上 海




銭湯の紹介に入る前に、まずは、上海事情について見てみましょう。


 上海でひときわ目につくのがこのタワー、上海の新しいシンボル東方明珠電視塔です。
 この電視塔が華やかな上海をより一層ひきたてています。
 街角には至る所で自由市場があり、にわとり、あひる、かえる、すっぽん、へびなどが必ず生きたままで売られています。
 人々は生きのよさを見てどれを買うかきめます。
 そしてこの自由市場はどこの地域にも平日祝日問わず家の近くにあるらしく、いなかからでてきた人達が販売しているので大変安く庶民の台所になっています。
 上海の一般的な住宅は日本でいう団地形態がほとんどなのですが、ごみに対する意識が少なく、あちこちにごみが捨ててあります。
 この団地形態での住居と大家族ですんでいるので繁華街にある家には風呂はほとんどなく、湯をためるお風呂ではなくシャワーで汗を流す程度のものなので、庶民向けの銭湯はかなりあるそうです。

さて、ここからが本題です!


 こんな生活様式の上海では浴槽にお湯をためて入浴する習慣はなかったので、以前から一般庶民が入る公衆浴場はたくさんあったようですが、衛生的にはあまり良くなかった様です。
 今でも街中には地元民向けの銭湯(上海では浴池(よくち)という)はかなりあるそうですが、観光客が入れるような場所は健康ランドで料金も、少し高めに設定されています。

観光客向けの浴場を中心に3件取材しました。


海蘭雲天花園浴場

 中心地より少し離れた延安西路駅近くにある、「海蘭雲天花園浴場」に入りました。上海にいく前に上海の浴場には壁画には南国のビーチが描かれているという情報があったので、楽しみにしていましたが、残念ながら、海蘭雲天花浴場は男湯のみということで、結局ビーチを見ることができませんでした。

 毛毛雨温泉は壁画が見事だと聞いています。
 ここは人通りが少ない場所にあり、写真撮影にはかなり勇気が必要でした。撮影しているとジロジロ見られる視線が痛かったです。

 外見はホテルのようで、クリスマスシーズンということもあり、玄関にはサンタの置物がおいてありました。フロントの女性もサンタの姿でした。

 さて、浴場に入りましょう。

 フロントにて靴を預け、健康サンダルに履き替えます。この時ロッカーの鍵をくれます。
 一階が女性、二階が男性になっています。日本の健康ランドと変わりなく、服をぬいでタオルを受け取り、中に入ります。違う事はスリッパは履いて入る事です。
 浴槽内は脱いでも大丈夫です。結構、係員が厳しいので、忘れて裸足で歩いたりすると、すぐやってきてかなり怒られます。もちろんのこと日本語は全然ダメです。

 料金は後払いで、お金を払えば靴を返してくれます。
 料金は68元ですが、会員になると6元なので、会員になるかどうか少し迷いました。


 (浴場内造り)
 お湯の温度は日本と同じで水風呂はなく、遊泳浴がその代わりのようなもので、生ぬるいプールのようでした。
 サウナの中は10人程度入れる広さで、二段になっていています。シャワー浴湯でサウナの汗を流すこともできます。

@ 干浴というサウナの前には、ビニールが消毒液に浸しておいてあり、サウナマットの様に使います。
  室内にタオルは敷いておらず、スリッパを履いたまま入ります。

A 冷蔵庫におしぼりを冷やしています。湿干浴はスチームサウナで室内には椅子が6つ置いています。

B 紙コップと給水機があり、自由に飲めます。サウナへの持ち込みも自由で、このような給水器が上海で最新の様です。
  街中あちこちにありました。

C ソフトボール位の球が置いてます。中央にたくさん浮いていて子供のためにあるようです。



<取材ノート>

営業時間  12:00〜24:00     料金  68元(1000円位)

さて、風呂上がりの一杯は穀物を発酵させた醸造酒「紹興酒」。この有名なお酒は、実は上海の老酒の銘酒なのです。



いかがでしたでしょうか 海蘭雲天花園浴場は?

さて、続いて次の2件の浴場ですが、そのシステムはだいたい同じです。



京都日式大浴場
 料金  48元(800円位)

浴徳池
 ここは一般庶民向けに少し近い浴場で一階店舗奥に入り口があり、入るにはかなり勇気がいります。

 南京路という繁華街の中心にありました。


上海、この国の銭湯も奥が深いと感じました。


取材: 銭湯愛好会 会長

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