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ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
マルゴー村の入り口に忘れられたように建っているこの二級シャトーは、ゴンザーク・リュルトンが所有している。デュフォール・ヴィヴァンのブドウ畑からは、もっとよいワインが生まれてもおかしくない。1961年から1981年にかけてのここのみじめな実績を引き合いに出してリュルトンを責めるのは不公平ではある。しかし、このブドウ畑はこのアペラシオンでも立地に恵まれており、現在、ブドウ樹は適当な樹齢に達している。ワインが、その理想とする姿よりも魅力に乏しく、頑強なのは、カベルネ・ソーヴィニョンの比率が高い(オー=メドックではいちばん高い)ためではないかと、思わずにはいられない。
1982年以降のヴィンテージには改善が見られるが、それでもマルゴーのアペラシオンの長を務めるここの所有者は、今は21世紀だということに気付くべきである。グローバルなワイン市場はいまや血統よりも品質に基づいているのだ。ルシアン・リュルトンの息子で、まだ30代前半のゴンザーク・リュルトンは、若いボルドーのテイスティング基準を提案したことで評価されている。これは、彼のつくるワインは他の同格付けのワインと比べ、アン・プリムールのテイスティングでの評判がよくないことともおおいに関係があるだろう。彼は、他の同格のシャトーでは、サンプルとなるワインに手を加えたり混ぜ物をしたりして、最終的に市場に出荷するワインよりよいものを報道関係者に紹介していると考える傾向にあったようだが、これは間違いである。ここ20年間というもの、私は高格付けのワインについては、樽から瓶詰めする前のものを8〜12回テイスティングした後で、あらためて瓶詰めされたものを買い、樽からテイスティングしたものと変わりがないか確かめてきた。が、そうした食い違いに遭遇したことはまれだ。多くの場合、瓶詰めされたボルドー・ワインは樽から出されたサンプルよりおいしいし、それがあるべき姿なのである。樽出しサンプルを提出しているすべてのシャトーの共通のルール基準をつくるべきだという考えには全面的に賛成だが、一方で、若きリュルトンは席に着いて、自分のつくった瓶詰めワインを他のボルドー・ワインと飲み比べてみるべきだということだ。どちらにせよこのシャトーは確かによくなってきているのだが、自分以外はみな不正行為をしているというリュルトンの若者らしい傲慢さと非現実的な意見は、根拠のないものに思える。デュフォール・ヴィヴァンの最近のヴィンテージは確かに彼の前任者たちがつくっていた凡庸なワインよりも優れている。しかし、感激するようなワインではない・・・・・・少なくとも私の味覚にとっては。
平均年間生産量:7万〜7万5000本
畑 面積:20ha、平均樹齢:25年、密植度:6600本、平均収量:50〜55hl/ha
育成:熟成は樽で12〜18ヶ月(新樽は30〜50%)。清澄も濾過もする。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン82%、カベルネ・フラン10%、プティ・ヴェルド8%
所有者:ゴンザーク・リュルトン
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