吉野湯がリニューアルした。という話を聞いたのは、愛好会のS山広報部長から届いた平成15年春の一通の電子メールだった。 メールには、吉野湯の入口を撮ったデジカメ写真が添付されていた。 「これが、あの吉野湯か!?」 目からうろこが落ちた。 吉野湯といえば、平成9年冬、愛好会活動初期に取材した記念すべき第1号の掲載銭湯。送られた添付写真を見る限り、当時の面影がまったくないのである。 そこで・・・、正確な最新情報を世間にお届けしてきた愛好会としては、近いうちに取材をしなおす必要をず〜っと感じていたのである。 半年経って今回、新生吉野湯を訪ねてみた。外見は大きくイメージが変わった気がするが、中は、タイルなど一部リフォームが成された以外は、基本的には以前のイメージがそのまま継承されている。 そこで、今回、平成9年取材時に掲載した紹介文を元に一部加筆修正した形で、以下、吉野湯を紹介する。(前回は写真掲載がなかったので、読者の皆さまは、今回、よりイメージが沸くのではないかと思う。) ○道路、入り口付近 ・駐車場はみあたらない。しかし通行量の少ない東に面した道路に皆駐車して入浴している。夜には大型トラックも駐車していた。 ・牛乳石鹸の水色ののれんの両サイドには男女の側を示す正方形の布がかかっている。これが、お洒落。まるで、温泉旅館の入り口のよう。 ・入り口壁(向かって左)には、各競艇、競輪の新聞が無造作に差し込まれている。ここで最新の情報を入手することができる。 ・縁台が入り口前に置かれてあり、長湯の女性を待つ男性の姿と将棋等に興じる男性の姿が見えるような気がした。 ○のれんをくぐってから番台まで ・のれんをくぐると最初に目に飛び込んでくるのが、正面に飾られている生け花。その横にさりげなく置かれている紙の照明も風情がある。 ・目を少し上げると、その上には、せんたく粉と漂白粉の自販機がある。先ほどの花と照明のオブジェとはかなり対照的。 ・右側が男湯、左側が女湯、洗濯機、乾燥機が設置されている。(脱衣所内にも洗濯機が2台ある。) ○番台と脱衣所 ・昔ながらの番台があり、番台の横に小型の石鹸、ひげ剃りがガラスの容器に入れられている。そのガラスに炭素化し茶色となった紙に最新の料金が見にくい文字で書かれている。 ・料金は脱衣所からしか見ることができす、「サウナ70円」と浴槽に向かって貼られた紙がお金を払わずサウナに入る人間をにらみつけている感じがする。 ・番台の女将にサウナ70円、貸しタオル20円を含む390円を支払い、お釣り110円を女湯の客と話続けている女将からもらって視線を浴室に向けた。 ・脱衣所内は右側に脱衣ボックス、左に鏡が置かれている。 ・女湯と男湯を分ける壁の上には、すす茶けた笑っているエビス様が入浴者を見守っている。 ・入り口右にあるトイレの上には、茶色くすすけた大正時代を思わせる扇風機が置かれいる。 ・男湯と女湯を分ける壁の大型の鏡の前には、入浴者のためにうちわが数多くあり、紙が風化してしまった赤茶色のうちわが時の流れを感じさせる。 ・また、直角イスのマッサージ機が2台おかれてあり、そのはか、体重計の横には、昔、はやった?腰の後ろにバンドをまわして、ブルブルやるマッサージ機もある。おなかの周りのぜい肉が気になる人は、風呂上りにやると効果大。 ・脱衣所の中央にはイスとテーブルがあり、テーブルの下には週間誌が置かれている。 ○浴室 ・浴室はリフォームが成され、パステル調のイエローグリーンとホワイトのタイルが貼られている。天井はもともとの水色。といった色調で浴室内は明るい。 ・浴室にはジェット付の浅い浴槽が手前にひとつ。隣接してジェット付きの深めの浴槽がある。一番奥には入浴剤を入れた浴槽、マンションで設置する浴槽が水風呂用として床の上に置かれている。 ・毎月26日は、一番奥の浴槽で漢方風呂が楽しめる。 ・カランは全てシャワー付で洗い場が10カ所ある。 ・カラン、シャワーの温度調整はサーモ付きのタイプ。 ・照明はスタンダードな蛍光灯、洗濯機が始動するたびに蛍光灯がフリッカする。 ・水が苦手な人は水風呂の近くの洗い場には座るべきではない。水風呂は常時満水となっているが、浴槽にはいると水がオーバーフローする。この水が近くの洗い場に流れる。 ・水風呂は容積が一般家庭用小型版であるから、大人が入ると約半分の水が出てしまう。サウナから出た人は水が少ないので戸惑ってしまう。 ○サウナ ・温度は94度で調整されている。 ・中は階段2段タイプで、詰めて入れば大人6名は入れる。ただし、前述のとおり、水風呂の定員は1名。 ○のれんをくぐり出て ・さわやかな風を頬に感じた。 ・ふと、軒先越しに奥を見ると吉野湯の煙突が見えた。 以前の吉野湯紹介文はコチラ |
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住所 | 入浴料 | サウナ | TV | 営業時間 | 定休日 |
城東町1丁目2−10 | 370円 | ○ | × | 13:00〜25:00 | 27日 |
取材:銭湯愛好会