ファインワイン【宮武酒店ネットウェーブ】
 シャトー・カノン  (ボルドー:サンテミリオン地区)
Chateau Canon Saint-Emilion Premiers Grand Cru Classe B
http://www.chateaucanon.com/
シャネルが所有者になり注目のシャトー

ヴィンテージ
GRAND VIN
2000
1982

ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 コート・サン=テミリオンにあるシャトーの1つであるカノンは、サン=テミリオンの町の南西側の斜面の、ベレールやマグドレーヌ、クロ・フルテ、ボーセジュールといった第一特別級の畑に囲まれた、すばらしい場所にある。一部が丘陵斜面に、またもう一部が丘の上に位置する畑は、石灰岩を基盤とし、その上に石灰質と粘土質が混じり合った土壌から砂礫質の土壌まで、いくつかの異なる性質の土壌からなる。

 1919年以来フルニエ一族が所有してきたカノンは、1990年代半ばにシャネル社に売却された。シャトーの名は、18世紀の所有者であるジャック・カノンに由来している。非常に伝統的な、オークの発酵槽での長くて高温での発酵という製法は、このシャトーが、しなやかなボルドー・ワインを飲みたいという消費者にはほとんど注意を払っていないことを示唆している。タニックで、力強いワインであり、非常に長持ちするようにつくられている。顕著なオークの風味が特徴で、より軽いヴィンデージでは、果実味をぬぐい去ってしまうほどである。私のカノンに対する唯一の批判は、過度に、贅沢に新樽を使う(各ヴィンテージごとに最低60%の割合でつかわれている)点である。1989年、1985年、1982年といったヴィンテージのワインを私は非常に敬愛している。1980年代には、エリック・フルニエや彼の優れたメートル・ド・シェ(ワイン蔵の責任者)であるポール・カズノーヴの指導ものとに、カノンは、サン=テミリオンの最高級であるシュヴァル・ブランやオーゾンヌにしばしば匹敵し、時にはそれらをしのぐほどの質の高さを達成した。しかし、秀逸であった1990年のあとに続いた、みじめな出来栄えにより、カノンは自信に欠けるようになった。それは、老朽化したセラーの汚濁したより、さらに悪化した。このことが原因で、1992年から1996年の間につくられたワインの多くが、過度にカビ臭い香りと味わいになってしまったのである。新しい所有者は直ちに、この古いセラーを刷新し、そのかいあって不快な香りの原因は排除された。

 最良の状態のカノンは、すばらしい芳醇さがあり、深みがあり、凝縮感があり、筋肉質で、フルボディで、熟成すると果実味が豊かであり、西洋杉の香りを持つとびきり上等なワインとなることがしばしばである。このワインがさほど知られていないことは不可解である。というのも、カノンが1980年代にはサン=テミリオンの最高級ワインの3つか4つの中に含まれていたことは確かだからである。まだ名声は獲得してはいないが、新しい所有者は大きな野心を持っており、将来有望である。


〜一般的な評価〜
 このシャトーは1990年代初めに問題(すなわち、カビ臭いアロマと風味に汚染されていたワインである)を克服しなければならなかった。しかし、私は、新しい所有者による投資や運営チームによってなされた相当な仕事を考えれば、復活するだろうと、今でも確信している。しかし最近のヴィンテージからは、とうていひらめきは感じられない。

平均年間生産量:3万本
畑 面積:生産中なのは14.5ha(合計21.5ha)、平均樹齢:35年、植樹密度:5500本/haと6500本/ha、平均収量:30〜35hl/ha
育て方:長期間の発酵と18〜23日間のマセレーションは温度管理されたオークの槽で行う。熟成は、新樽60%で18〜20ヶ月。澱引きは3ヶ月ごと。清澄はするが濾過はしない。
ブドウ品種:メルロー75%、カベルネ・フラン25%
所有者:SCシャトー・カノン


◆◇◆GRAND VIN◆◇◆
グラン・ヴァン

Chateau Canon (税込み価格)
2000 シャトー・カノン 13.200円
[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 カノンの2000年は、エルヴァージュの間に、さらなる重みを身につけたようだ。タンニンがさらに甘くなり、中間部にはより広がりがでた。こうしたことはすべて、よい兆候だ。口の中に長く残り、ブラックチェリー、ミネラル、オーク、ハーブと混ざり合ったような、イチゴジャムの香りが感じられる。魅力的な、ミディアムボディの作品で、傑出したブドウの完熟感があり、余韻が長く、バランスがとれている。超大作ではないが、強烈で、十分に輪郭のはっきりした、非常に純粋なワインだ
予想される飲み頃:2008〜2020年 最終試飲年月:2003年1月 ポイント89
メルロー、カベルネ・フラン


Chateau Canon (税込み価格)
1982 シャトー・カノン 40.000円
[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 一貫して、壮観な1982年は、瓶詰め後、最初の5〜6年は豪奢な飲み心地だった。1980年代後半以降、このワインは、力強さやふくよかさ、凝縮感はそのままに、より構造の感じられるものになった。あと10年は持ちこたえる能力がある。読者諸氏は、充実感を先送りにすることが難しいかもしれないが。濃厚な色で、琥珀色をしているところはない。黒系果実、香ばしいオーク、細かく砕いた小石などが混ざった、花が主体となっている、ほどほどに強烈なノーズを感じる。厚みのある、リッチな、フルボディの、多面的なワインで、これはまぎれもなく、私がこれまでにテイスティングした中で、最も凝縮感のあるカノンだ。スケールが大きく、超絶的な芳醇さがある。この甘いワインは、タンニンよりも、深みのある果実味がまさっている珍しいカノンだと言えよう。向こう10〜15年で飲みたい。
予想される飲み頃:現在〜2018年 最終試飲年月:2002年12月 ポイント94
メルロー、カベルネ・フラン


          

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