11.7.11

第4回 JCIA(日本幼児コンピュータあそび研究協議会)

平成11年7月11日(日)に、東京の恵比寿ガーデンプレイス(サッポロビールの跡地)にある「日立メディアルネッサンス」(日立のプレゼンテーションルーム)で第4回JCIA(日本幼児コンピュータあそび研究協議会)が開催されました。JCIAは京急幼稚園(神奈川県)の中澤善宏園長、相模つばさ幼稚園(神奈川県)の平本浩二園長(H7年死去)が中心となられて設立された研究会です。

私(副園長・樫村文夫)も、昨年に引き続き、実践発表をしてきました。(本当のところを言うと、会場が恵比寿ビールの発祥地で、きっとうまいビールが飲めるであろうという動機だったのですが。)
昨年は、「幼稚園におけるインターネットの活用」ということで、ホームページやメールでの保護者とのコミュニケーションについて話しました。今回はのぞみ幼稚園の特色である「土の香りのする未来っ子を育てる」保育の内容紹介を中心に、「直接経験と間接経験とのバランス」の重要性について話ました。

当日のプログラム

第一部 パネルディスカッション
「小学校から幼稚園へと進む、コンピュータのポロロッカ」
コンピューター教育が、幼稚園から小学校へという流れではなく、小学校で児童2人に付1台設置されることを受けて、幼稚園の現況を討議する。ポロロッカとは、アマゾン川の大逆流のこと(河床が海面より低いため、満ち潮時に海水がさかのぼる)

・岐阜県の幼稚園現場で何が行われているか?
・保育におけるコンピュータの役割(実践園の事例)
・小学校では今、どのレベルまで進んでいるのか?…etc.

(パネラー)
学校法人石井学園合歓の木幼稚園理事長石井亮一先生(岐阜県私立幼稚園連合会副会長)
学校法人五浦学園ママの森幼稚園理事長・園長三浦竹子先生(JCIA幼児教育ソフト研究会会員)
狭山市立狭山台南小学校教務主任松澤忠明先生(CEC市販ソフト教育研究会事務局長)

第二部 実践園によるプレゼンテーション
「コンピュータを使った保育への様々なアプローチ」
PART1 学校法人のぞみ学園のぞみ幼稚園理事長樫村文夫先生
「感性を育てる保育(直接経験と間接経験のバランス)」(香川県高松市)
PART2 社会福祉法人栃の子福祉会瑞穂野保育園園長阿久津均先生
「パソコンで広がる子ども達のイメージ」(栃木県宇都宮市)
PART3 学校法人わかば学園副理事長角田美智代先生
「外国人教師による英語とコンピュータ」(千葉県佐倉市)
PART4 参加園による、作品および活動風景の発表会
京急幼稚園、ママの森幼稚園、あずま幼稚園、相模つばさ幼稚園、狭山台南小学校、サンロフト社キッズガーデン

エピローグ
幼児教育ソフト研究会の活動報告
財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)

以上

私の発表内容

副園長 樫村文夫のプレゼンテーション

「感性を育てる保育(直接経験と間接経験のバランス)」

今回はのぞみ幼稚園の特色である「土の香りのする未来っ子を育てる」保育の内容紹介を中心に、「直接経験と間接経験とのバランス」の重要性について話ました。

従来、この研究会(JCIA)では、目玉保育としてコンピューターを導入した実践例(いかにコンピューターは素晴らしいかという)の発表が多いのですが、その中にあって、私は、幼児には、友だちと関わって遊んだり、土を耕して植物を育てたり、身体を使って表現したりする「直接経験」が最も大切であって、現在のところコンピューターは、幼児には必要不可欠のものではないという立場をとりつづけています。

デジカメとノートパソコンを300インチのプロジェクターに接続して、当園の保育の実践やホームページを映しながら発表を行いました。園庭や砂場で伸び伸びと遊んでいるようすや、さつまいもの苗挿し、父の日のプレゼントのやきもの作りなどを映しました。

お絵描きの道具としてのコンピューターの長所と短所

パソコンは瞬時に試行錯誤ができる

たとえば、「すがすがしい青い空を描きたい」と思ったとしても、広い画用紙を青い空にすることは、時間がかかり、根気も必要です。青いクレヨンをただ、ひたすら塗っているうちに、最初の「すがすがしい、青い空を描きたい」という気持ちは失われてしまうのです。感性や表現力を育てるはずが、忍耐力を養成する苦痛の時間となってしまいます。その点、パソコンは瞬時に試行錯誤ができるので、幼児のお絵描きの道具としても優れている点があります。

しかしながら、パソコンで表現できる色彩は、フルカラー(1670万色)といっても、R(赤)G(緑)B(青)それぞれについての、わずか256色調を掛け合わせ(256×256×256=約1670万)ているだけにすぎません。
水彩画でしたら、単色の濃淡でも無限の階調表現ができます。下図はわずか2色の絵の具を混色して使っているのですが、豊かな色彩表現になっていると思います。子どもの感性を育てるとは、そのわずかな色調の違いに気づき使いこなす力を育てることではないでしょうか?

水彩画(2色の絵の具の混色/5歳児)

幼児教育へのコンピューターの積極的な利用についてお知りになりたい方は

川崎ふたば幼稚園の小川哲也先生 http://www.futaba.ed.jp/

あるいは、

日本幼児コンピューターあそび研究協議会(略称JCIA)会長・長友博光(学)長友学園理事長
事務局(長友学園) TEL 042-770-0791 FAX 042-772-7081

が以前から実践、研究されています。


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このホームページは副園長 樫村文夫が作りました。

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