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ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
クーテはバルサックで最大かつ、代表的なシャトーでもある。エレガントで、甘みと力強さを抑えたワインとして有名だ。概していつも出来がよく、スタイリッシュで、この地方で多数生産されている強烈な、超凝縮感のある、オークをふんだんに使ったワインよりも、おそらく様々な料理との相性もよく、柔軟性のあるワインであろう。
クーテの信じられないほどリッチな、とろりとしたワインはごくわずかしかつくられないので、店頭ではめったに見かけないが、この地方の双璧の1つとして(もう1つは言うまでもなく、ディケムである)言及に値する。特定のヴィンテージにはキュヴェ・マダムと呼ばれる特別なキュヴェをつくっている。1997年から1943年の間でこれがつくられたのは、1990年、1989年、1988年、1986年、1981年、1975年、1971年、1959年、1950年、1949年、1943年だけである。2001年が出るらしいという噂が広まっている。およそ1200本、つまりたったの4樽しかつくられないので、万一見かけることがあったら、ためらわずに試してみるべきだ。クーテのキュヴェ・マダムは純粋なネクターである。1989年、1988年、1986年、1981年、1971年のヴィンテージのキュヴェ・マダムは、1921年のディケムとともに、この地方のワインで私が味わった最も偉大な甘口ワインを代表するものである。
クーテのレギュラーのキュヴェについて言えば、マルセル・バリが1977年にこのシャトーを買い取った直後に生産されたヴィンテージは、軽くて平凡に思われたが、1983年以降のクーテは毎年のように一流のワインをつくってきた。実際、このシャトーこそバルサック地方の第一人者として、クリマンの歴史的役割に挑もうと、真剣そのものでワインづくりに取り組んでいるようだ。
また、クーテは最初の4〜5年がいちばん飲み頃の、極めて新鮮な、価格も魅力的な辛口ワインもつくっている。
〜一般的な評価〜
この地方の古典の1つであり、クーテはエレガントとバランスのとれた甘さの模範である。
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