る
    ああ
    あなたは木
    人の奥の奥
    聖なるものは木の像
    木がただ
    木であること
    それはなんでもないこののようで
    こんなにも美しいものか

    当たり前にある木々の存在(自然)をこんな感動を持って詩で
    表す事が出来る塔さんの感性に驚かされます 


    
                           (右端に大島青松園)
   左がサンポートの蔭に男木島      その向うが小豆島  
                 オギジマ         ショウドシマ





   2、花の詩人 星野富弘 さんの事       

               (ほしの とみひろ)

    平成15年の秋に高松天満屋で星野さんの詩画集の
    展覧会がありました。
    群馬県の富弘美術館へ行けば見ることが出来るのでしょうが
    本ではなく実物を間近に見る事が出来て良かったと思ってい
    ます
    塔和子さんとどこか共通する視点があり,普通の人では考えも
    しないような発想の絵と詩には・・・・・驚かされます
 
    優しさと愛にあふれた詩と,身近な草花をあたたかな眼差し
    で見つめ描いた作品は多くの人に感動を与え続けています。
    星野さんが描いた水彩画,サインペン画の約80点は見る人
    に希望と喜びを与えています
    人間社会はいろいろなストレスがありますが,この詩画集を
    見ていますと,ほんとうに些細な問題と思えてきますので
    不思議です。

    私が一番好きな詩は

    神様がたった一度だけ
    この腕を動かして下さるとしたら
    母の肩をたたかせてもらおう。
    風に揺れる
    ペンペン草の実をみていたら
    そんな日が
    本当に来るような気がした 
     
    こんな星野さんの詩を見たり,読んだりしながら・・・・・・・ 
    自分に出来る親孝行とはを考えていますが(なかなか肩たたき
    が素直に出来ません)・・・・・親不孝ですね
    今年はもっと素直な気持ちで親孝行をしたいと決意しました
    (一年の計は元旦にあり)   




   3、 医師  小笠原 望  先生の事

                (おがさわら のぞむ)

    

    高松赤十字病院の内科で長い間勤務されていて,現在高知県
    中村市で大野内科医院を経営されている内科のお医者さんです
    前々からいろいろ本を出されていましたので
    どのような考え方をしているかは分かっていましたが,実際に
    お話を聴くのは初めてでしたので,大変興味深く拝聴することが
    出来ました

    
   講演中の小笠原先生が 突然,壇上でマイクを使ってのカラオケ

    「 ニンゲンガ ダイスキサ 」 「 ニンゲンガ ダイスキサ 」
    「 ニンゲンガ ダイスキサ 」 「 ニンゲンガ ダイスキサ 」

    を節を付けて歌い出したので,場内がいっせいに歌 歌 歌で
    たいへん盛り上りました(先生はなかなか歌もお上手です)

    先生の考えておられる医療の在り方については一言で言えば
    「患者さんの立場に立った,柔軟性のある優しい医療」
    だろうと思います
    大病院に入院している大多数の患者さんは,医者とは立場が
    違います 
    弱い立場でなかなか本音でしゃべりにくいのが実情です

    1、もっと自分の苦しみを分かって欲しい
          (患者さんの切なさを理解する)
    2、もっと優しい言葉で話して欲しい(言葉で伝わる優しさ)
    3、医者が判断を間違った時は,素直に「ごめんなさい」と
      言ってほしい
    4、医療者同士の良いパートナーシップが患者さんの不審感を
      なくす
    5、「もっと患者さんに何か出来ないか」の素朴な気持ちを持とう
    6、命の大事さにくらべれば・・・・・日々のこまごましたことなど
      小さい小さい 

    先生の書かれた本

    「いのちばんざい」  高知新聞社発行 平成13年6月 
   
    によりますと先生は

    1951年 高知県土佐市生まれ
    1976年 青森県弘前大学医学部卒業
     同年   徳島大学第一内科入局
     (ですからある耳鼻科の先生とは同じ大学で卒後勉強し医局も
      6階の同じフロアーにあり
      手前が一内科医局,奥に耳鼻科医局がありましたので全く
      同時期に同じ大学で過ごした先生でした)
      ある耳鼻科の先生の方が年齢は3歳上ですが,小笠原
      先生は比較にならないほど優秀な先生です
      ( 内心はかなり年配の方だと思っていました )

    1977年 高松赤十字病院内科勤務
    1997年 高知県中村市にある奥さんのお父さんが経営して
           いた大野医院に勤務 
  
    「いのちを支える」 小笠原望著  四国新聞社
    
    「医への思い,しなやかに」 小笠原望著 医学書院

    などの本を是非お読みになっていただきたいと思います
      



  4、 最近私の読んだ本など・・・

     「 船で暮らす地中海 」  足立倫行著   講談社

    この本は自分の体験録ではなくて,ある商社マン(稲次哲郎いなじてつろう)が
    定年前に会社を辞めて,中古の高級モーター・クルーザー(ハイドレンジア号)
    で地中海を航海するなかで起こった事件などを書き記したものを
    ,著者が取材などして本にまとめた物です
    商社マンとして海外で暮らした経験(語学など)が財産となって,第2の自由な
    人生を地中海で暮らしていくという
    日本のサラリーマンにとっては夢のような生活が実際はどんなものか・・・・・
     
     * 私はサラリーマンでありませんので,定年という恐怖(?)はありませんが
       ,手が震える様になって耳鼻科医として充分に職務が果たせないと悟ったら
       その時は潔くやめるべきだと思っています
       お年寄りや,子供達が好きで仕事が楽しいので出来るだけ長く(少々は)
       社会の役に立ちたいものだと思います
       船を持って地中海で暮らすのも結構ですが,別に日本にいても同じ様な事は
       出来るように思いますので,たいした経験でもないように思えますが
       いかがでしょう
       

     「 龍馬 」5流星篇  津本 陽  角川書店

     これで津本陽の「龍馬」本は5冊になる
     歴史の事実を文献の中から出来るだけ忠実に取り上げているのだが,
     司馬遼太郎の本「竜馬がゆく」と比べると,残念ながら面白味に欠ける
     宇和島藩から借り受けた船を操船ミスで沈没させてしまった龍馬がそのミスを
     相手の紀州藩の船に問題があるとして損害賠償金を出させるというくだりは
     龍馬のイメージと異なるものでなかなか面白かった

     * 司馬遼太郎の書いた「 竜馬がいく 」は面白くて,面白くてつい毎晩
       の如く読みふけって結局全編を二回読んだ想い出があります
       独特の書き方でいろいろ読者に謎をかけるような表現があり,興味が
       広がりました
       特に4年間住んでいた高知県が主な舞台ですので,高知の男の人と
       竜馬,高知の女性とハチキンの姉さんの事を比較しながらの読書でした
       ので身近に感じた楽しい時間でした
            

     「 先生,なまらコワイべさア 」 小川 克也  ごま書房

     北海道大学農学部中退,東大理学部入学,予備校教師,東大医学部入学し
     35才で医師になる 卒業して郷里の北海道で生活する為に北大医学部の
     内科に入局し,その後1年釧路赤十字病院で勤務を経て北海道の片田舎
     の町立診療所に勤めての出来事が中心である
     最初の町立診療所の所長とうまが合わずに苦労する話などあるが,私に
     言わせると,東大出の医者というプライドが高すぎる所に問題有り
     話の中で奥さんが香川県の観音寺出身という事で興味が湧いてきた

     * この本の中で小川先生が前任の所長の悪口をいろいろ述べている
       くだりがありますが,これは「明日は我が身」という事です
       簡単に批判をしますが,自分が上になるとなかなか出来ない事を
       思いますので,簡単に上司の批判はすべきではない(10年早い)
       バカモノメと言いたい
       たまたま東大出の医者という事で本にしてくれましたが,世の中そんなに
       甘い物ではないべさ


     「 温泉に行こう 」  永 六輔  KKベストセラーズ

     永さんが長野県にある浅間温泉の活気を取り戻す為,ある企画をする
     ( 町おこしについての一つの提言 )
 
     * 確かにさびれた温泉町の人達がある有名人を使って町おこしをしようという
       気持ちが分からないでもありませんが,今の時代安易に結果を得よう
       儲けようという風潮が好きになれません
       地域おこしは,地域のみんなで創意工夫を重ねるしかないように
       思います


     「 四国遍路紀行 」 築山 良文  文芸社

     名古屋に住む普通のサラリーマンが定年退職を3年後に控えて,のべ38日
     をかけて88ケ所参りをする(名古屋を起点に合計9回の区切り遍路)
     道中の出来事を俳句と共に綴ったもので,自分も四国に住んでいて遍路に
     かなり興味があるので,最後までいっきに(面白く)読めた
     平成13年9月28日に定年を迎えたそうですが,現在の心境など聴きたい
     ものです

     * 最近,暇をみては88ケ所参りをしている自分にとってこの本は特に興味
       深いものでした
       歩いて遍路をするのと,車で遍路をするのではかなり意味が違います
       恐らく,昔の人は当たり前のように歩いてお参りをし,途中で死んでも
       当たり前という気持ちがあったのではと思います
       今は遍路ブームのようで・・・・気持ちの上でかなり甘いのではと思います
      
       
     「 六本木の赤ひげ 」 飯島 一孝  集英社

     旧満州から来日にて日本の医学教育を受け,六本木で開業している
     アクショノフさんの活動を書いた本です
     外国人専用のクリニックであり、貧しい人からは金を取らない「赤ひげ}
     に似ているとの事ですが,本人が書いたのではないので迫力はない

    
     
     「 生きてふたたび 」 国本 衛  毎日新聞社

     国本衛(くにもとまもる)さは1926年韓国全羅南道に生まれで本名は
     季衛(イ・ウイ)さん
     四才の時日本の父を頼って母親と来日,
     14才の時ハンセン病を発症して国立ハンセン病療養所多摩全生園に
     入院し,現在に至る
     本の題名にあるとおり本当に悲惨な,苦しい入院生活をされた方で本の
     内容も驚く事の連続でした(驚きの連続)

     「 生きる日 燃ゆる日 」 国本 衛 本名 李衛  毎日新聞社

     生きるに値しない人間として生きてきた。気が遠くなる歳月。私に少年の
     日の面影はもはやどこにもない
     忘れられない家族との別離を悲しみを越えて生きてきた
     父の死にも会えず,母の死にも会えず,社会から排除され、社会の裏面の
     闇の底で,それでも私は生きてきた
     振り返れば虚しい日々があり,死と向かい合う日々があり,気が狂いそうに
     なる日々があった (本のあとがきより)
    
     在日コリアン,とハンセン病という二重の偏見と差別に苦しんできた国本
     さんが 「 生きてふたたび 」 を刊行した後,今度は在日コリアンとして
     家族の絆をどのようにして取り戻したかを描きたかったとの事である
     旧日本軍は侵略戦争によって東南アジア諸国の文化や産業を破壊し,
     荒廃 させた
     その荒廃と貧困の中からハンセン病が多発した
     言い換えるならばハンセン病は貧困病であり,植民地病なのである
     韓国は長い日本の植民地支配のもと,患者は日本よりはるかに多く
     10倍の発病率だった(この文章を読むと,本当に日本人として恥ずかしい
     気持ちがするし,戦後韓国に帰ったハンセン病の人達が日本政府に補償
     を要求する訴訟があったと先日報道されていたが,まさに今まで犯した罪を
     少しづつでも真面目に償っていくべきではないかと思っています) 
       
      
     
     「 趣味は読書 」 斉藤 美奈子  平凡社

     こんな本もあるのかと驚いた次第です
     忙しい現代人に取って代わって,ベストセラーになっている本を読んで要約
     して,だいたいの所を理解してもらうそうです
     これでは斉藤さんの目を通してしか本の内容が分かりませんので・・・・
     あまり意味のない本の様に思いましたが
     今回の私の趣味パート6も同じ様なものかもね ?


     「 星野道夫物語 」 国松 俊英   株式会社ポプラ社

     星野道夫さんは1996年に熊に襲われて亡くなるまで,アラスカをテーマ
     にした写真を撮り続け,自然や野生動物のすばらしい作品を残しました
     その星野さんの事は大学時代の同級生村井さんとがグリズリーの写真集を
     買ってくれないかと持ってきた事から国松さんが知ることとなる
     この本を読んだ事がきっかけで星野さんの素晴らしい写真集を買って,
     現在は出来るだけ多くの人に見て貰おうと
     外来の待合い室においてあります



     「 バンコク楽宮ホテル残照 」谷 恒生  小学館

     「 花に逢わん 」 伊波 敏男  NHK出版  

     1943年沖縄県生まれの伊波敏雄さんが14才の時にハンセン病を発症
     して
     沖縄,鹿児島,岡山の療養所で治療を受けて全快し,その後東京の
     中央労働学院で学ぶ
     読んでからしばらくは感激でボーとしていました
     今は,もう一度最初から読み直してみたいと思っています  

     「 夏椿,そして 」 伊波 敏雄  NHK出版
    
     平成9年6月20日 上記の「花に逢わん」は出版されて,書店に並べ
     られて多くの人に読まれ,驚きと感動を与えた
     その後伊波さんが沖縄に帰省する事があったが,その折
     雨宿りで飛び込んだ家のおんなの人に 「あんた 進じゃないの?」と声を
     かけられ
     40年前にハンセン病療養所沖縄愛楽園で使われた偽名(ススム)で
     呼ばれた事に驚き,苦しみながら生き抜いてきた人達の貴重な証言を
     出版物の中に刻みたいとの思いでこの本を書いたそうである

     題名の夏椿・・・は
     ハンセン病で首をつって自殺した女性が懐に入れて,折りたたまれた
     小さな和紙に書かれていた

     夏椿 またひと季(すえ)と 闇の裂(さき)

     からとった題名であり,非常に重いものです 
 


     「 隔離 」らいを病んだ故郷の人たち  徳永進  みゆる出版

     1948年鳥取県に生まれ、京都大学医学部を卒業後,京都 大阪での
     勤務後,鳥取赤十字病院の内科医として勤務する
     徳永先生がらい病に病んだ鳥取県出身の40名から詳細な事実を語って
     もらい,その驚くべき事実をまとめたものである
     人の心を揺さぶる大きくて,大事な大事な真実がある
     いろんな病気は時として,人間同士の差別を生み出す事があり
     これからの人間がエイズ,サーズ,その他の病気に対する考え方
     在り方を問っているように思えた


        ここらで一服しましょうか




     
     平成16年元旦 快晴 シンボルタワー 玉藻城     全日空ホテルクレメント




    

     「 てるてる坊主の照子さん 」上、下 なかにし礼  新潮社
    

     登場している照子さんはなかに礼の奥さんのお母さん(義理の母)であり
     主人公の春子,夏子,秋子,冬子が実在の姉妹である
     春子はフィギュアーの日本代表としてグルノーブル冬のオリンピックに出たこ
     とがあるスポーツ才能抜群,夏子は歌と演劇の才能がある石田あゆみで
     現在も活躍中である
     四姉妹が戦後のどさくさの時代に繰り広げる楽しい出来事などであった

     

     「 がんばらない 」「 あきらめない 」 鎌田 寶   集英社

     私(ある耳鼻科の先生)と同い年の54才 東京医科歯科大学を卒業後
     長野県諏訪中央病院に勤務して,地域医療をおこなう
     1988年院長に就任
     長年病気(病人)を見ているいうちに・・・・・
     がんばらない生き方を見つけたら,希望をもって,あきらめない生き方を
     してもらいたいという含蓄のある言葉で締めくくられている ??

     「 田舎歯医者の歯ぎしり 」 岸本半蔵  新風社

     この本の著者は大阪大学医学部を出て,小豆島の内海病院で勤務した後
     三浦眼科医院を開業されている
     小豆島での眼科医療をとおして歯ぎしりするようないろいろな実態にについて
     満山君(本人)が登場してあれこれしゃべっている
     同じ仕事をするものとして共感する点がとても多い

     「 夫の定年 妻の定年 」 北 連一  実業の日本社
     
     出版社に35年勤め,原稿を依頼して本にする仕事を続けてきた作者が
     定年をきっかけに本を書いて編集者に渡す事になる
     定年後の生活はどう変わっていくかの内容だった ?

     「 わが朝鮮総連罪と罰 」 韓 光ヒ

     朝鮮総連の中枢にいた韓さんが(3度目の)脳梗塞に倒れて,腐敗した
     総連の内情について書いた書物です



     「 救命センターからの手紙 」 浜辺 祐一

     救命センターの医者といての毎日の生活のなかで,患者さんが
     救命されて意識も完全に回復して退院していく人を見ることは喜びである
     が,救命だけできたものの植物状態になってしまった場合のむなしさを
     本の中に書かれいたように思う

     「 老いのくり言,笑うなかれ 」 近藤 富江  講談社

    
     「 ホームレス作家 」 松井 計  幻灯社

     新宿区役所でケースワーカーが奥さんと娘さんは役所で預かりますとの事
     で自分だけ町の出てホームレスとなる
     死ぬかも知れないという恐怖感から実際に目の前で起こっている事や
     自分が考えている事を書き留めてからでないと死ねないと感じた作者の
     赤裸々な内容の本である
     その後本が売れたので,ホームレス生活はなくなったがしだいに・・・・

     「 成人病の真実 」 近藤 誠  文芸春秋

     「がんと闘うな」の著者 近藤 誠が日本の検診システムについて大上段
     から批判して検診不要と結論する
     特に面白いと思ったのは,検診を受ける前に現在の検診のデーターが
     いかに医者の金儲けを中心に正常値が決められているか
     (医者,製薬メーカー検査機関,厚生省のなれ合い)
     という点を厳しく指摘している
     私も産業医として50人ほどの検診データーを見る機会がありますが,この
     本を読んでからは正常,異常との判断が出来にくくなった

     [ 60歳のラブレター 」 1、2  NHK出版

     住友信託銀行の「60歳のラブレター」
     熟年世代の夫婦を応援したいという思いを込めて,「長い人生をともに
     歩む夫から妻への,妻から夫への60歳のラブレター」の募集が
     2000年11月22日(いいふうふのひ)に始まり葉書一枚に書かれた
     ラブレターが15688枚集まったそうです
     その中から165通が選ばれてNHK出版協会から発売されました
     心揺さぶられるいい内容の本です 
     
     「 マンボウ夢草紙 」 北 杜夫  実業之日本社
     「 マンボウ哀愁のヨーロッパ再訪記 」 北 杜夫 青春出版


     エッセイいろいろありだが,余り頭には残っていない
     どくとるマンボウ航海記・・・ 東北大学医学部を卒業して間もない頃
     半年間の船医としての経体験を書いたベストセラーとなった・・・
     彼が30年余り経過して再びポルトガル,タヒチなどを巡っての
     紀行文である
     当然ながら昔の国,人,文化が変わり,自分も体力,気力が衰えて
     きたので(躁鬱病?と本人はいう)感じ方が異なる
     気楽に読める本デシタ 
 
     「 やまない雨はない 」 倉嶋 厚  文芸春秋
    

     以前NHKでお天気番組を担当していて,博識な為におもしろい話を聞
     かせてくれていたあの倉嶋さんである
     妻の死,うつ病,それから・・・・・・となっている
     文芸春秋が募集した「伴侶の死」への投稿が認められて,自分の
     あらいざらいを
     活字にしたもので感動させられた

     [ 風まかせ写真館 」 椎名 誠   朝日新聞社

     肩の凝らない写真と雑文ですが・・・内容はおそまつ  


     
    これで

         趣味のページ パート6は終わります


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                         ( 平成16年 元旦 )