三十六温泉 由良里の湯
(Yurari no yu)



 由良里の湯のシンボルはイノシシだ。
 正面ゲートでは洗面器を持った親イノシシと2匹の子イノシシの石像が迎えてくれる。
 平成14年7月12日。高松の郊外型スーパー銭湯がまたひとつオープンした。

 さて、玄関をくぐり中に入る。ロビーでまず目に留まるのは床から天井を貫通している巨大な「とちの木」である。しばし、入浴券を買うのを忘れ立ち止まってしまった。

 浴場内は明るい。大浴槽の横は一面ガラス張りで、贅沢に光を取り入れている。夜になればガラス越しにプチ庭園を眺めることができる。

 専用のカギを使って奥のゾーンに入ると、露天風呂、サウナ、そして蒸し風呂を楽しむことができる。
 露天風呂は岩風呂になっていてまずまずの広さ。そしてその周囲には白いデッキチェアーと二人がけの木のベンチが配置されている。

 木のベンチに座り、周りを観察していると、んっ。・・・。
 コンクリート造りの半ドームの、一見物置のような別棟の小部屋がある。その物置風の小部屋には木の扉があって「頭上注意」と書かれている。
 まさか扉を開ける気にはならない。そう、まさか、そこが蒸し風呂だとは、次の瞬間、その扉が開いて、中から人が出てくるまで想像もできなかったから。
 秘密の基地を見つけたようで、さらに蒸し風呂の中に入れば、そこは異空間である。二つ目の扉(扉は二重になっている)を開けると、室内は暗くまた蒸気が充満していて洞穴に入ったような感じである。テレビがあるが蒸気のせいでクリアーには見えない。
 タオルを枕に仰向けに寝そべると気持ちいい。息苦しくもなく、そんなに熱くもなく、眠ってしまいそう。
 銭湯では(男湯の場合)たまに、浴場内で洗面器を枕にして寝てる人を見かけることがあるが、ここの蒸し風呂は絶好の居場所となり得る。
 うとうとしながら、笑福亭仁鶴の生活笑百科を見終えて、次はサウナへ向かった。

 15人程入れる広々としたサウナはヒノキの香りに満ちている。階段教室のような造りで、正面にはテレビと温度計、12分計が設置されている。温度計を見るとサウナ室は90度に保たれていた。
 水風呂はサウナの収容キャパに比べ少し小さめ。大人2人が入るのには少しきつい。が、水は冷たい。つま先までしびれるほどの刺激がある。よく見ると水面から冷気があがっている。この水風呂はヘブンだ。

 風呂上り、ロビーにはセルフの軽食コーナー、畳敷きの休憩室もある。ロビーに生えるとちの木もそうだが、木のテーブル、木の椅子など、木の温もりをいたるところに感じることができる。

 一般入浴は300円、サウナ(露天風呂)付きは500円。石鹸、シャンプーはないので持参しよう。
 


住所 入浴料 サウナ TV 営業時間 定休日
由良町43-1 500円 平 日 10〜25
土日祝  8〜25
第2火 17〜25
年中無休

取材:銭湯愛好会



 
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