三島湯
(Mishimayu)



 「萱町(かやまち)や裏へまはれば青簾(あおすだれ)」、松山の詩人「正岡子規」がこの場所に住み、城下町の静かな夏の昼下がりを詠んだこの句碑が、ここ三島湯の横にある。

 萱町は松山の城西にあり、お堀から一つ西に入った、細長い街である。細長い道路の両面には、庶民に必要なあらゆる店が軒を連ねる。
 三島湯は、コンクリート造りの建物、そして句碑のある神社の楠の向こうに煙突が見える。入り口に向かって右が男湯で、手前には自動販売機、自転車の置けるスペースがある。

 ブルーの暖簾をくぐると、もう一つ番台横に暖色の暖簾がある。季節ごとに取り替えるのであろう。
 脱衣所の右奥にはサウナ、左には洗面台、そして垂直体重計が、そして左手前から、入浴後の最大の楽しみの入った冷蔵庫、扇風機が置かれてある。脱衣場と浴室の間は、すべてサッシのガラスで仕切られている。

 浴室にはいってすぐ左に水風呂、その向こうに水しぶきの音、打たせ湯、奥には岩風呂、ジャグジーである。湯は熱め、ガラスが多く明るい銭湯だ。
 ここは常連のお客さんが多い、無駄な動きなく洗い場にたどり着く、湯船から顔を出して見ているとすぐわかる。
 銭湯から出てくる女性を見てもわかる。買い物袋を抱えた女性が女湯から出てくる。さすが、松山の台所萱町にある銭湯だ。

 愛好会ファンにだけ教えたいことがある。気持ちよい湯から出たあと、神社に入ってみよう。
 もちろん子規の句碑、そして堂々とした楠、そして三島湯で使っていたと思われる、一昔前の脱衣BOXが神内にある。
 子規が生活していた100年前からの歴史を偲ぶことができる場所に三島湯はある。


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
萱町4-6-5 300円 × 15:00〜23:00 5、20日

取材:銭湯愛好会



 
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