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ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
ボルドーを初めて訪れる人が、シャトーとブドウ畑を1ヵ所だけ見るのであれば、サン=テミリオンの中世の城壁の外にある丘陵斜面に位置するこの小さなオーゾンヌに限る。オーゾンヌは立地もすばらしいが、何よりもすばらしいのは、非常に古いブドウ樹が植えられた畑と、このシャトーのワイン・セラーとして使われている広い石灰岩の洞穴である。オーゾンヌは、ローマの詩人であり、紀元後320年〜395年の生涯をここで送ったアウソニウスという人物にちなんで名づけられた。彼はこの地域(明らかにサン=テミリオンよりもボルドーに近い)にブドウ畑を持っていたことが知られている。ただ、ローマ時代の遺跡が残ってはいるが、アウソニウス自身がこのシャトーと何らかの関わりがあったかどうかは、非常に疑わしい。
歴史的な重要性や、またボルドー全域で最もワインづくりに恵まれた立地の1つであるにもかかわらず、1960年代、1970年代のオーゾンヌのワインの質は凡庸、もしくはお粗末とさえ言われた。
今、生産の極めて少ないオーゾンヌを商業的に入手することは不可能に近い。ポムロールの名高いペトリュスより希少なワインであるが、値段はペトリュスよりかなり安い。オーゾンヌのスタイルは、サン=テミリオンのもう1つの名高いシャトー、シュヴァル・ブランとは、まったく異なるものである。 |
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