ポイヤック村でも極めて条件の良い場所に位置するシャトー
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ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
ボルドーの主要ワイン街道である県道2号線からは少々引っ込んだところにあるつつましやかな大きさのシャトーで、1970年代半ば以降、一貫して過小評価されてはいるが上質なワインをつくっている。畑は3つの区画からなり、立地はこの上ない。主要区画(50%強)は、ラトゥールのメインの畑に隣接している。ちなみにもう1区画はピション=ラランドの隣、3番目の区画はさらに内陸のグラン=ピュイ=ラコストの近くである。
このシャトーはボルドーの名士クリューズ家が1970年代に全面近代化したのもだが、1983年にはヴィラール家が経営するシンジケートに売却された。ヴィラール家はほかにもムーリのシャス=スプリーンと、マルゴーのラ・ギュルグという、よく知られたシャトーを所有・経営している。畑は1960年代前半に植え替えられ、いまや円熟の時を迎えようとしている。1960年代、1970年代前半のワインが凡庸であったのは間違いなく樹齢が若かったためだが、1975年には優れたワインが生まれ、最近でもいくつかのヴィンテージ、特に1995年、1990年、1986年、1985年に品質の高さをうかがわせる成功作が続いている。
オーーバージュ・リベラルは、強靭で、ブドウの完熟感があり、豊かで、ブラックカラントを強く連想させるワインであるが、これは間違いなくカベルネ・ソーヴィニョンの割合が高いためである。 |
平均年間生産量:12万本
畑 面積:29.7ha、平均樹齢:30年、密植度:1万本、平均収量:55hl/ha
育て方:発酵とマセレーションは温度管理されたステンレスとコンクリートの槽で。収量の40%は樽内マロラクティック。熟成は新樽約40%で14〜16ヶ月。清澄はするが濾過はしない。
葡萄品種:カベルネ・ソーヴィニョン75%、メルロー25%
所有者:クレール・ヴィラール=リュルトン |
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〜一般的な評価」〜
1990年代にいささか品質のレベルが低下したが、つくりは健全で、その五級の地位にふさわしいのもとなっている。いまだに消費者や業界誌には過小評価されていて、偉大なワインではないが、いつでも関心を持つだけの価値があるワインだ。値付けがリーズナブルな点から見て、特に最良のヴィンテージはそうである。
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[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
フィニッシュには辛く、硬いタンニンが感じられるが、出来のよいワインで。色は暗いルビー/紫色。ブーケはカシス、土、乾燥ハーブ、甘草のアロマを思わせる。ミディアムボディで、ブドウの完熟度は良好。ほどほどに硬いタンニンがあるこのワインは、いくらか渋みの殻を脱ぎ捨てるまでには2〜4年かかる。
予想される飲み頃:現在〜2014年。最終試飲年月:2002年3月
ポイント86
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー |
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[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
この優良な1996年は、ジャムにしたようなブラックカラントの果実の要素に混じり合ったローストした乾燥ハーブ、甘い土っぽいにおい、新樽が感じられる。鮮明感は秀逸で、タンニンはほどほど、ミディアムからフルボディで、フィニッシュは長い。グラスに注いでおくと、カベルネ・ソーヴィニョンのシュルマテュリテ(ブドウが過熟すること)の要素が目立ってくる。潜在的にはこのヴィンテージの掘り出し物だ。
予想される飲み頃:2004〜2017年。最終試飲年月:2002年3月
ポイント87+
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー |
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[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
1995年は、弟分より少々深みや強烈さがあるが、それでもやせた、生硬なワインだ。魅力的な縁いっぱいまで濃いルビー/紫色からすると強烈さはたっぷりあるように思えるが、アタックではそれが歴然としているものの、中間部になると果実味、グリセリン、凝縮感に欠けるようににり、フニッシュは辛口で、タンニンが強い。
予想される飲み頃:現在〜2012年。最終試飲年月:2001年1月
ポイント85?
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー |
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