寿温泉
(Kotobuki onsen)



 松山市緑町。城山の北に位置するこの辺りは大学生のベッドタウンである。寿温泉の周辺には学生専用のワンルームマンションが多く建ち並んでいる。そのためか、この銭湯の客層の平均年齢は若い。
 入口横の電光掲示板には、寿温泉の案内PRが次々と流れている。サウナ、ミストサウナ完備、それから最大のPRポイントは奥道後温泉引湯であろう。さすがに道後温泉のお膝元の銭湯は違う! 専用駐車場は3台収容で入口前にある。

 のれんをくぐり番台で310円を支払う。300円でなく310円なのは温泉のためだろう。脱衣所には1ヶ月300円の鍵付きロッカーがある。常連さんはおそらくこのロッカーをリザーブしているのだろう。あとから来た常連らしきおじさんは慣れた手つきでロッカーから石鹸箱とヒゲソリを取り出して洗い場に入って行った。

 おじさんを追いかけて洗い場に入った。左にミストサウナ、右にノーマルサウナがある(男湯の場合。女湯は左右対称とすれば反対のレイアウトだろう。)。ミストサウナの前が水風呂でその向こうが大浴場。奥にはジェット風呂と電気風呂が横並びになっていてイベント湯にもなっている。訪れたこの日はラベンダー風呂であった。

 ノーマルサウナは定員3名のこじんまりした空間である。この日の温度計は110℃を指していた。けっこう効く。しばらくして、My腰掛けとMy砂時計を携えたお年寄りが入室してきた。かなりの常連さんなのだろう。サウナ室はタオル敷きではなく、板に直接腰をおろすようになっているのだが、好みに応じてサウナ室前にあるプラスチックの腰掛けを持って入り座ることもできる。おそらくこのご老人には備え付けのプラスチック製腰掛けは高さがフィットしないのであろう。彼のMy腰掛けは木で作った手製のオリジナルで、色合いからしてかなり年季が入っていた。My砂時計も同様である。

 話を脱衣所に戻すと、体重計の横に飲み物の自動販売機がある。ビールもあるのが嬉しい。真ん中の縁台以外に洒落た公園にあるようなベンチもある。買った飲み物をこのベンチに座り裸で飲むのがお洒落である。
 脱衣所鏡の前のカウンターの隅には、うちわが準備されている。当然扇風機もあるのだが、必要に応じてうちわも使ってくださいという心配りが嬉しい。やはり縁台にはうちわが似合う。
 壁には銭湯にお決まりの競輪のスケジュール表が貼られている。しかし、寿温泉で違うのは大学のサークル案内が貼られているところだ。取材したこの日は、松商(旧松山大学)OBカラオケ愛好会の出演者募集の張り紙と愛媛大学演劇研究会の公演案内が貼られていた。

寿温泉は学生マンションの1Fにある。来春、松山で大学生活を送る愛好会会員は是非ここで下宿することを薦める。 
 風呂上り、近くには居酒屋「豚八」もある。


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
緑町2-6-20 310円 × 6:00〜23:00 年中無休

取材:銭湯愛好会



 
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