テレビ版

NHKBSヤングバトル「真夜中の王国」にて放送。95・8・16

「対談 怪談にせ皿屋敷をめぐって」その1

不朽の名作となりました怪談にせ皿屋敷再放送のコーナー(笑)横内謙介、藤谷美和子、香取慎吾でのトーク。慎「なんか、1位らしいですよ」何のや!どうやら、放送時に来たFAXの数?587通のFAXが来たそうです。でもBSじゃなくって普通のNHKでやってくれってのもあって(笑)そりゃそーだ。うちにもBSないし(当時、全然SMAPファンじゃなかった人に、この番組を撮ってもらった。訳も分からず何時から何時まで撮れ!と言われて、仕方なくその時間帯でビデオを撮った彼女は、今、激烈森くんファン。こうやってSMAPファンの輪は広がる)始まる前、怖い話だと思われていて、ファンの子でも「見ません!」とはっきり言う子がいたと言う話をしていると、すかさず横内さんが「拓哉くんも出てないから」「そうみたいですね…!?それは僕に対してひどいじゃないですかー!」しかし祟りはあったのだ!突然藤谷さんのセリフが変わったり、撮影所の隣に遊園地があって、木のジェットコースターがあって、ガガガガ!ってすごくうるさかったり。止まった!と思ったら「ありがとーございましたー」なんて放送されたり…。しかし、みんながそれだけ迷惑してたジェットコースターに、撮影後乗りに行ったのは慎吾。撮影も大変で、お昼ごはん食べたくらいから、ずーっと撮影して、朝の9時が来て、慎吾はそれから夢モリでバカやってた時もあったとか。その時撮ってたのがラブシーン。キスするぞー!ってとこで、ボンっ!と突き飛ばされるシーンだったのですが、夜のシーンなのに、どんどん明るくなってきて、ジェットコースターの代わりに鳥が鳴き出してしまいました。それを遮りつつ、暗幕の中で芝居は続けられたそうです。

ここからドラマです。キャストの六角さんがADさんになって、カメラの前でカチンコを鳴らして、シーン1スタート!

『第1話』

青山家の裏庭の古井戸のそばで、怪談をしてる女中たち。怪談が最高潮に達したところで、暗がりから出てきたのがお菊。ただでさえ陰気くさいんだからやめてよ!とみんながお菊をイヤがる中、お槙(ピンクの電話のよっちゃん)だけがお菊を庇うが、結局みんなお菊を置いて屋敷に入ってしまった。夜陰に乗じて、大八車が屋敷に運び込まれたのはその夜の事だった。

朝。青山家の女中お菊が、いかにも不器用そうに洗濯をしている。ようやく洗い終え、絞りきれずにほとんどずぶ濡れの洗濯物をかごにいれて立ち上がると、女中頭のお梶が追加の洗濯物を持って来る。「洗濯はおまえの仕事だろう!」と言うお梶を見上げていると、台所で騒ぎが起こっていた。お槙がお菊に頼んでいたみそ汁が沸騰し、とても飲めたものではなくなっていたのだ。自分が当番だったのに、と謝るお槙を庇い、お梶はお菊を叱りつける。何の役にも立たないような女は生きてる意味がない、いっそ死んでしまえと言われても、お菊はただ、頭を下げるしかできなかった。

ぼんやりと橋の上から川を見下ろしていたお菊に、平賀源内(西岡徳馬←特別出演)が声をかける。元気のないお菊に、そんな顔してちゃ嫁の貰い手もないぞと笑いながら、でも、自分はダメだぞと、ふろしきに包まれた箱を欄干に置いた。「この中にはラブが詰まってる」という源内を不思議そうにお菊は見つめ「ラブも知らねぇのか!おっくれてるなぁ。だからジャパンはダメなんだ!」と言う言葉に、ようやくお菊は笑顔を見せた。

銀座会所。役人たちがバタバタと騒いでいる。銀が盗まれたという報告が責任者に入り、その噂はアっと言う間に広まった。青山のお屋敷でもその話題があくまでも噂として盛り上がっていた。

が、それはまったく本当の話で、当主、青山播磨の居間には、会所から盗まれた銀が山と積まれていた(播磨様初登場。稚児風と言うのか、若衆というのか、若様風の髪(短いっすよ)金を多用した着物。金と銀の両替の間に入ってちょろまかして来た播磨は大得意だが、お目付け役の上総之介(杉本哲太)にとってはそれどころではない。とにかく隠さねばと、池をさらい、屋根裏をチェックし、ついにみつけたのが、例の枯れ井戸。何せ枯れ井戸などは、「無用のナガブツ」だからという播磨に、「チョウブツでしょう!」とすからず突っ込む上総之介だったが、睨まれて、「ナガブツ、とも言いますかな…?上州あたりでは…」と手のひらを返す。何せ、播磨様は旗本。この屋敷の中では、播磨様が「黒と言えば、白も白」なのだ!あ?

播磨が盗んだのは間違いないと、役人たちは青山の屋敷に狙いをつけた。

不器用で、薄汚れたお菊は、お客様用の皿を洗わされていた。それはすべて、お菊に皿を割らせ、幽霊話の主人公にするためにしくまれた罠。お菊を見かけたお槙が手伝おうか?と言い出すが、お菊はううんと首を振る。お皿を洗い、1枚、1枚、大事に運んでいたお菊は、捨に足をひっかけられ転んだ拍子にお皿を1枚割ってしまった。

皿にまつわるエピソード、その後、一気に首を跳ねるところまでの練習中の播磨。もうやだ!となりながらもどうにかセリフを覚え、刀を抜き一気に首を跳ねる所までが完成。めでたく拍手喝采を受けた。皿1枚で女を殺すのは気がすすまないと播磨は言ったが、当のお菊。周囲の驚きをよそに、平気な顔で刑場に入って行く。

一瞬、お菊と播磨の視線が合い、播磨は何かを感じた。刀を振り上げる部下を止め、何か言う事がないのかと尋ねる。お菊は皿を割った事をわび、今度生まれ変わったら、もう少しマシな女になりたいと言った。薄汚れた顔に、寂しそうな微笑みを浮かべ、深々と頭を下げた。そんなお菊は、直々に首を跳ねてやる!と刀を手にした播磨を見上げ、もったいのうございますとお菊は手を合わせる。

播磨の刀は宙を切り、お菊にこれでおまえは死んだのだから、江戸を離れ、この屋敷はもちろん、江戸にも二度と帰って来るなと言った。上総之介も、お菊自身も、殺さないの?と驚く中、遠くへ行けるように早駕籠も、金も用意しろと出て行く播磨。驚きながらも嬉しそうな顔で播磨を見送ったお菊は、背中から刺され、「播磨様…」と呟きながら倒れた。

お菊のたたりを噂にするため、お梶が使われた。口外するではないぞと言われたお梶は屋敷中に喋り倒して行く。「お菊は播磨様を恨んで、迷って出て来た」洗濯をしながら噂話で持ち切り。すると、さっきまでそこにあったはずの洗濯物が、綺麗に干されていて、幽霊だ!と大騒ぎになる。話はどんどん大きくなり、お梶は具合を悪くして源内の「エレキテルで元気になりましょう」を受けに源内の長屋にやってくる羽目に陥った。お梶の話をまるで間に受けず、人を恨んだり、呪ったりする女じゃないぞ。大体どんなに仲が悪くても相手が死んでしまえば手を合わせて成仏できるように祈ってやるのが人の道だろうと説教しながら、エレキテルをいつもより大目に回して発生させる。そりゃやりすぎでお梶の頭から煙が出るのも当たり前である。

お菊が殺され、捨てられたという噂の井戸の周りは、今夜も人で一杯。大丈夫か?という播磨に、上総之介は今にここでは恐ろしい妖怪騒ぎがおきると告げた。そんな話をお菊の幽霊は本当にそこにいて聞いていて、どうしていいか分からず源内の部屋を尋ねた。

播磨は、部屋でぼんやりと座っていた。薄汚い、寂しそうな、お菊の顔が忘れられない。

幽霊のお菊が突然現れても、これが意外に平気な源内。思い残す事があるんだろう?好きな男の所に行って挨拶してくれば成仏できるよと言う。源内の場合、思い残す事があるとすればエレキテルの箱で、その中にはやっぱりラブが詰まっている。人が人を愛しいと思う気持ちをラブといい、それは心の薬。言われたお菊はうなずいて、播磨の元に向かう。退屈そうに廊下で毬を転がしていた播磨は、廊下の端からその毬が帰って来るのが不思議で追いかけて行き、すっかり綺麗になったお菊を見つけた。(1話終了)

「対談 怪談にせ皿屋敷をめぐって」その2

撮影中の話をしていて、突然、横内さんは、「俺だれだかわからないよね!」と言い出します。そこだけ見てる人にとっては、下手な司会者だなーとしか見えないのでは!?と「横内謙介大先生」というテロップを出してもらう事に。その横内さんの「作 横内謙介」と書いてある舞台を見た藤谷さんは、もし自分が舞台を踏むのだったら、この人がいいなって思っていて、本当に一緒にできて嬉しいとニコニコ。ずっと舞台しかやってなかった横内さんには、今回のドラマが初めて映像の仕事。初めての仕事なんて大失敗して当たり前なのに、みんなのおかげでダントツの第1位(笑)。慎吾ちゃんも一人で仕事する事は(当時慎吾ちゃんは)あんまりなくて、不安だったけど、第1位(笑)藤谷美和子から「あの慎吾くんはカッコいい。…いつもカッコいいけど。…今もカッコいいけど」と言われて困ったように笑う慎吾。慎吾から藤谷さんへは、慎吾「すごく」藤谷「年誤魔化すのが上手」慎吾「そうですねぇー(笑)やりやすかったです」

メイク室からドラマスタート。ジェットコースターの音がうるさい、お祓いもしてない、保険にも入ってない、昨日照明器材が倒れて香取くんが危なかったと、噂話でもちきりのところにディレクター登場。「みなさん、元気にね。ケガするくらいがちょうどいいから」ボコボコにされたのは言うまでもない。

『第2話』

女中たちは、眠れない夜を過ごしている。食欲全然ないと、ばくばくおやつを食っている。月夜の晩はお菊が誰かさんを狙ってるなんて話もあって、ますます女中たちはびびりつつ、それでもおやつを食っている。その頃誰かさんを狙っているはずのお菊は、播磨の部屋に座っている。お菊は生きていると信じている播磨は、どうして戻って来たとお菊を責めるが、お菊は播磨からラブを、心の薬を貰わないと成仏できないと告げる。どうしても噛み合わない話にいらついた播磨は、とにかく今夜はこの部屋にいて、明日の朝早く誰にも見つからないように出て行けと言い、げんまんをする。生まれて初めて殿方とげんまんを交わしたと、どきまぎするお菊。布団に入ろうとする播磨に「いきなりラブでございますか!?」と言い、「はぁ?」と笑われた。(こ、この「はぁ?」って顔が可愛い!)

その頃枯れ井戸の側では、目元のまつげと、赤い唇がお茶めな偽者幽霊が待機しており、度胸だめしに来たツネキチの首を絞め、井戸に落とす。お菊の祟りの始まりであった。

寝間着姿の播磨は布団に座っていて、横を向いているお菊を見ている。お菊の言うラブはどんな薬だ?と聞く播磨に、そんな事を自分の口から言う訳にはいきませんと、言いながら、しばらくお側に置いていただくわけにはいきませんでしょうか、とお願いをする。「そなたのような卑しいもの」と言った播磨は、ちょっと笑って「二度とこの屋敷から出るな」とお菊の手を取るのである。慌ててその手を払うお菊。「成仏したらどうするのです!」「成仏?成仏させるのは得意じゃ」と播磨は笑うのだった。

さて、枯れ井戸では、トメがツネキチの元に戻って来る。そこに偽者幽霊が登場。お菊の祟りだぁー!と逃げて行った。満足そうな上総之介たち。

屋敷の外では、会所の役人たちが青山屋敷の情報を集めていた。お菊の幽霊話は、バカバカしいと一蹴され、一人の役人が屋敷内に知り合いがいるからと情報を取りに行く事になった。

翌朝、上総之介は屋敷中の人間を集め、ツネキチが何者かに刺された、幽霊などがいるとは思わないが、とりあえず、枯れ井戸を封鎖すると宣言する。屋敷の外では瓦版で、お菊の幽霊話がまことしやかに語られ始めていた。

一人目を覚ました播磨は、枕元に割れた皿が置いてあるのを見つける。上総之介から声をかけられ、思わずその皿を隠した。

瓦版を持って得意そうな上総之介。もうこれであの枯れ井戸に近づくものは誰もいないだろうと播磨に告げる。瓦版の絵を見ながらお菊はこんな顔ではない、という播磨から、「お菊を知らんか?」と言われた上総之介は目を点にした。

屋敷中は、思うツボの幽霊話で持ち切り。次に狙われるのはお梶だと瓦版に載っている!と騒ぎになった瞬間、ざんばら髪の播磨が抜き身の刀を持って登場「どーして愛はお金がかかるんだろーっ!!」と刀を振り回しながら、庭を「お菊―っ!」と叫びながら突っ走って行く。(このざんばら髪の播磨様がどれだけ似合うか!かっちょいーか!!)上総之介らにおだてられ、すっかり狂人の役が気に入った播磨は、きゃいきゃい喜びながら狂ったフリで庭を駆け回る。

たまたまそれを見ていた会所の役人。賄賂を渡され、何もなかった報告をするために帰って行く。

この状況でも、お梶のパワーは一切衰えず、ますます激しい噂が流れて行く。播磨たちも笑いがとまらない状態だったが、「お菊が生きてピンピンしてると知ったら驚くだろうな」という播磨の言葉で、全員、目が点になった。

播磨はお菊を探して歩くが、昼の光の中では目の前にいるお菊が見えない。お菊は源内の元にも向かうが、やっぱり昼の光では無理。ようやく夜が来て、帰って来た源内は長屋の前で立っていたお菊にびびって立ち止まる。それなりに迫力があるお菊にびびりつつ、楽しくエレキテルの話をする源内。まだ成仏してないお菊を見て心配そう。ラブは見つけたけど、見つけてしまったために、成仏したくなくなったお菊は成仏する訳にはいかないのでしょうか、と相談する。

寝間着姿で、割れた皿を手にする播磨は、突然現れたお菊を「どこに行っておった!」と問い詰める。ずっと側におりましたが、夜にならないと見えないのですと言ったお菊に、そういう事か!と不機嫌に怒鳴る。ちょっとコナかけておいて、姿を隠して、俺をその辺のあんちゃんと一緒にするな!と言われ、よかった…とお菊は微笑む。成仏しないためには愛おしく思われない事だと言われているので…。お菊に向かって怒鳴っている声を、女中たちは庭から聞き、寒いものを感じていた。

「ずっと側にいたいから、愛おしく思われては困るのです!」と廊下に出るお菊を追いかける播磨。相変わらずどうしても噛み合わない会話に、播磨はどんどんイラつく。とにかく今日の事はいいから、明日からは許可なく自分の側を離れるな!という播磨に、夜だけではダメですか?とお菊は頼む。どうしても自分の思う通りにならないお菊に背中を向け、ちょっと哀れに思っただけじゃ!と意地を張った播磨は、お菊が姿を消してしまっていたため、「お菊!お菊!!」と探し歩く。

上総之介たちは、えらく熱心に演技してますなぁ…と感心しきり。上総之介たちは、播磨を失脚させ、一生座敷牢に閉じ込めるつもりにしていた。その話を、お菊は聞いていた。

すっかり疲れた播磨は、布団で大の字になりながら、ずいずいずっころばしを歌う。枯れ井戸から銀が運び出されているのを見つめながら、お菊も歌っていた。(2話終了)

「対談 怪談にせ皿屋敷をめぐって」その3

SMAPの誰が慎吾が解らなくって、誰だろうって探してた藤谷さん。ラジオ番組に出させてもらった時、それじゃあ、と帰り際に握手をしてきたのが慎吾で「あ、いい青年だな」と思ったとか。慎吾は、慎吾で、舞台が終わった時に目をうるうるさせながら横内さんに語ったそうです。「今まで僕はSMAPの中でで一番年下で、何やってももできない、バカだ、のろい、ただでかいだけりで使い道のないやつだ。ってみんなからいじめられてたんでです」でも、この舞台で独り立ちして、お客さんも一杯入って、中居くんも木村くんも羨ましがってくれてと、言うんだそうです。「いい青年だな(笑)」藤谷さんは対して何も考えてなかったんですが、藤谷塾は毎日開催。二人で、二人のセリフを最初っから最後まで言うのだ。

控え室で、役者とAD、いや、助監督が言い争いしてるところからドラマは始まる。今日が最終夜。

『第3話』

恒例となった幽霊話に花を咲かせる女中たち。枯れ井戸では、せっかく引き上げた銀がまた井戸に落ちたり、上総之介が落ちそうになったり、大騒ぎになっていた。捨が忍法を使った!と、切り捨てる上総之介。

それらすべて、お菊のたたりという事になってしまう。お菊を庇う播磨に、上総之介たちは呆れ顔。ちょうどそんな時に、銀座会所の岩田が屋敷を改めにやって来た。部下たちは屋敷中を改めるが銀はみつからない。最後に残ったのは、あの枯れ井戸だけである。枯れ井戸の上に、ぼんやりと播磨は座っており、突然「お菊!お菊―!」と叫び出す。上総之介が、お役の方々に祟りがあっては…と言うが、岩田は相手にしない。力づくでも!と刀を抜こうとするが、お菊の力で抜く事ができない。仕方なく岩田たちは帰って行った。ふいに全部がバカバカしくなった播磨は、この金はおまえらにくれてやる、と言う。役人も煙に巻いた、このチャンスを逃さず、殿の御乱心をでっちあげ、上総之介は播磨を座敷牢に閉じ込められた。

すっかりいい気分で宴会をしている上総之介たち。それだけでは収まらず、上総之介は自ら播磨を切り捨てると言う。座敷牢では、播磨が叫んでいた。お菊は源内に相談に行くが、それが全部しくまれた事だとすれば、播磨も危ないんじゃあ!と言う。

上総之介が牢にやってきて、10年前の話をする。播磨の父に、自分の父の屋敷を襲われ、金品を奪われ、父も母も、妻も、子供たちも殺された上総之介は、ただ、青山の屋敷を乗っ取り、播磨の命を奪う事だけが生きる喜びだった。上総之介は、播磨を枯れ井戸に引き出し、殺そうとする。青山播磨の名を、未来永劫、大悪人として残すために。ところが刀を振り上げた部下たちは、突然体の自由がきかなくなり、仲間割れ状態になってしまう。上総之介が二人を切り、播磨に切りかかるがどこからともなく吹き付ける、菊の花びらに遮られる。

ようやく現れたお菊を見て、すでに斬り殺したはず!と口走る上総之介を怒りにまかせて播磨は切り捨てた。「孫子の代まで祟ってやる…!」という言葉を残して上総之介は絶命する。

お菊が幽霊である事を知っても、「そなたが必要じゃ」と言う播磨。お菊は「生まれて初めて、いえ、死んで初めて、播磨様から必要だと言われました。もう思い残す事はございません」と呟く。お菊の最後のお願いは、「偽りの愛で包んで下さい」そうすれば、ずっと播磨様のそばにいられるとお菊は言った。げんまんをする二人。こらえられなくて、お菊は泣く。「お菊。俺が死んだら、お菊のように、またこの世に戻ってこれるかな。…俺は地獄にまっさかさまだろうな。そなたとは違ってワガママ放題、人様に迷惑かけてきたからな…」「お菊も地獄にまっさかさまでございます。子供の頃、お供えのおだんご、こっそり食べてしまった事がございます」と微笑んだお菊に、口付けようとする播磨を、やんわりと拒む。ラブはダメだと言ったではありませんかというお菊に「かまわぬ。ラブは心の薬だと言ったではないか。俺はそなたの事を愛しく思っているのだぞ。俺がそなたを抱いて、万が一そなたが消えてしまった時には、俺も一緒に死ぬ」「なりませぬ」「金もいらん、屋敷もいらん。俺はそなた一人が欲しいのじゃ。そなた一人の主になりたいのじゃ」「播磨様…、お菊の分まで長生きして下さいまし。そしてもし、菊がこうやって播磨様の前に姿を現わした時は、優しく抱きしめて下さいまし」その瞬間お菊の姿は、播磨の腕の中から消えた。朝が、近づいていた。

枯れ井戸にもたれて、播磨は落ちている菊を手に取った。

女中たちは、屋敷を離れる話をしている。そこにお菊の姿を求めてフラフラと播磨が現れ、刀を振り回す。お槙をお菊だと思いしがみついた播磨は、突き飛ばされ、お槙などに用はないと切り捨てる。秋には祝言を上げるはずだった、トメが泣きながらお槙を抱きしめる。

げんまんじゃ…と歩きながら、お菊を呼んでいた播磨は、背中からトメに刺され、「お菊…これで、やっとそなたと一緒になれるのだなぁ…」嬉しそうに呟き、枯れ井戸のそばに倒れる。

すべてはお菊の祟りのせいになる。街中に、お菊の祟りが触れ回られる。

ずっとそこにいたお菊は、倒れている播磨に近づく。

すると、播磨も立ち上がって、そっと、二人は寄り添った。

お菊の小さな墓の前で、源内が手を合わせている。彼のラブはようやく完成した。この先、幸せになれるのかい、ともう一度手を合わせた源内。

朝の町を、小指をつないで歩いて行く二人の姿は、誰にも見えない。

(最終話終了)

てなわけで、二人だけはハッピーエンドなドラマ版。長髪播磨様があまりに素晴らしいため、こっちの方が好きですねぇー。

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