梅月湯
(Baigetsuyu)



 杉並区という地名は、そのむかし、実際にこの地に杉の木の並木道があったことからこの名が付いたらしい。現代は都心のベッドタウンとしてめざましい発展をしてきた。

 今回紹介するのは下井草にある梅月湯(ばいげつゆ)である。下井草は中野区と杉並区の区境近くに位置している。梅月湯は西武新宿線・下井草駅から徒歩5分。至極便利な位置にある。

 15:30からの営業開始をにらみ、早目に現地についてしまったが、なんともう営業しているようだ。
 中から出てきたおばあさんが言う。「今日は年寄りの日だからねえ。」と。よく見ると、入口に以下のような但し書きが、、、。
 「今日は60歳以上の方のふれあい入浴日です。入浴時間は午後2時から午後4時までです。」
 しまった。まだ15:00ではないか。「若者」はあと1時間も入口で待てというのだろうか。

 そこで、番台様と交渉をすることを考えた。まだ16:00前ではあるが、何とか入浴させてほしいと、、、。
 心配をよそに、すんなりOKが出た。 感謝。

 こういった事情があるので、浴室にはお年寄りがいっぱい。あいにく浴室の写真撮影はできなかった。脱衣室には、石鹸、飲み物、アイスクリームの販売があり、ロッカーは63個。全自動洗濯機も2台ある。利用料はなぜか1台が100円、もう1台が150円。早い者勝ちで100円の方を利用できるということだろうか。
 また、脱衣室には、浴室とは反対側に縁側があり、入浴後にくつろげるようになっている。今日は冷房されているはずの脱衣室より、縁側の方が大分涼しかった。

 浴室は洗い場が28箇所。シャワーブースは2箇所。サウナはなし。浴槽は3槽。左から「深い、熱め」、(名前なし)、「浅い、ぬるめです」となっている。いずれも気泡がいっぱいである。その熱めの浴槽だが、湯温が46℃。かなり熱い。そして、ぬるめの浴槽には「最初は熱いと感じても、うめたい時は、水の蛇口のそばで、自分のまわりだけ、そっとうめるようにしてください。」とある。
 さすがは大江戸銭湯。たとえ、ぬるめの浴槽であっても、それを好き勝手にぬるくすることはこうしてきつく禁じられている。そして、「うめる」という言葉にも注目してほしい。もちろん「うすめる」という意味である。

 壁画は「志摩 平成15年4月」とある。海に浮かぶ小さい島が多数ペンキで描かれている。
 今日がふれあい入浴日だったからか、梅月湯にはファンが多いようだ。杉並区の杉並木を通る風を入浴後に受けながら、過ぎ去っていく夏を感じた。もう真夏のような熱風ではない。過ごしやすい秋の到来が近づいている。

(番台様、撮影へのご協力ありがとうございました。)


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
杉並区下井草2-33-9 400円 × × 15:00〜24:30
(男湯は15:00〜25:00)
金曜日

取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2004年8月22日(日)



 
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