香南楽湯
(Konan rakuyu)



 高松空港に程近く、県道三木綾南線の道の駅に「香南楽湯」がオープンした。

 ところで皆さん、道の駅についてご存知だろうか。
 道の駅とは、道路利用者のための「休憩機能」、道路利用者や地域の方々のための「情報発信機能」、そして「道の駅」 をきかっけに町と町とが手を結びあう「地域の連携機能」の3つの機能を併せ持つ休憩施設のことである。
 そしてこの休憩施設では、地域の文化、名所、特産物などを活用して多様なサービスを提供することが望まれ、施設自体の運営は市町村または市町村に代わり得る公的な団体が行っている。
 そう、だから、道の駅には国土交通省公認の道路案内板が優しく導いてくれる。

 さて、ここで出てきた3つのキーワード。休憩、情報発信、地域。このキーワードから皆さん何を連想するだろうか。
 「銭湯」以外の何物でもない。

 前置きが長くなったが、香南町の道の駅には「香南楽湯」がある。
 香南楽湯の建物は立派、外構えからしてまるでライブラリーのようで、一見お風呂には見えない。
 ガラス張りの1階ロビーには特産品売場があって、向かいにお風呂の受付がある。まるで、高級旅館に足を踏み入れたようで緊張感が走る。
 受付では下駄箱のカギと交換に脱衣所のロッカーのカギをもらえる。お風呂は2階だ。2階にあがると「木の風呂」、「石の風呂」と書かれた大きなのれんが目に入る。男湯と女湯は毎週木曜日にチェンジされる。

 この日、私が入ったのは木の風呂の方だった。
 浴室は広くて清潔で格調高く、やはり高級旅館のお風呂のよう。木のぬくもりがが優しく包み込んでくれる。ヒノキ風呂は大きく、このほかにも香南町の育った果実を浮かべた香湯、真っ白い泡が出ている寝湯などがある。そして、露天にあるのが、円形のジャグジーの露天風呂である。
 木の縁に枕代わりにタオルを置いて仰向けに露天に浸かると、空を独り占めできる。時折りかすめる風が気持ちいい。何て幸せなんだろう。

 さて、サウナであるが、実にガラス張りになっている。中はそんなに広くはない。定員8名くらいだろうか。しかしガラス越しに外を眺められるサウナは明るくて気持ちがいい。テレビは置いていない。代わりにスピーカーからは癒し系の音楽が流れている。
 サウナの前には水風呂がある。ほどよい冷たさである。水位が減ると自動的に蛇口から水が出てくるしかけになっている。
 
 大浴槽、サウナ、水風呂、露天。全ての造りとレイアウトに三ツ星の評価を与えたい。ここのお風呂は入る人の身になって作られている。
 入浴料700円は最近の相場からすると高めだが、それだけの価値はある。ボディーシャンプー、リンスインシャンプーも備え付けられていて、湯上がりにはリラックスできる休憩所もある。休憩所では麺類を中心とした軽食、ビールのおつまみ系の一品類、飲み物があり、ここでの飲食は脱衣所のロッカーのカギを見せるだけでいい。帰りに受付で精算してくれる。もちろん、食事をしたあともう一度入浴することもできる。

 この日、私はほぼ半日を香南楽湯で過ごした。
 料金システムは大人(中学生以上)700円、65才以上500円、小学生300円、小学生未満は無料。お得な回数券もある。
 空港まで車で5分のところなので、フライト前のひとときに、また旅の後の疲れの癒しに訪れるのもいいだろう。ただし、あまりの快適空間なのでついつい長居してフライトに遅れないように!


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
香南町大字横井997-2 700円 × 10:00〜22:00 水曜日

取材:銭湯愛好会



 
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