藤本

(香川郡香川町)


 ふつう飲食業を営むにおいて、味はさることながらその立地条件も大切・・なはずである ふつう。
 しかし、さぬきうどんは全ては味なのである。たとえその店が郊外のまた外れであっても店は流行る。例え看板が無くともそんなことは関係ない。旨いうどんを求めて香川の人間はその嗅覚と研ぎ澄まされた勘でその店に行き着く。

 この「藤本」(ただし店の看板はどこにもない。藤本さんがやってるから藤本)もそのうどん屋のひとつである。味はもちろん超さぬきうどんである。
 世間はお盆の帰省ラッシュのこの日、藤本を訪れた。が、藤本はうどんラッシュである。多くの客で店内が埋まっていた。
 愛想のいいおばちゃんが作るうどんは「かため」と「やわめ」の2種類。(ふつうはない)
 注文の際には堅さと玉数を告げよう。一玉100円である。
 かけの大(かため)を頼み、ずるずるっとやってみると、なんともいい食感のこしのある麺である。キツネ色のダシもすごくいい。何より麺もダシも後味がいいのである。
 あっさりと平らげて、次はしょうゆでいってみた。やわめの方でおかわりした。
 しょうがとネギだけをのせた正統のうどんは写真のとおりキラキラと輝いている。やわめといってもしっかりとこしがありちょうどいい。食べた後に清涼感が残る。
 勘定のとき、おばちゃんが、「かためとやわめ、どっちが良かったん?」と訊いてきたので「どっちもうまかったでー」と告げた。
 
 場所は、空港通りから香川町の総合体育館を西に曲がって、ずっと行ったところ。藤本の看板はないが、「畳のマツモト」の広告看板が立っているのでそれが目印。

 


住所 営業時間 定休日
香川郡香川町浅野1959-1 10;00〜15:00 なし

 取材: 銭湯愛好会

 戻る