PC-9821 Xvシリーズ(Xv13/Xv20)の改造

注意書き
これらの改造を行うとNEC(メーカー)の保証はなくなります.
自分のマシン改造に責任が持てない人は,改造してはいけません.
また,本ページの作者も自分のマシン以外に責任は持てません.
あくまでも,「こうしたら上手く行きましたよ」という情報を紹介するページです.
決して改造を推奨しているわけではありません.

Last Update: 1997.11.20. 
概要DCHS-34550増設DCAS-34330増設SCSI起動方法640MB MOの内蔵230MB MOの内蔵Xv20のMMX233化Xv13にPentium200を載せるHDDのフォーマット前のページに戻る

概要:
 PC-9821Xvは,3つのファイルベイ(1つはCD-ROM使用)を持つ機種として登場しました.タワー型の筐体故の広い内部空間を生かして,いろいろな機器を内部増設出来ます.ファイルベイは,PC-AT互換機の5インチベイと同じ規格を採用しており,接続さえ上手く行けば,安価で多種の周辺機器を増設できます.現在のタワー型VALUE STARも同様の構成配置と思われます.
 私のXv13には純正SCSI-2ボードが,Xv20にはLogitecのUltra SCSIボードが入っています.どちらのボードにも,内部増設用の50Pコネクタが付いています.これを利用して,SCSI機器の内部増設を行っていきます.
 はっきり言って,NECのIDEは遅すぎます.内部増設を図るならば,絶対SCSIに限ります.
 さて,電源ユニットからは,ファイルベイ用に3本,内蔵HDD用に1本の計4本の5V電源端子が出ています.実際には,2個ついているものが2本出ています.その他にフロッピーディスクドライブ用と同じソケットを持つ電源コネクタも用意されています.
 内蔵機器が4台以下だとこれで十分ですが,5台以上の機器を内蔵するときには,二股ケーブルが必要になります.規格はPC-AT互換機用と同じなので,DOS/Vショップやパーツ取扱店で購入したものがそのまま使用できます.また,50ピンコネクタもAT互換機用のものが使えます.・・というより,SCSIは世界共通規格です.
 但し,電源容量が気になります.Xvシリーズには250W程度の物が使用されていると思われますが,HDDを3基,4基と載せていくと,容量不足になるかもしれません.
最初に戻る. 
IBM Ultrastar 2XP (DCHS-34550,4.5GB,7,200rpm) HDDの内蔵:
 大阪は日本橋のショップでベアドライブを購入してきました.81,800円(税・手数料別)でした.まだまだ7,200rpmドライブは高いなぁ,という値段です.(・・・その1週間後,所用で日本橋に行ったら,74,800円に値下がりしていました(T_T).…シクシク.)
 さて,SCSI接続なので,IDEの様に面倒なマスター・スレーブの設定は要りません.ターミネータをOFFに設定し,SCSI-IDをセットするだけです(1台だけの時はターミネータをONにしなければなりませんが・・).設定方法は通常,ドライブに書いてあります.要はジャンパーピンを抜き差しするだけです.2進数がわかれば,0〜7までの設定は簡単です.私が購入したドライブには,ピンが付属しているだけで,差し込まれてはいませんでした.電源コネクタ・SCSIコネクタを接続すれば終わりです.
 物理的に接続が終われば,ドライブのフォーマットをします.OSR2より前のWindows95・MS-DOSは,1パーテイション2GB以上は切れません.34550は4.5GBあるので,2GB×2+αとなります(αをフォーマットして使うかは考え物で.残りは,230MB位しかありません).
 フォーマットするには,Windows95をDOSモードで立ち上げ直し,FDISKコマンドでパーティションを切ります.”DOSで使用できる最大領域”を設定すればいいでしょう.これで2GB×2の2ドライブとして認知できます.これで,物理フォーマットが完了しました.なお,起動ドライブにしたければ,起動可に状態を変更しておく必要があります.
 FDISKでパーテイションが切り終わったら,再度Windows95を立ち上げなおして,マイコンピュータで該当ドライブを選択し,「フォーマット」を行います.これで論理フォーマットが完了し,再度起動することでデータの読み書きが出来るようになります.
 もし,OSR2であれば,4.3GBを1パーテイションでフルに使えます.ただ,fdiskを実行する前に,仰々しい注意書きが表示されます.ここで,「N」でなく「Y」に変更して入力しなければなりません.
 5,400rpmのものと違い,結構発熱します.1時間位の連続運転は耐えられるでしょうが,もっと動かすとなると,何らかの放熱対策が必要ではないかと思います.
 また,コンピュータのケースを開けたまま使用すると,結構ヘッドのシーク音が大きいのですが(でも,Quantum Fireball IIよりは静か),ケースをしっかり閉じると,気にならない位の音になります.
 とりあえず,このドライブを使う上で注意することは,上に書いた「放熱処理」が大きそうです.・・・98Xvには,ファンを止める場所がないような・・.
最初に戻る. 
IBM Ultrastar 2ES (DCAS-34330,4.3GB,5,400rpm) HDDの内蔵:
 某ショップからベアドライブを購入してきました.4月には8万円弱していたものがあれよあれよと言う間に,5万円を切りました.最近では,お手頃な値段です.
 SCSI接続なので,基本的な設定は,DCHS-34550と同じです(というより,DCASの設定をそのままDCHSで使用).
 接続方法などは繰り返しになるので省略して,SCSI-IDは,Ultra Wide SCSIの場合,IDが15迄使用できるようになっています.DCAS,DCHS共に接続部がUltra SCSI(50ピン)のものとUltra Wide SCSI(68ピン)のものがあり,自分の使用しているSCSI CARDがどちらをサポートしているかを確認しておかないといけません.
最初に戻る. 
SCSIドライブを優先起動させるには:
 普通のPC-98シリーズは購入した時点で,IDEディスクから起動する設定になっていましすし,IDE-HDDしか内蔵されていません.しかし,IDE-HDDが残っていると,ドライブ廻り高速化は難しいです.特にビデオキャプチャとか,CD-Rを焼くときには致命的な遅さになります.そこで,IDEのHDDの中身をそっくりSCSIのHDDに移動することにします.
 PC-98シリーズは,IDE-HDDがない場合に限ってSCSI-HDDから起動できます.そこで起動するドライブに起動オプションごと移動(コピー)すればいいのです.このとき,単にエクスプローラーなどでcopyしただけでは,「複写に失敗しました」と出るはずです.これを防ぐにためには,まず,システム>プロパティ>パフォーマンスで「スワップファイルを使用しない」と設定します.
 次に,変更した設定を記憶させてWindows95を再起動します.このとき,スタートアップに重いプログラム(例えばマイクロソフトofficeのランチャー等)があるときは,これを起動しないように設定しなおしておきます.無事,スワップファイルを使用しない状態でwindowsが立ち上がったら,エクスプローラー等でSCSIディスクの最初のパーティションのドライブにすべてのファイルをコピーします.
 コピーし終わったら電源を切り,IDE-HDDのケーブルと電源を取り外し,SCSIドライブの電源コード等の接続確認を再度行い,SCSI-HDDからWindowsを起動します.無事起動できれば,スワップファイルを使用する状態にして,スタートアップも元の状態に戻します.
 これで,98君もSCSI-HDDの高速性を堪能できます.CD-ROMもSCSI接続であれば,IDEのシステムリソースを解放でき,数少ない割り込み(IRQ)を解放できます.IDEのIRQを解放するには,HELPキーを押しながら電源を入れ,98システムメニューを出します.ここのメニューで「内蔵固定ディスク」を「使用しない」に設定します(最初は「使用する」となっています).そして,Windows95を起動して,デバイスマネージャのハードディスクコントローラを削除すればOKです.
最初に戻る. 
Logitec LMO-640S2の内蔵:
 ドライブはFUJITSUのものです.128MBのMOも読み書きできるようになっています.
 ケースをばらしてコネクタケーブル,電源ケーブルを取り外すと,MOドライブだけ取り外すことができます.これをパソコンショップで500円(税別)で購入した5インチベイマウンタに取り付け,ファイルベイの収納すればOKです.
 SCSI-IDのロータリーSWとモード変更用DIP-SWは,そのまま残しておきます.後で設定を変更するのに便利です.なお,ターミネータの設定に注意!
最初に戻る. 
Logitec LMO-420の内蔵:
 ドライブはOLYMPASのものです.これもLMO-640S2と同様ケースをばらしてコネクタケーブル,電源ケーブルを取り外すと,MOドライブだけ取り外すことができます.これを某パソコンショップで500円(税別)で購入した5インチベイマウンタに取り付け,ファイルベイの収納すればOKです.実は,こちらの方が左記に購入して,内蔵しました.
 SCSI-IDのロータリーSWとモード変更用DIP-SWは,同様にそのまま残しておきます.後で設定を変更するのに便利です.なお,ターミネータの設定に注意するのも同様です.
 なぜか、このドライブをSCSI-IDを2にすると認知しません。どうしてかなぁ?
 LogitecのLMO-D230SK,LMO-D640SKを最初から購入すると,こういった苦労はしなくてもすみますし,メーカーの保証もあります.また,ディップSWの解説も載っていますから,安心して増設できます.なお,どちらの製品に使用されているドライブはFUJITSUのものです.
最初に戻る.
CPUの交換:MMX Pentium (P55C) 233への交換(Xv20):
 Oh! PC(ソフトバンク刊)1997年9/15号にXv・Xaシリーズの改造記事が掲載され,これを基に改造し,現在試験動作中.記事の通りやると無事動きました.私が実際に行った方法を紹介します.なお,PC-9821Xv13 /R16にはこの方法は通用しません!
 まず,CPUの購入は必須条件です.最低でもMMX 200,出来るならばMMX 233が欲しいところです.ちなみに私の購入したMMX Pentium 233の価格は,ファン付きのもので税込み5万円強でした.東京・大阪等の都会の方なら「高い」と思われるかもしれませんが,「うどん王国」では,「この店にしかないよ」状態なので,文句も言ってられません・・・.なお,200と233の差は5千円程度でした(もちろんファンなしの方が安いです).
 次に,VRMユニットを交換します.これはメルコMTCブランドのMVR-MX2を改造したものを使用します.Oh!PC 97年9月15日号にMVR-MX2の98向け改造記事が載っていました.但し,この改造は「半田ゴテ」を握ったことのない人には絶対に出来ませんから,ビギナーと自覚される方は,無理な改造を止めた方がいいでしょう.・・・え,そんな人は,「ばりゅーすたー」とか「せれぶ」を買うって(笑)・・・.そして記事にある通り,「R15」の抵抗を「R16」のシルクに移設します.これで,VRMユニットの改造は完了です.なお,初期設定だと2.9Vになっているので2.8Vにジャンパを設定し直す必要あります.また,「この面がCPUです」と書かれた方をCPUに向けるとささりませんので注意.
 さて,その次にクロックジャンパを変更します.同誌8/15号の情報では,MMX233 CPUはCPUクロックを1.5倍設定(133MHz以下)にすると,自動的に3.5倍で動作するそうです.従って,1.5倍設定にジャンパを差し替えて終わりです.なお,クロック設定ジャンパは,Cバスケース(?)の近くにあります.予め装着されているサウンドボードを引き抜かないと見ることは出来ませんので注意して下さい.
 これで,MMX233化は終わりました.電源を入れた後,例の「ぴぽっ」という音がしてメモリカウントを行い,HDDを認識しWindows 95が立ち上がるとOKです.早速,ベンチマークで早さを実感して下さい(笑).
最初に戻る. 
CPUの交換:Pentium (P54C) 200への交換(Xv13):
 Wild Catのチップセット,Soket5のCPUソケットを持つXv13 /R16は,MMX対応のBIOSではないので,ソケットにMMX Pentiumを取り付けても意味はありません(その前に電圧の違いがあり,CPUを壊すのがおち).それよりも,クロックアップによる高速化が現実的です.そこで,Xv20で発生したPentium 200をXv13 /R16に搭載してみました.
 まず,必須なのがメルコMTCブランドのMTC-40001,通称「メルゲタ」です.これは,マザーボードから供給されるクロックを1.5, 2, 2.5, 3倍に変更してくれるCPUソケットです.当然の事ながら,電圧変換は行ってくれないので,駆動電圧が3.3V以外のCPU(MMX Pentiumとか,サイリックスの6X86等)は使用できません.無理に使うとCPUを破壊してしまいます.今回は,3.3Vの電圧はそのまま使えるので問題はありません.マザーボードのクロック設定は66MHzですから,200MHzで駆動するには3倍速に設定してやればOKです.
 次に,ソケットにCPUを差し込みます.結構力を入れないと,上手く入ってくれません.説明書にはソケットとCPUの間は0.5mm以下にしろとありましたが,1mm以下なら大丈夫なようです.差し込むときには,CPUを物理的,電気的に破壊しないよう注意が必要です.特に,静電気の多い時期には,必ず金属のものに触って静電気を放出します.流れる水道水で手を洗うのがいろいろな意味で効果的です.
 さて, ソケットにCPUを差し込めば終わりなのですが,「下駄」を履かせると元あったファンを取り付けられなくなります.このままでは,熱暴走の心配が出てきます.幸か不幸か,Xv13 /R16にはSANYOのファンが付いていたので,これを流用しない手はありません.例のショップで,SOKET7用の分厚い目のSANYOのファンがあり,それを購入して取り付け金具「だけ」を使用しました.・・・勿体ない・・・・.丁度よい大きさで,元のファンが使えました.なお,メルコからファンと金具が出ています(MTCL-S).時間に余裕のある人は頼んでみるのも良いでしょう.
最初に戻る. 
HDDをフォーマットしたとき(IDE・SCSI共):
 何かの理由で,HDDをフォーマットせざるを得なくなったときは,こうしてシステムをリストアしましょう.なお,何かの理由とは,スキャンディスクをかけても修復できないエラーが出てしまったとか,FATが壊れてしまったとか・・・・です.
 Windows 95をインストールしたときに作成した「Windows 95」システムディスクはありますか?もしなければ,別の方法になるのでここでは取り上げられません.悪しからず.
 さて,このFDをドライブに挿入して,Windows 95を起動します.すると,何回かアクセスした後,
A:\>
と表示されます.これをコマンドプロンプトと呼びます.この状態で,
fdisk[cr]
と入力すると,構成しているHDDの1番目が表示されます.該当するHDDに装置番号を変更して,「領域の削除」を行います.もし2パーティション以上に分けている場合,壊れたパーティションだけにしてもOKです.その後,もう一度「MS-DOS領域」を作り直します.DOSで使える最大容量を設定すれば良いでしょう.
 それから,HDDが起動できるように状態の変更を行います.fdiskを行った後は通常「BOOT不可」となっていますから,「状態の変更」で「BOOT可」にしてやります.これで,第1段階を終了します.
 次に,HDDをフォーマットします.これは,起動ディスクにある「format」コマンドを使います.使い方は,
format [d:]
[d:]には該当するHDDのドライブレターを入れます.PC-98の場合,ドライブレターが変わっているので注意が必要です.フォーマット中,残り容量が%表示で示されます.
 フォーマットが終わると,システムの転送をします.使い方は,
sys [d:]
です.そして,そのドライブにconfig.sysとhimem.sysをコピーします.
copy a:\config.sys [d:]
copy a:\himem.sys [d:]

 これで,起動できるようになります.ちなみにconfig.sysの内容は,
device=himem.sys
の1行です.そうすれば,HDDからシステムを立ち上げることができるはずです.
 さて,Windows95をリストアするには,CD-ROMからsetupすれば良いのですが,認知してくれないときには,MOにCD-ROMの内容をcopyしておけばいいです.システムだけなら230MBでも十分収まります.FD版のWin95はディスク20枚.どんなに頑張っても60MB以上にはなりませんから・・・.
 さて,MOからりストアする場合もMOにあるsetupを起動すればそれでOKです.CD-ROMを使ったときと同じです.スピードはCDより速いかも・・・.
最初に戻る. 
 マザーボード自体の更新が出来ないPC-98シリーズでは,今のところこれ以上のスピードアップは望めません.あとは,Milleniumのアクセラレーションを上回るグラフィックボードの出現待ちと行ったところでしょうか・・・.Millenium IIは,期待したほど速くないとの情報が入っています.ここは一つ,Matroxに頑張ってもらって,I/Oデータが採用したVoodoo RUSHを越えるチップを期待したいですね(^^).
 さて,AGP対応のPC-98シリーズは出るのでしょうか?NEC製AT互換機も出るというウワサもあるし・・・・.<さて,NECからPC-98NXというPC-97仕様のパソコンが売り出されました.このNXにAGPのGAボードが乗っています.但し,オンボードなので「交換」は出来そうにないですね.
戻る