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ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
このバルサックのシャトーはバルサックの有名な2大シャトー、クリマンとクーテのすぐ南東というよい場所にある。残念ながら、甘口のドワジ=ヴェドリーヌは少量しか生産されておらず、多くのワイン愛好家がこのワインのよさを見出そうとしても見つけることが難しい。このシャトーで生産されている辛口の白や赤のテーブル・ワインにはもっと馴染みがあるのかもしれない。それはシュヴァリエ・ド・ヴェドリーヌと呼ばれる感じのよい商業的なワインで、白も赤も同様によい。甘口のドワジ=ヴェドリーヌのほうは、隣のドワジ・デーヌのワインよりもはるかにふくよかで、リッチで、強烈である。通常、ヴィンテージの5年から7年目がいちばんよいが、特に最高のヴィンテージでは、かなり長く熟成する。
このシャトーは、ネゴシアン会社、ロジェ・ジョアンヌをも取り仕切っている有名なカステジャ家によって運営されている。ドワジ=ヴェドリーヌは1840年以来カステジャ家のものである。カステジャは、品質の点で満足がいかないと見なしたヴィンテージをさっさとグラン・ヴァンからはずす数少ないバルサックの生産者の1つである。例えば1974年、1968年、1965年、1964年、1963年には、ドワジ=ヴェドリーヌのラベルで生産されたワインは1本もなかった。 |