喜多の湯
(Kitanoyu)



 東京都浴場組合ホームページによると、東京都内には1,091箇所もの銭湯があり、そのうち107箇所が破風造りの建築であるという。

 破風造りを標榜していなくても、破風造りモドキも多数あるだろうことを考え合わせると、東京都内の銭湯の約1割強は破風造りであると言えるだろう。都内の銭湯には何故こんなにも破風造りが多いのか、銭湯と破風造りの関係は何なのか、はさておき、今回紹介する喜多の湯も立派な破風造りの銭湯である。

 喜多の湯は清瀬市にあり、西武池袋線・清瀬駅のすぐ北側の、小金井街道から1本入ったすぐのところにある。
 喜多の湯の破風造りの外観は、真新しいもので、破風の部分をわざわざ朱色にするほどの強調のさせ方である。元来、破風板(「はふいた」あるいは「はふういた」と読む)とは屋根を支える「たる木」を守る構造的な役割を持つ。この破風板がどんどん複雑に、派手に装飾されて発達し、切妻破風、唐破風、千鳥破風などのいろいろな破風板が登場した。銭湯でよく使われるのはこのうちの唐破風である。唐破風といっても中国伝来のものではなく、日本独自のものであるという。

 さて、暖簾をくぐって下駄箱に靴を入れ、左方向へ中に入ると比較的広いロビーになる。ロビーには、右手にフロントがあり、左手に貴重品入れのロッカー、石鹸、シャンプー、飲み物などの販売、奥にはマッサージ椅子が3つとソファーがあり、結構くつろげそうなスペースだ。その、マッサージ椅子のひとつがかなり古い。「新50円硬貨」という硬貨を投入すればちゃんと動くようである。

 フロントで下駄箱の鍵を渡し、入浴料を払うと、脱衣室のロッカーの鍵をくれる。本日は、フロントの左側が男湯である。脱衣室も浴室も天井が高く、気持ちが良い。どうやら新しかったのは外観だけで、浴室は結構古かった。昔ながらの銭湯といった感じである。壁画は富士山。洗面器は黄色いケロリン。洗い場は全部で24箇所。カランの水量はかなりのもので、洗面器がすぐにお湯で一杯になる。

 浴槽に入る。
 この銭湯にもいろいろな浴槽が用意されている。ジェットエステバス、ボディマッサージ、電気風呂、気泡風呂、冷水風呂、薬湯がある。本日の薬湯はローヤルゼリー。私の一番のお気に入りはこの薬湯だ。湯温は少しぬるめで長湯ができる。においも良い。お肌がきれい〜になった気がすることはないが、結構リフレッシュできる。他の浴槽の湯温は41℃でちょっと熱く感じた。冷水風呂は18℃。サウナから出てきたおじさんが、冷水風呂でザブンザブンと肩から冷水を浴びていたが、私には到底無理である。
 サウナは別料金。ガス遠赤外線サウナ。室内温度は83℃である。
 同じ建物内にコインランドリーがあり、地下にはレンタルホールもある。

(フロント様、お二人は親子なのでしょうか?撮影ありがとうございました。)

入浴料:大人400円、中人300円、小人180円、幼児80円、サウナ330円
     (サウナ込みの入浴料は700円)
※ 平成16年7月22日午後3時からの1時間、ここ喜多の湯では体験学習のためか幼稚園児が貸切入浴に来ることを知らせる「お知らせ」。
 江戸っ子はやはり子どもの頃から鍛えられているのだ! ↓


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
清瀬市元町1-7-7 700円 × 平 日 15:00〜23:00
土日祝日 14:00〜23:00
金曜日

取材:銭湯愛好会東京支部
取材日:2004年7月17日(土)



 
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