せっちゃん伝説第71話『まりちゃん貧乏伝説』
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4月29日、高松でまりちゃんに会いました。また倒れそうに面白い話をしてくれました。珍しくアイメイクをしていたのに、もうぼろぼろでした。
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4月22日金曜日
まりちゃんは、大変機嫌よく夕ご飯を食べ終えました。楽しい飲み会でした。楽しい飲み会だったので、その楽しい気持ちのまま、彼のうちに行き、お茶でもしましょうと、お料理の美味しい、デザートも美味しいお店に車で向かいました。
と、時間が金曜日の8時とか9時。店の小さな駐車場には車が一杯。あらー、別に停められる場所があるかしら、と様子を見ていたら、店から男が一人出てきました。根本的にサラリーマン嫌いなまりちゃんが、最も憎むなんちゃってサラリーマンのようなちゃらい兄ちゃんです。
あ、よかった。帰るヤツがいる。
車に向かう様子を見てラッキーと思ったら、その兄ちゃん、車から携帯を出してなんか喋ってるんですってよ。その後3回くらいそんなことをしやがったんですってよ。
いらっとするわーー!と思っているうちにようやく店に入れるようになりました。
ドアを開けると。
真正面の席に!そのなんちゃってサラリーマンが座っているじゃあないですか!!
しかも、向かいの席の女に向かって、両手を顔の辺りでひらひらさせながら、首を左右に振り続けているっていうんですよ!!!
お店の人から言われた空いてる席は、1.カウンターに横並び、2.かなり大きな丸テーブル、3.そいつの隣の二人がけ、の3種類。
しかしカウンターがあんまりいい席ではなかったので、二人で来ている大人としては3.のそいつの隣しか選べなかったまりちゃんたち。
二人が席につくまで、男は首を振り続けていたというのです・・・
『隣おかしいよ!』『見るんじゃない!』
向かいに座りながら、メールで会話をするまりちゃんたち。
「仕事でミスしたけどさー、そのおかげで○×ちゃんと知り合えたんだからよかったよな〜♪」
女は小倉優子的たたずまいの、不思議ちゃんとキ××イの境目を行き来してそうな感じ。男は、その不思議ちゃんの気をひくべく、もっとおかしな星から来たキャラクターを演じている様子。
まりちゃんたちはは、もう足がじたばたするのを押えるために、テーブルの下でお互いの足を絡ませあい、そうにかそれを防ごうとして、どっちの方がバカップルかわからへん、という状態。
女の方に電話がかかってきて、女が、うん、うん、とうなずいていると、男はそれを見ながら、女と同じジェスチャーをずっとやり続け。
『◆△さぁん、こないだ結婚指輪外してたでしょー?そういうの隠すのってぇ、いけないとおもうぅ〜』
しかも既婚者かおまええええええ!!!!!
こんなアホのアホな会話なんか聞いておれん!せっかく!大好きなお店に久しぶりに来たのに!美味しいデザートも頼んだのに!
頼んだデザートの量が多すぎる!!ただでさえがっつりしているそば粉のクレープの上に、何事!?というほど山盛りのアイスクリームが乗ってます。
早く食べてこの店を出たい!と心から祈っているのに、できないのです!
手は動いているんだけど、噛めないのです!
だって、開いた口がふさがらないからーーーー!!!(夢野久作でそんな小説あったわー)
あぁ、この店に来るまでは、あんなに楽しかったのに!可愛い女の子とごはん食べて、彼と好きなお店にやってきて、大好きなデザートを食べているのに!
味わうこともできずに出ていかなきゃいけないなんてぇぇ!!
どうにかこうにか帰ってきたまりちゃん、土曜日は、1日バイトです。
早くに起きなければいけません。
しかし、まりちゃんは早寝ができません。だって、早く寝たら、早く明日が来てしまって、何か行動を起こさなくてはいけないから。
もう眠いのに、もう1ページたりとも読み残したところがないスピリッツをひたすらめくるまりちゃん。いつもは読まない柱のコメントまで読みながら、ずっとめくっておるのです。
どうして、こんなことをしてるんだろう。
何か本が読みたいなら、もっと面白い本を探しにいけばいいじゃないか。
たまってるビデオを見てもいいじゃないか。
しかし、ただそのスピリットをめくり続けるまりちゃん。
眠くて眠くてしょうがないのに、めくり続けるまりちゃん。
後から考えてみると、あんなキ××イみたいなカップルを見たというものの、それ以外は楽しい1日だったし、もっとその1日を堪能していたかったようだった、ということでした。
まりちゃんは、明日はやいから、今も早く寝なきゃとかいう感覚がないのです。
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4月23日土曜日
そんなことをしてますし、もちろんまりちゃんの起きる時間は遅かった。
でも、ちょっと太っちゃったし、朝食は抜いてダイエットしーよおっと、出かけていったまりちゃん。
今回は、とにかくすばやく会場間を移動をする必要があるバイト。
とある駅のパン屋の前で、メンバー集合。一人をそこで乗せて、車は出発。
そして、現場についた後、まりちゃんは言われたのです。
「この現場は昼がでんのやーー」
な、なんですとーーー!!パン屋さんの前で待ち合わせしとんのに、なんでそれを先にいわんのやーーー!!!
しかし、まぁダイエットだからいいか・・・と仕事するまりちゃん。そのバイトでおかしなことがありました。
いくつかの団体がまとめてやるイベントなので、団体ごとに希望を聞いて照明をあてるようになります。本番はまりちゃんがメインでやるので、まりちゃんが打ち合わせをしていたら、普段は、あるとすれば全団体まとめてしてくれるご祝儀を、一つの団体だけがこそっとくれたというのです。
わー!やったー!と思ったまりちゃん。お昼も食べんと働いてるんやし、現場の人だけで分けたらええやーん♪
うきうきしながら、もらったの私だしー、ちょっと先に金額みっちゃおーー、と金封の中を見たら。
・・・空でした。
あら?もらった後、打ち合わせしてたから、台本の中とかに挟みこまれちゃったのかしら・・・。
しかし、荷物を見ても、打ち合わせの場所を見ても、お金はありません。
封筒は、ちゃんと封されている訳ではなく、あのー、シールをはがすととめられるってやつがそのまま残っている状態。
・・・・・・・・まりちゃんにとってこんなことは、かつての結婚式で、友達のいっちゃんの金封の中が空だった時いらいです(いっちゃーーーん!!!)
そろそろおなかもすいてきたところで、この訳の解らない状況に陥り、ちょっとまりちゃん疲れてきました。
続いてまた移動。もうおなかもすいてきました。
「じゃあ、コンビニでも寄る?」
仕事をバリバリしてる俺が好き♪という運転してる人に言われ、
「コンビニのパンはいやです・・・」
と言うまりちゃん。今回の仕事は、香川の西の方から愛媛にかけての仕事。香川の西の方は、どういうわけか、パン屋天国、お菓子屋天国。国道沿いにはコンビニとかしかなくても、ほんとに1本入ればいくらでも素敵なお店が山盛りあるのです。
が、仕事をバリバリしている俺が好き♪な運転手は、じゃあいいのか、とコンビニも停まりやがりません。
これだけの長い時間何も食べずにいて、その挙句にコンビニのパン!?
そんなものをこのあたくしが食べられると思って!?
でも、おまえがコンビニでおにぎりでも買うわーってなれば、その中で、どうにか私の心にかなう品を探すこともできたであろうに!!
腹へらねーのか!てめぇは!死ね!!
そんな気持ちで、もう1本愛媛県で仕事を片付けます。その仕事が予定より早く終わり、ほっとしたまりちゃん。
「んー、この時間やったら、高速つかわんと下通ったら豊浜(香川の西の方)でバラししてるチームの手伝いにいけるやん」
いかんでもええやん!!!
もうぐったりしながら車に乗ってるまりちゃん。が、香川に入ってからの風景を見て、はっ、と思い出しました。
この辺りに、友達が雇われオーナー、とはいえ、自分でやってるカフェがあるじゃないか!しかもお料理も美味しいし、かなり田舎の方だから、そうそうこられないし!で、運転手に行ってみました。
この近くに、友達がやってるカフェがあると。
「寄りたいん?」
「・・・それは私が決めることじゃないですけどー(その豊浜行くとかいう予定外の行動をやめたらええんちゃうんかあ!!)」
「うーーーん・・・。やめとくか」
うぎゃーーー!!!
さらにまりちゃんは、バラしの手伝いをし、その現場にいた女の子も加わった車で高松に向かいます。
「お腹すきましたね〜」
朝ごはんも、昼ごはんも食べた若い娘に言われ、朝も昼も食べてねんだよ!!とだんだん喋る力も失われていくまりちゃん。
もうそろそろ時間は夜7時。次は9時からの仕事になります。なので、今の帰り道でごはんを食べればいいとまりちゃんは思ったんですが。
運転手は事務所まで帰ったんですよ。
そんで、おなかすきましたねーって若い娘と、何食うー?とようやく言い出した運転手。
それでも、他のメンバーが戻ってくるまで待つのかよ!てめぇら待つのかよ!!
へとへとになったまりちゃん、ふらーー・・・っと自分の車に乗り込みました。
シートを倒し、横になったまりちゃん。
疲れた・・・。ご祝儀の金封にお金は入っていなかった・・・。お腹すいた・・・。
つつーー・・・。
本当に流れる涙。
おなかがすきすぎて泣いてしまう大人(笑)!
おなかすいたよぅーとしくしく泣くばかりのまりちゃんでしたが、ようやくもうごはん食べに行こう!ということになりました。
お店を決める段になったら、まりちゃんもどうにか気力を振り絞り、パスタが食べたいです、とお店を決めました。
結果、運転手が考え違いをしていて、別のお店に連れていかれ、そこの駐車場がまた一杯。相当遠くまでいかなきゃ車は停められないという状態ですが、あの店の中にさえ入ればご飯が食べられる・・・!と思っていたまりちゃんにとっては、少々遠いのなど関係ありません。
なので、遠く離れた駐車場までいったら。
死んでるのか?というほど身動きとらない駐車場係員と、駐車スペースじゃないところになぜかアメ車を停めようとして、延々切り替えしし続けているアホっていうのがいましたが、さくさくパスタ屋に到着。
珍しくクリームスパを頼みました。カルボナーラみたいなやつで、粒コショウとかあるといいなーと思ったんですが、テーブルに粒こしょうがありませんでした。
じゃあ、と、その店オリジナルと、ちょっと辛い赤い色のオイルをかけることにしました。
が、そのオイルは、勢いよくこぼれる入れ物に入っており。
まりちゃん、目の前に人がそれをやったのを見ていたにも関わらず、どばっ!!と入れてしまいました。
クリームなんだか、辛いんだか!!
しかも、何が食べたい?と聞かれた時に、刺激物はいやだってゆったわ、自分・・・。
辛いよぅ、と思いながらパスタを食べていたまりちゃん。
はっ!と気づきました。
自分たちのテーブル以外のテーブルには。
粒コショウが置いてあるってことにね・・・。
12時間ぶりに(おきてからの時間。正確には前の夜から食べていないので、およそ20時間ぶり)食事をようやくして、はー・・・と駐車場まで歩いたまりちゃんは。
なんでこんなに遠いん!?
と、驚いたそうです。
9時からもう1つ仕事をして、深夜家に戻ってきたまりちゃん、1話を見逃していた剛のドラマの2話目のビデオを見ました。
号泣でした。
凛ちゃん以上に号泣しました。
あのドラマを見た方には、2話でなくようなところ・・・!?とお思いでしょうが、まりちゃん号泣です。
「お母さんが亡くなったのはどうしてです?貧乏だからじゃないですか?」
貧乏だから・・・!
貧乏だから、私は今日こんな目に合わされた・・・!
貧乏だから、こんなバイトをやることになり、ずっとご飯を食べることもできなかった!!
全部びんぼが悪いんやーーーー!!!
号泣!!
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「それで、リバウンドしてすごい太ってー」
え!?半日食べなかったぐらいのことで、リバウンドってどゆことよまりちゃーーーん!しかも、その1日のせいで、1週間近く、体調悪いまんまだったというまりちゃん。
それもこれも全部貧乏だからいけないんです。
今、少し堤真一を憎んでいるというまりちゃんでした(笑)
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この話を聞いたのが、4月29日。まりちゃんが痛い目にあったのが、22日から23日。でもその22日の夜まで、まりちゃんはずっと調子よくやってきたといいます。
私が帰ってくるのに、あんまり笑えるような話もないなーと思ったまりちゃんでしたが。
神様は、私のために、まりちゃんにこんだけの訳の解らない事態を引き起こしてくれました。
ありがとぅーーん。神様!
まりちゃん大変でしたけども、笑えたからええやんな。な(笑)!
せっちゃん伝説第72話をお楽しみに!
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