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  好きな小説を2編,2000年5月4日

シズコズ ドーター キョウコ・モリ著
 角川文庫 \720

  なんと美しい作品なんだろう. 友人, 母の思い出, 父や継母との確執, そして恋. 母静子に先立たれた有紀が力強く成長していく日常がさりげなく綴られている. 決して感情に訴えかけるような書き方ではない. なのになぜこれほど心に残るのだろう. 一服の清涼剤のような, 心をかけぬける爽やかな風のように.
93年,ニューヨーク・タイムズ紙年間ベストブック

人生の親戚 大江健三郎著
 新潮文庫 \440

  知恵遅れの兄ムーサンと車椅子の弟道夫くんが自殺!.残された母まり恵さんの苦悩の人生が描かれている.作者の実在する家族との交流と,まり恵さんからの手紙,というスタイルで描かれているため,これは実話かも,と思わせるリアルな内容になっている. 本当に実話かもしれない. 
自殺も考えたけど,そうしたら2人の記憶さえも破壊してしまうことになる. .と苦しみを真正面から受け止めて生きる主人公の姿. 生きることの意味を考えさせる一冊
第1回伊藤整文学賞受賞作