ファインワイン【宮武酒店ネットウェーブ】
 シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト (メドック地区ポイヤック村・第五級)
Chateau Grand-Puy-Lacoste
ポイヤックのみならず、ボルドー全体でも最もお値打ちなワインの1つ

ヴィンテージ
GRAND VIN
2005
2002
2001

2000


ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 先もオーナーである故レイモン・デュバンには一度もお会いできなかったのだが、氏はボルドー史上最高のグルメとして記念碑的な評判をとっていた(故の知人によれば、食道楽でもあったいう)。その彼は、1980年に亡くなる前の1978年にグラン=ピュイ=ラコストを才能豊かで人望の厚い故ジャン=ウジェーヌ・ボリーに売り渡したのだが、ボリーはその後息子のグザヴィエをこのシャトーの責任者に据えた。古びて荒れ果てたセラーの大改修が済んだのが1982年で、なんとか間に合ったグザヴィエ・ボリーは、これまでで最上と言える出来のワインの1つを生み出した。ボリーは妻子ともども近代化したシャトー内に住み続けているのだが、ボルドーの目利きたちが期待した通り、グラン=ピュイ=ラコストは、ポイヤックの一流どころの中でも最先端を行くシャトーへと急成長している。
 ジロンド川からはずいぶん内陸に入ったバージュの丘にあるグラン=ピュイ=ラコストは、1qほど離れた隣のランシュ=バージュと似ていなくもない。大柄で耐久力のある、フルボディのポイヤックを生産することで確固たる定評がある。しかしながら、1960年代、1970年代につくられたワインは、ランシュ=バージュ同様、品質にムラがあった。今から思えば、オーナーの健康状態が悪化していたせいだったのかもしれない。例えば、1975年や1966年のような年にもその評判から期待されるほどの成功作はつくれなかった。この時期のほかのヴィンテージ、特に1976年、1971年、1969年、1967年は、どうしたわけか、完全な失敗作に近かったが、おそらく細かいことにまで注意を払わなかったせいであろう。
 ただし、1978年以降のグラン=ピュイ=ラコストは秀逸なワインをつくり続けている。2000年、1996年、1995年、1990年、1982年は、このシャトーの長い歴史の上でも最上のものとして記憶に残るような、偉大なワインである。デュパンのスタイルに比べて、ボリーのスタイルは、収穫を遅らせ、強烈なカシスの果実味と相当なグリセリン、力強さ、ボディを備えたワインをつくるというものである。1990年代半ばまでは価格が品質に追いつけなかったため、いまだに控えめな、いささか過小評価されているとさえ言える価格がついている。


〜一般的な評価〜
 グラン=ピュイ=ラコストは、ボルドーのワイン通たちの長年のお気に入りワインである。第二次世界大戦後は特筆に値するほど安定しており、通常その血統をはるかに超えるワインとなっている。ひょっとすると三級に格上げしてもよいのかもしれない。一般的に、豊かで、フルーティで強烈、ひと言で言えば期待通りで、期待を超えることも多く、しかも価格は極めてリーズナブルだ。ポイヤックのみならず、ボルドー全体でも最もお値打ちなワインの1つである。


平均年間生産量:19万5000本
畑 面積:52ha、平均樹齢:35年、植樹密度:1万本/ha、平均収量:50hl/ha
育て方:発酵とマセレーションは温度管理されたステンレスタンクで17〜20日間。熟成は新樽45〜55%で18〜20ヶ月。清澄と、瓶詰め時には軽い濾過を行う。
ブドウ品種:カベルネ・ソーヴィニョン70%、メルロ25%、カベルネ・フラン5%
所有者:ボリー家


◆◇◆GRAND VIN◆◇◆
グラン・ヴァン

Chateau Grand-Puy-Lacoste (税込み価格)
2005 シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト 11.860円
[PP93〜95 WS92〜94]


Chateau Grand-Puy-Lacoste (税込み価格)
2002 シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト 5.200円
[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 瓶詰め直前の段階では、それまでより出来がよくなっており、6ヶ月のときに目立っていた青臭い個性はあらかた消えていた(ありがたいことである)。出来のよい、ミディアムボディの、魅力的な作品で、フィニッシュには荒削りなタンニンが感じられるが、良好な深みのあるルビー色をしており、ブラックカラントの趣に混ざり合った乾燥ハーブやローム質の土壌の香りも感じられる。このシャトーにしてはエレガントな、つつましいスタイルでつくられているが、たぶん10〜12年はおいしく飲めるだろう。最終試飲年月:2004年3月
ポイント87〜88

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン


Chateau Grand-Puy-Lacoste (税込み価格)
2001 シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト 6,980円
[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 深みのあるルビー/紫色に、このシャトーらしい、隠そうとしても隠し切れないカシスの特徴が伴う。ミディアムボディの、画一的なワインだが、ブドウの完熟感や深みは上等で、フィニッシュには軽めからほどほどのタンニンもある2001年のグラン=ピュイ=ラコストは、たぶん2006年〜2014年にピークを迎えるだろう。
ポイント88

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン


Chateau Grand-Puy-Lacoste (税込み価格)
2000 シャトー・グラン・ピュイ・ラコスト 12.900円
[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 スケールの大きい2000年のグラン=ピュイ=ラコストは、1996年、1995年、1990年、1982年のすばらしいワインとも肩を並べられる。縁いっぱいまで濃い紫色をしており、芳香はカシス、タバコ、甘草のアロマを彷彿させる。深みがあり、豊かで、筋肉質で、フルボディ。熟したカシスの果実味や純粋さを強調したポイヤックの模範的なワインだ。タンニンはたっぷりだが、バランスがとれていないわけでもない。予想される飲み頃:2008〜2025年 最終試飲年月:2003年1月
ポイント92

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー、カベルネ・フラン


          

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