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ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
タランスのラ・ミッション・オー=ブリオンは、ボルドー地域全体の中で最もすばらしいワインの1つを生産している。このシャトーは国道250号線をはさんで長年のライバル、オー=ブリオンと対峙しており、20世紀のほぼ全期間にわたって、比べるもののない輝かしい記録を持つ。
このシャトーには長い歴史があり、17世紀にラ・ミッションの信徒によって設立された。ワインのほとんどは教会の重要メンバーのためにつくられてきた。フランスで最も権力を持っていた歴史上の人物であるリシュリー(ラ・ミッションの熱心な支持者であった)はこう述べている。「神が酒を飲むことを禁じていたとしたら、このように良好なワインをつくったであろうか?」フランス革命の結果、このシャトーは教会から略奪され、個人に売却された。ウォルトナー家が1919年にラ・ミッションを取得し、特に故フレデリックとその息子アンリが、ラ・ミッション・オー=ブリオンのワインの品質を、メドックの一級シャトーや隣のオー=ブリオンに匹敵し、時にはしのぐほどまでに高めたのである。 |