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気象予報士受験記

受験のきっかけ

 まずは,気象予報士になろう,と思った動機までさかのぼって,事の顛末をお話しする ことにいたしましょう.

1.気象のことが好きだから.

 なんといってもこれがないと始まりません.
気象の事なんて全然興味ないんだけど,仕事で必要だから予報士取らないといけないんだ.なんて人がいたとしたら,すっごく贅沢な(お気の毒な)事ですね.
気象のことが好きで,苦労して予報士になっても,その資格を実際に仕事に生かせる人はあまり多くないと思いますから.

 高校の時は"天文地学部"に所属していました.積極的に活動している人は常に10人前後,けっして大所帯ではなかったのですが,気の合う仲間が集まった,とても楽しいところでした.
中学の頃から天文が大好きで,親に頼んで頼んで買ってもらった12cm反射鏡で星雲観測に夢中だった私は,天文班に所属していました.しかし,部員の中にはいろいろな石ころを収集している人や,毎日ラジオを聞いて天気図を書いているいる人もいました.
当時私も天気図には何度かチャレンジしたことがあったのですが,慣れないと難しいですねぇ.録音しておかないとすぐ聞き漏らしてしまうし,後で等圧線を結ぶ作業なんて,ホント大変!.
でも毎日やってる人はスゴイ.放送が終わるときには等圧線も一緒に完成してるんですよ.各所の実況を聞きながら,同時にスラスラっと線も引いている.やはり継続は力なりです.

 部では年に何度か星の観測会というのを実施していたんですが,その前には当日のお 天気がどうなるのかというのをものすごく気にしていました.
観測に出かけてから曇ったとしても,みんなでワイワイ朝まで楽しかったのですが,最初から天候が悪いのが明らかで,開催を中止せざるを得ない,というのはとても残念で悲しいことでしたから.

 そんな高校生活でしたから,気象への興味も,本質的で根深いものとして私の深層心 理へ焼き付いていったのでしょう.

 ちなみに天文はその後どうなったかといいますと,
東京の大学に進学して天文部には一時入ったのですが,なにせ都心のど真ん中の大学でしたので,活動は電車で2時間もかかる観測所が中心でした.貧乏学生していた私は,その電車代の負担に耐えきれないこともあって,早々に幽霊部員と化してしまいました.
文系の大学生には必修ともいえるサークル活動ですが,理系の場合はクラス単位のま とまりが緊密なことと,学業も多少は忙しいこともあって,必ずしも必要ではないんですよね.

 大学を卒業した後は,地元の四国に就職したので,空もきれいだし,車で自由に移動できる年齢にもなったわけですが,パソコンの使いすぎで視力も悪化したこともあり,現在まで長期休業が続いています.

2.仕事で気象情報をよく利用しているから.

 就職先は大学で専攻していた関連分野だったのですが,そこは同時に気象とは切っても切れない業界でもありました.とはいっても私は気象に関する分野を専攻したことはありませんし,気象学の講義すら受けたことがありません.
私の職場は,気象予報や気象データの重要な利用者といったところです.

 はじめの何年かは高知にいました.瀬戸内でぬくぬくと生まれ育った私には,山一つ隔てた高知の気候は驚きの連続でした.雨の降りかたが全然違う!. 雨粒の大きさが明らかに1桁大きい.それに台風の風と波!.. 晴れた日の透き通るような空.... それと南国高知の冬は,朝が案外寒いんです.

 そんな高知での数年間でしたが,特に思い出深い気象現象といえば, なんといっても平成11年9月24日の高知豪雨です. 夕方から本格的に降り始めた雨は翌朝あがるまでになんと約1000mm!. 記録的短時間大雨情報に相当する雨が,一晩中休みなく降り続いたのでした.
休みなく続く降雨に鳥肌がたつような恐怖を感じながらの土嚢や排水ポンプの設置.翌日からの交通が寸断された地区への徒歩での往復.
本当に貴重な経験でした.

 その後転勤になり,現在の職場に移ったのですが,そこは,まさに気象とは切っても切れない所でした.
ちなみに,職場の部屋の右後ろには気象協会のmicosの端末,その隣には,雷からの電磁波を捕らえて位置評定するシステムの端末.左後ろには気象台から予報文などが送られてくる専用fax.
前方には各地の注意報警報を表示する電光盤,地上での電界強度から雷雲を感知する表示盤.などなど.
そういう情報に囲まれて,それらを利用しながら仕事をしているわけですが,仕事自体には 別に気象の知識を必要としているわけではありません.

しかし所長が転勤早々の私に一言

ここに気象予報士が一人もおらんのは情けないのぅ.すまんが取ってくれんか.

ハイッ.わかりました.

と簡単に安請け合いしたのが事のはじまりでした.
以前から気象という分野には興味があって,気象予報士という資格もカッコイイなあ,取ってみたいなあ,なんて漠然と考えてはいたのですが,その時私はまだ,気象予報士がどれほど大変な資格かも,また試験がどのような内容で,いつどこで行われているのかさえも,全く知りませんでした.

ただ,とにもかくにも,今まで全く漠然とした存在だった気象予報士というものが,近いうちに取得しよう,という具体的存在となったのでした.平成11年3月のことです.