濃密な果実味をバックボーンに備えながら、あくまでピノ・ノワール特有のエレガントさを体現しそれに個々のテロワールの差異が彩りを添える、といった具合のワインは、確かに現在のブルゴーニュで望みうる最上の1本。1975年の収穫からドメーヌに携わり、1989年のミレジムより元詰を開始したデュガ=ピィの当主、ベルナールが生むワインである。
妻のジョスリーヌと息子のロイック、娘のマガリーで、10ヘクタール強の広さを切り盛りするが、畑は殺虫剤や化学肥料の類は一切使用せず、日々こまめな手入れを必要とするビオロジーク(ロイックはビオディナミにも大きな関心を寄せている)で耕作。1998年より開始し、2004年からは全ての地所でおこなうようになった。
ヘクタール当たり1万本前後というのが強い植栽密度だが、デュガ=ピィの場合より多い本数が見られ、ジュヴレのプルミエ・クリュ、プティト・シャペルやシャンベルタンでは1万3000本という尋常ならざる密植。加えて樹齢は若くても20年から30年、ほとんどの銘柄はヴィエーユ・ヴィーニュの表示があり、それらのぶどうは50年から100年という古さ。
ギュヨ・サンプルで仕立てられたぶどう樹は強い密植ときつい剪定に芽掻きから収量は自然と落ち、豊作の年でも30ヘクトリットルを超えることはない(2008年産は平均で24ヘクトリットル)。収穫はアルコール換算で12パーセントから12.4パーセントに達した時点で早めにおこない、それを13パーセントまで、シャプタリザシオンする。 |
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畑においてしっかりとトリを付されたぶどうは、傷付きや潰れるのをふせぐため、数十センチ四方で深さは20センチ弱しかないコンテナーでカーヴに運ばれ、さらにトリをおこなうが、その際はトラクターなどではなく保冷車のヴァンを使用。ベルナールは収穫されたぶどうの運搬にも細心の注意を払う。
つくりはキュヴェ、ミレジメにより異なり、フレキシブルな対応をみせる。除梗は基本的にせず全房での発酵を心がけるが、ぶどうの熟し具合によっては半分ほどおこなう場合もある。低温マセラシオンの後、セメント槽と木桶で野生酵母によるアルコール発酵の際のピジャージュ、ルモンタージュは必要最小限にとどめる。そしてカーヴでは果汁、ワインの移動にポンプは用いずグラヴィティ・フローでおこない、余計な負荷は掛けない。 |
新樽(焼きはごく軽いものを使用)はブルゴーニュACに1割から2割、ヴィラージュで3割から10割という比率だが、プルミエ・クリュとグラン・クリュには100パーセントで、16ヵ月から18ヵ月間の熟成を経る。瓶詰めは清澄、フィルターなしでおこない、その際SO2の使用は必要量ギリギリまで抑える。(インポーター資料より)
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Bourgogne Rouge |
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2009 ブルゴーニュ・ルージュ |
(税込み価格) 4.700円 |
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Bourgogne Rouge Cuvee Halinard |
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2009 ブルゴーニュ・ルージュ キュヴェ・アリナール |
(税込み価格) 6.200円 |
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2000年のミレジムからお目見えしたブルゴーニュACのキュヴェ・アリナールは、中身はれっきとしたジュヴレ=シャンベルタン。国道74号線の東側にある平坦な区画の樹齢25年から75年のぶどう樹からの果実をデクラッセし、単なるブルゴーニュ・ピノ・ノワールとは分けてリリース。 |
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