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ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
ドワジ・デーヌはボルドーで最も野心的かつ革新的に経営されているシャトーの1つで、極めて上質なバルサックを生産しているが、バルサックとソーテルヌの現実の体制では過小評価されているようだ。私も第一級という評価はしないが、第二級のなかでは一番手である。ドワジ=デーヌの所有者、ピエールとドゥニ・デュブルデューはこの地域で最も上質な辛口ワインの1つ、ドワジ=デーヌ・セックもつくっている。この白ワインは充実していて、爽やかで生き生きとして、果実味があり、どても安価なのが何よりだ。ピエールの息子のデゥニは、ボルドー大学の醸造学研究所の教授で、マセラシオン・ペリキュレール(スキン・コンタクトと極めて低温による発酵)という古典的な手法で白ワインづくりを根本から変えた。この目的は、ワインの著しい果実味と新鮮さを保ち、ワイン醸造の過程で用いられる硫黄をごく少量に押さえたワインをつくることにある。
ドワジ=デーヌの甘口ワインは若いうちに驚くほど楽しめるので、多くのテイスターたちはこれが長期熟成に耐えるワインだと思わないだろう。今日のスタイルは1924年や1959年がつくられた頃とは確かに違っているが、1984年にこの2つのワインを飲んだとき、まだ新鮮で生き生きとして、果実味たっぷりだったことを覚えている。ドワジ=デーヌは今でもバルサック/ソーテルヌ地方のワインのなかでは正当な価格の甘口ワインに入る。若いワインを飲みたいならば、注目すべきシャトーである。
レクストラヴァンガンセ・ド・ドワジ・デーヌについての注記:この50〜125ケースの少量のキュヴェは2001年(100%ソーヴィニョン・ブラン)、1997年(100%セミヨン)、1996年及び1990年(100%ソーヴィニョン・ブラン)のみつくれられた。 |