サウナに腰を降ろしたおやじは、ギロッと水風呂の方に目をやると、大声をあげながら勢いよく出て行った。 すぐさま戻り、まだ少し興奮気味に「最近の子どもは水風呂をプールと勘違いしている。まったく親のしつけもできていない!」と話しかけてきた。 水風呂に目をやると、確かにさっきまで水鉄砲で遊んでいたキッズ集団は、退散させられていた。 去年、ラジオ番組に出演したとき、「銭湯は人生の教導場である」っていう風なことを話した。昔からお風呂場にはエチケットがあって、子ども達はお風呂で社会勉強をしてきたというようなことである。 しかし、最近ではお家でお風呂に入ることが多くなって、公衆浴場でエチケットを学ぶという方程式が崩れてきている。また、現代社会では、見て見ぬふりという風潮がはびこり、注意できる大人が少なくなってきているような気もする。 ところが、このおやじは、やった。昔、町の銭湯にいたおやじの姿だった。汗の流れるおやじの背中がたくましく見えた。 サウナ室はガラス貼りになっていて、浴室内がよく見渡せられる。大浴場の向こうには、讃岐の山々を見ることができる。浴場内は清潔で明るい。ボディーシャンプーとリンスインシャンプーも完備されている。露天風呂に出ると青空が広がりさらに開放感が広がる。 問題の水風呂はかなりぬるめだった。おやじによると、12月には冷たくなるそうである。 おやじからは、いろんなことを聞いた。おやじは回数券を購入し、毎日来てるそうである。つまり、我々愛好会としては、最も敬意を表する常連である。 回数券は12枚綴りで4,000円。10回入浴すると、スタンプが10個たまり、さらに1回分のサービス券がもらえるそうである。したがって、1回あたり330円。この計算をおやじは、論理的に話してくれた。新参者にとってありがたい解説である。 厚生年金保養施設なので、設備は整っている。お風呂の前はテニスコートになってる。また、夏はプール、冬はアイススケートが楽しめるゴージャスな所である。 |
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住所 | 入浴料 | サウナ | TV | 営業時間 | 定休日 |
木田郡三木町下高岡972-30 | 400円 | ○ | × | 10:00〜21:00 (月曜日 13:00〜21:00) |
無休 |
取材:銭湯愛好会