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気象予報士受験記

1度目の受験.

始動までの長い眠り.

3月に気象予報士受験を決意したのですが,転勤したばかりで仕事に慣れない上に, 家庭も非常に忙しいことになっていて,その日その日を終えるので精一杯の状態が続いていました.
 そんな日々が3ヶ月ほども過ぎたある日,
このままではあっという間に1年が過ぎてしまう〜.なんとかしなければ!.とりあえず勉強用の本を買おう!,
と一念発起して町で一番大きな本屋さんの気象関係のコーナーへ行きました.

 驚きました.気象関係の本って結構何種類もあったのですね."気象予報士になる・・" とか"めざせ・・" などなど,1册の本にまとまった受験用参考書も何種類かありましたが,やはり理論をきっちり固めるのが結果的に早道になるに違いない.と考えた結果,たまたま選んだ本は,かの有名な"一般気象学"でした.
この本が全員必読のバイブルだという事を知ったのは随分あとになってからの事で,
"なんの予備知識も無しに"一般気象学"を買ってくるとは,なかなか見る眼があるなぁ"
と自画自賛した次第です.

 しかしせっかく買った一般気象学もほとんど読み進められることなく,いつしか涼風が吹く10月になっていました.その間に我が家には長女が誕生!.当然ながら睡眠不足の生活が始まったわけです.しかしいろいろ産まれるまでが大変だったので,子守のために勉強の時間的余裕はほとんどなくなっても,精神的余裕は徐々に出てきたように思います.

ところがしばらくすると子供の睡眠パターンが完全に昼夜逆転!.ただでさえ3時間毎にミルクをあげないといけないし,1回に要する時間も,ゲップが出るまでのだっこを含めると1時間近くかかるのですが,夜中に限って,あいだの貴重な2時間も泣きっぱなしの状態.これにはホント参りました.
幸い11月に入ると悪夢の昼夜逆転もなんとか解消し,夜は5〜6時間まとめて眠ってくれるようになりました.

さあ,とにかく試験がどういう形式でいつ行われるのかを調べて,具体的な勉強を開始しよう!.
と決心したのは11月初旬のある日のことでした.

ついに始動.

 再び本屋さんへ,,,今度は過去問の載っている問題集を買いに,
私は本を読むのは大好きなので,ふだんから本屋さんにはよく行くのですが,そういえば一般気象学を買ったのはもう半年も前のこと.それ以来気象のコーナーにはほとんど来てなかったのに気が付きました.
今まで本当に受験する気があったのかなぁ.どおりで今まで勉強が進んでいないはずだ.
と妙に納得した次第です.
本棚を物色して,,,,どうやら試験には学科と実技があるらしい.とようやく気づきはじめながら,
ふと目に留まったのは成山堂書店発行の"気象予報士試験精選問題集 平成12年度版"でした.
学科も実技も厳選された問題がよくまとめられている.巻頭には試験の日時や申し込みの仕方まで書いてくれている.ということでその本をお買いあげとなりました.

 家に帰って早速試験の日程などを読んでみて,,
なになに,平成11年度2回目の試験まであと3ヶ月足らず.ちょうどいい時期に試験があるじゃないですか.
さらにぺらぺらと先をめくって,過去の受験者数や合格率のデータを見つけて,
ゲゲッ.合格率ってこんなに低いの?.ヤバイなぁ.もっと早く勉強を開始しておくんだったなぁ......
この試験の難しさに今頃気づいたか,馬鹿なやつめって感じですね.ホント..
しかもその本に載っていたのは平成9年度までのデータですから,最近の4%という合格率の低さを後で知った時は,ますますアセった次第です.

ここまで尻に火がついて,さすがに頭の中は予報士のことでいっぱいになり,通勤の10分間の電車の中や寝る前のわずかな時間などを利用して,問題集を必死に読み進むようになりました.
しかし,過去問は難しい!.
リッジ?,トラフ? なにそれ... 温位? 初めて聞くな用語だなぁ....
一般気象学の本は以前から買っていたのに,11月半ばの段階で,まだ大気の組成とか電離層の話を読んでいる段階でしたし,かつて天文地学部だったけど高校の地学すら履修していない私ですから,予報士学科の過去問が解けるわけがない.
しかたなく解答を丸暗記しながら,一般気象学で関連する前後を読む.ということを繰り返していました.

こうしてようやく始まった勉強ですが一番の苦労といえば勉強時間を確保することでした.
私が仕事に行っている間は,奥様が子供の面倒をみているわけで,私が家に帰るとどうしても子供の相手は私の役割になってしまう.通勤時間を含めても1日1時間も時間を確保できず,いっこうに進まない勉強にいらだちがつのっていました.
その頃うれしかったことといえば,隣の県まで汽車で片道2時間の出張に行く機会があったことです.往復で4時間!勉強し放題だ〜.
(こんなことを心から喜んでいたとはわれながら随分まじめな受験生ですねぇ〜)

援軍あらわる.

 12月の上旬に広島の同業の事業所を訪問する機会がありました.そこでお会いしたTさんが,なんと気象予報士だったのです.歳も私と同じと言う事で,親しく話をすることができました.

 "お薦めの本とかありますか?"

"天気図の見方という本があるんですけど,なかなかいいですよ.ちょっと値段が高いんですけどCD-romも付いてるし.."
"過去問は気象業務支援センター発行のがいいですよ.実技の解答解説は試験の主催元ならではの内容で,キーワードなんかもよくわかるし,,,一般の書店では売ってないんですけどね."
"過去問などを元に,キーワード集みたいなのをまとめてみたのがあるんですよ.よかったら送ってあげましょうか?"

 "そっそれは無茶苦茶助かります.是非おねがいします.

"それと,インターネットは見てますか?.いろいろな情報がありますよ.Infoseekとかで 気象予報士 で検索するといくつか出てきますから,あとはLinkをたどっていけば,いろいろたどり着けると思いますよ"

インターネット!.私には目からウロコでした.今まで毎日のように利用しながら,気象関係の情報を一度も見た事が無かったのです.

じつに有意義だった広島出張から帰って,さっそくiMACの前に座ると,,
"気象予報士"で検索っ!,,あるわあるわ.れいにぃさん,せんべいさん,などなど, さらに今までほとんどお目にかかる事ができなかった各種高層天気図なども,画質が悪いながらも見る事ができるでじゃないですか!.それからというもの,各種ファックス図やいろいろなページの掲示板を見て廻るのが毎日の日課になったのは言うまでもありません.
しかし多くのページに掲載されているみなさんの受験の苦労話を読むと,"これほど難しいのなら,気合い入れて勉強せねば!" と思う反面, "受からなくても仕方ないや,半分あきらめよう." と弱気になってしまうところもあります.あまり読みすぎるのも考えものかも....

 広島のTさん,インターネットに続いて,さらなる,そしてもっとも強力な援軍は高知からあらわれました.
昔の職場の知り合いのMさんが,なんと人知れず受験中だったのです.H11年夏の第12回試験で学科の一般を合格され,今回の冬に学科専門と実技の合格をめざしているとのことでした.
知っている人が同じ資格をめざして勉強しているというのは,やはり相当なメリットがありました.まず,過去第1回から第9回までの学科の全過去問をジャンルごとに分類したMさん手作りの問題集をいただくことができました.
そして,お互いの勉強の仕方や参考書について情報を交換したり,疑問に思うことを質問しあったり,と,しばしば電話で連絡を取り合うようになりました.おそらくMさんにとっても,私という仲間があらわれたことは大きなメリットだったでしょう.それまで半年以上一人で勉強されていたようですから,,,

 

えっ,なんでこんなにできないの.

 12月中旬のある日のこと,成山堂の精選問題集に掲載された学科問題に続いて,Mさんからもらった第1回から第9回の学科全問をどうにか解き終えた私は,これまたMさんからもらった第12回試験(H11夏)の学科を解いてみることにしました.
今まで解いた(丸暗記した?)問題はかなりの数でしたし,各問の内容も"一般気象学"などの参考書で確認済みでしたので,解き始めるまではかなりの自信がありました. しかし,,,

問1 次の(1)〜(5)のうち正しいものを1つ選べ
    A. 温帯低気圧は・・南北の温度傾度を・・
    B. 500hPa面における・・
    C. ・・・
    D. ・・
  選択肢 (1) A.のみ誤り (2) B.のみ誤り (3) C.のみ誤り
      (4) D.のみ誤り (5) すべて正しい

え〜,何この意地悪な選択肢は!.すべて正しいなんてのが一つ入ると,難しさが全然違うじゃないですかぁ. こんな出題形式は平成9年まではなかったぞ.
さらにこんな意地悪な形式の問題も.....

問2 次の例文のうち正しいものの個数を(1)〜(5)の中から1つ選べ
    A. 警報を発表できるのは気象庁・・
    B. 河川の水位が・・気象庁長官は建設大臣と・・
    C. 都道府県知事は・・・
    D. ・・
  選択肢 (1) 1つ正解 (2) 2つ正解 (3) 3つ正解
      (4) 4つ正解 (5) すべて誤り

こうなると,問題中にただ一言,が意味が曖昧なところがあれば,全く正解にはたどり着かない... , ただの5択マークシートに,これほど難解な設問を考えつくとは,恐るべし 気象業務支援センター!

 問題を解いてみた結果は.....
一般知識が15問中5問正解,専門知識も同じく15問中5問正解の惨憺たる結果でした.

試験まであと1ヶ月あまり,いまだ実技試験対策は手つかずの段階で,合格には最低11問,できれば12問は必要といわれる学科試験が2教科とも5問しかできないとは,,,,5択だからだれがやっても確率的に15問中3問はできるはず,この1ヵ月勉強して,成果はたったのプラス2問分とは.
さすがにショックで,その日一日がっくりと肩を落として,ほとんどなにもしゃべれませんでした.

 今まで約1ヶ月間の勉強の問題点を振り返ってみると,大気の安定性,傾度風や温度風,低気圧の構造など基礎的な知識があやふやな事がわかりました.そして実技の過去問も1〜2問解いてみて(全く説けなかったのですが),実技問題を解くためにも学科の一般知識に出題されるような気象学の基礎的理解がもっとも重要だと気づきました.
過去問を表面的になぞるだけの勉強で済まそうとしていた自分が甘かった!.

少しずつ理解してきた.

 自分の弱点に気づいて,今度は本腰を入れて,練り返し繰り返し"一般気象学"を読みふけりました. やはり,今まで読んだことのなかった部分や,なにげなく読み飛ばしていた部分がたくさんありました.そして熱力学やコリオリ力など大気の運動に関する式を自分で苦労して導いてみました.
ちょうどその頃,奥様と子供がお里帰りして,私は勉強し放題のうれしい年末年始を迎えることができました.(このお里帰りはいろいろな事情が重なって1ヵ月近くにもなりました).仕事のある日は一日4時間,休日ともなると1日8時間も気象漬けの日々を過ごすことができ,それまでの1日30分〜1時間が精一杯だった勉強不足状態を一気に解消することができました.

 1月の10日頃になると,各問題を個別に暗記問題的に捉えていた状態から,一連の物理学的問題として繋がりを持って捉えられるようになってきました.
気象が自分の中で物理学として捉えられるようになってくると"一般気象学"にはあまり述べられていない数式がさらにいろいろ知りたくなり"気象予報の物理学"を購入して読み込んでいきました.さらには"気象力学通論"まで購入.しかしこれは限られた時間内での試験対策としては少し難しすぎました.(合格したらじっくりと腰を据えて読みたい一冊です.)
専門知識に関しては,数値予報のモデルやプロダクトについてなど,なかなか良い本が見つからず,唯一の参考書ともいえる"最新天気予報の技術"と過去問に頼らざるを得ない状況でしたが,とにかく隅々まで読むことで,なんとか対応していきました.
このころようやく実技の問題も何問か目を通すことができましたが,
温帯低気圧や台風などの基本構造を物理学的原理と関連させてしっかり理解していればなんとか対応できるな!,
とある程度の手応えを感じられるようになっていました.
 この頃をたとえるならば,気象学の各フィールドに蒔いた種が,一斉に芽を出して,つるや根っこを互いに絡ませはじめた,という感じでしょうか.

仕上げ.そして初陣へ

 1月中旬,ついに奥様と子供がお里から帰ってきて,またまた勉強時間確保に四苦八苦する状態へ逆戻り.学科はまあなんとか仕上がってきた手応えを感じていましたので,あとは実技だ.
実技はあまり古い問題は傾向がかなり異なるようだったので,比較的新しい平成8年度(第6回試験)からの7回分14問は最低でも目を通しておきたいところです.
1日平均1問ならなんとか1月30日に間に合うぞ,
というわけで,たまに学科も振り返ったりしながら,実技の勉強を進めていきました.
 ただ,私はキチンとノートに書くのが大の苦手, 実技の解答もほとんど書くことをせず,頭の中で文章を組み立てるだけで終わらせてしまいました.ですから"自分の解答を何文字にまとめられるか",というのはついに本番まで試されることはありませんでした. おそらく私の場合,どんなに時間があり余っていても,実技の解答を紙に書いてみるようなマメな(しかしごく普通の)ことはしなかったでしょう.いいかげんなというか度胸あるというか・・・

 1月29日,試験会場の大阪へ向けて出発する日.大阪までどうやっていくかはいろいろ考えていました.
 1.JR特急+新幹線・値段が高い
 2.高速バス・・・・車内で勉強すると酔いそう.禁煙じゃないので大嫌い
 3.飛行機・・・・・値段が高い
 4.船・・・・・・・非常に安い.時間はかかるがゆっくり勉強できる(場所もひろい)
JRで行くとすれば,朝,無茶苦茶早い時間に出発すれば当日30日出発も不可能ではなく,宿泊代を浮かすことが可能ですが,JRの駅までの交通手段がありません.タクシーを使えば宿泊代が浮くメリットも半減するし,真っ暗な夜道を30分かけて自転車で行くのもあまりにも寂しすぎます.それと試験が終わった後すぐに帰ってそのまま朝まで夜勤をしなければならないことになっていたので,当日の朝4時起きをするのは辛すぎる.
というわけで選んだ手段は船でした.

 ホテルの予約もしないで,いきなり出発,でも朝寝坊して慌てて出ていったために普段から持ち歩く習慣のないPHSを案の定忘れる羽目になりました.なぜPHSを持っていこうと思ったか,,それはタイマーでアラームを鳴らす機能がついているので,目覚まし時計もないような安いホテルに泊まったときに役に立つだろうと思ったからです.幸い,大阪に住む二人の友人の電話番号のメモを忘れなかったことは多少の安心感を覚えました(ホテルが見つからなかったときのために..).
 なんとか予定の船に間に合って船内を見回してみると,意外にも乗客の多くは若い女性でした.おそらく週末を利用して京阪神に遊びに行くのでしょう.海は穏やか,空は快晴,快適な船の中で最後の仕上げのお勉強を,,,,
最後の仕上げが何だったかって?,それはもちろん漢字ですよ. 顕熱,閉塞前線,霜,脊梁山脈,,こんな難しい字が書けるわけがない. 実技の答案を自分で書いてみるという勉強はついにしなかった私ですから. 
答案はひらがなでもいいかもしれないけど,"へいそく前線"とか書いてるようじゃ,あまりにも情けない.そんな答案には採点者もはじめから馬鹿にかかるかもしれない. 部分点が1〜2点づつ低くなって,積み上がると,,,,残念でしたまたどうぞ...なんてことにもなりかねない..私の勝手な想像ですが.

 大阪に着くと,地下鉄でビジネス街に行き,適当に歩き回って一番安そうなホテルに決めました.(一泊\6800,都会だからこれぐらいの値段は仕方ないか,,目覚ましアラームも付いていたし)
ひと休みした後は,せっかく大阪まで来たのだからと梅田まで出かけてゆき,タワーレコードでCDを2枚買った後,ジュンク堂書店を歩き回り,以前から欲しかった人文学の本をようやく見つけました.さらに,今さらどうにもなるまいとは思いつつも気象関係の書籍コーナーに行って,,やはり都会の書店は違う!と,圧倒的な品揃えに感動しながら,"わかりやすい天気予報の知識と技術"を購入しました.
 歩き回ってくたくたに疲れてホテルに帰り着いた後,最後の夜は買ったばかりのその本にざっと目を通して早めに休みました.(あまり寝られませんでしたが)

ついに試験本番

 試験当日1月30日の朝."ゆっくり朝ご飯を食べて,試験会場に早めに着こう",とセットしておいたアラームを寝ぼけ眼で消してしまい,その後さらに1時間近くも寝てしまったのです!.はっと気づいて大あわてで駅まで走って行って,なんとか試験会場にたどり着いたのは試験開始の15分前でした. しかし間に合ってほんと良かった.あともう少し寝ていたら,,,と思うとゾッとします.
ただ幸いなことに,最後1時間の寝坊が,それまであまり眠れずにすっきりしなかった状態から,気持ちよい目覚めへと変えてくれたのと,慌てて走っていったことで,寝起きのぼーっとした状態から,活動状態へと一気に持っていくことができました.

 私の試験会場は100人以上入れる大きな部屋で,部屋の右半分は実技のみ受験の人たちの席でした.私の席はもちろん左側です. 席についたら,本でも広げてすこし落ち着こうかと思うまもなく,試験官の方々が入室されて問題を配ったり説明があったりで,とうとう試験開始の時間を迎えてしまったわけです.

 学科試験その1.予報業務に関する一般知識

 これは私としては会心の出来だったと思います.とくに迷う問題もなく20分あまりで完答して,ゆっくり見直しをした後,時間一杯までのんびりと座っていました.

 学科試験その2.予報業務に関する専門知識

 こちらは何問か怪しい問題がありました.
問1.温度計及び気圧計は地面から1.5m・・・・, そういえば1.5という数字は聞いたことあるなあ,
問2.高層気象観測の結果は・・月毎に統計され世界中に配信される., う〜ん.毎日リアルタイムで配信するのはわかるけど月毎に配信するの?
問9.山脈の風下でフェーンが発生して・・・,必ずしも,風上側で水蒸気の凝結を伴わない. 水蒸気が凝結せずにフェーンが起こるわけないやろ〜.
問11.・・これによる外挿の速度が得られない場合は,数値予報の700hPaの風を用いる. 全然わからんけど,下層の850hPaのほうがいいような気がするなぁ..
問12.・・最高・最低気温はアメダス地点に対する予想対象日(0時から24時までの24時間)の最高・最低気温をカルマンフィルター方式で・・・. アメダス地点の最高最低気温?,そんなに細かく気温を予想するんかなぁ...

やっぱり迷った問題はだいたい間違ってますね.(問12はたまたま答えは合ってたんですけど   Lucky!)
でもまあ全然できなかったわけじゃないので,何とかなったかなという気がしながら,試験時間の途中で退出しました.なぜ一般知識より自信のなかった専門知識で早めに退出したか,それは休み時間にトイレがものすごく混むのを発見したこと(うんこに行きたかったのです).お昼を外に買いに行く必要があったこと.これ以上いくら考えてもわかりそうになかったので,それよりすこしでも実技の勉強をしたかったこと...などが理由でしょうか.

お昼は近くのスーパーで小さな弁当を買って,大学の談話室みたいなところで食べました.

 実技試験の前には,それまで空いていた部屋の右半分にも受験生が入場してきました.
やはり学科を受かっている人は雰囲気が違いますねぇ.皆さん使い古した参考書やノートを持っていて,初めて受けに来た私から見るとなんだかとても凄い人たちに思えます.このベテランの人たちを含めて,この部屋でいったい何人の人が合格するのだろう.4人か,あるいは5人か,,と考えたら,到底自分はその中には入りそうにないという気がしてきました.

 実技試験1

 これは今までにない易しい問題だと思いました(ただ解答を入手しなかったので自分がどれぐらいできたかというのは全然わからないのですが).時間もある程度余裕があったので,見直しをして
問4.(1)の"雪"にみぞれを含むと書いてあるのに,見落としてみぞれを含まないで解答していたのに気づいたぐらいです.(もちろん(2)の降雪域の囲み斜線もあわててひきなおしました)

 実技1が終わった段階で,"今まで大きな失敗はなさそうだ.あと1つ,実技2さえなんとかなれば,もしかしたら受かるかもしれない".とかすかな希望も湧いてきていました.

 実技試験2

 いやあ,やってくれますねぇ.やはり簡単には帰らせてくれない. 書いても書いても解答枠が埋まらない.めくってもめくっても問題が出てくる. これほどの問題量を75分で解答せよ!とおっしゃるんですか.
結局問1.(2)のBの雲域はなんなのかわからずにチンプンカンプンに書いてしまったし,問3.(2)の積雪量の問題にたどり着いたときにはのこりあと5分足らず.問4の選択問題に至っては,図12の点線と実線のどちらが稚内か?,緯度が高いほうが高度が低い!.と見切ると,後は図も見ずに,問題文だけ読んで,a.とb.の選択肢を猛スピードで選んで,なんとか最後まで書きおわったところで,
"ハイッ,試験をやめてください",の無情なアナウンス.
会場が一瞬ため息に包まれました.
 私は汗だらだら,心臓バクバクの興奮状態でなんとか最後まで書くだけは書いたゾ!.という状況でした.
 それにしてもすごいのは,この実技2で途中で退出する人がいたことでした.なんでこんな問題が時間内に終わるんや〜.あるいは諦めたのか.

 くたくたに疲れて部屋を出た私は,だれか知った人と話をしたくて,高知から来ているはずのMさんを探すために,会場の出口付近でしばらく待っていました.しかしMさんには会うことができず,小雨が降る寒い道を地下鉄の駅までトボトボと歩いて行きました.
地下鉄の中でポケット時刻表を見て,岡山まで各駅停車で行ってもぎりぎり今夜の仕事に間に合うことを知ると,大急ぎで姫路行きの新快速に飛び乗りました.

 試験の緊張感がまだ残っているらしく,うたた寝することもできなかった私は,兵庫と岡山の県境付近の山間部をガタガタと走る人気のない電車の中で,ただ真っ暗な景色をボーっと眺めていました.