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ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
パヴィはサン=テミリオンの第一特別級全体の中で、最大の畑を持っている。生産量は隣人であるオーゾンヌの7倍、また畑の隣接しているラ・ガフリエールの2倍である。このため、パヴィは世界中に広くその名を知られている。
畑はサン=テミリオンの町の南東(車で5分の距離)にあたる、サン=テミリオン地区の東の丘陵斜面というすばらしい位置にあり、コート・サン=テミリオンの1つとなっている。歴史的に見ればここの畑には、オーゾンヌと共に、4世紀にはもうローマ人によってブドウが植えられていた。
チリでの牧場経営を断念した後、1967年以降パヴィの仕事に携わっていたジャン=ポール・ヴァレットが、1998年までパヴィを所有し経営していた。彼はサン=テミリオンで最も気さくな経営者の1人であり、その親切なもてなしと、ここがこの地方で最も興味深い石灰岩でできたワイン・セラーを持っていることとがあいまって、パヴィは、この地区を訪れる観光客が必ず足を運ぶシャトーとなっていた。
その生産量の大きさと人気にもかかわらず、ペレス家が買収する前のパヴィは、サン=テミリオンの一流シャトーの中で最高の実績を誇るシャトーとは言えなかった。ワインが軽く、色合いが弱々しすぎるヴィンテージが多く、早熟すぎたり褐色化するのが早すぎたりしたのである。幸いなことに、この不安定な時代は過去のものとなった。しかし、この銘柄は若いうちに飲めるサン=テミリオンではない。たいていのヴィンテージは、ことに1980年代、そして1990年代初めのものは、若いうちは頑固なほどに硬く、熟成するまでに最低7〜10年、瓶で寝かせる必要がある。1990年代初めのワインは特に期待はずれだった。ヴァレット氏がこのシャトーを手放すにあたって、このことが大きな原因となったことは間違いない。ペレス家による最初のヴィンテージは1998年であった。彼がわずか5年で達成した品質は今日のボルドーで最も関心を集める話題の1つとなっている。
パヴィは最も高価なサン=テミリオンの第一特別級となった。 |