ファインワイン【宮武酒店ネットウェーブ】
 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン  (メドック地区ポイヤック村・第ニ級)
Chateau Pichon-Longueville Baron http://www.pichonlongueville.com/
完全なる復興を果たした名門シャトー
 1987年にAXA社所有になり、飛躍的に品質が向上しています。ピション・ラランドのエレガンスなスタイルに対して、このバロンは力強さで人気を高めています。

ヴィンテージ
GRAND VIN
2005
2003
1997
1996
1995
1992

Second Vin
1999
1998
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第3版」より
 高雅なたたずまいのシャトーが、ピション・ロングヴィル・コンテス・ドゥ・ラランドとラトゥールに向かい合って立っている。1980年代前半にワインの品質を穏やかに盛り返したこのシャトーは、1980年代終わりに持ち主のブテイエ家からAXAという保険のコングロマリットに売却された。この会社がシャトーとワインづくりを監督するためにシャトー・ランシュ=バージュのジャン=ミシェル・カーズを雇ったのは、立派なことだ。カーズの作風、遅い摘み取りや厳しい選別、セカンド・ワインの導入、それに新樽の割合を高めることなどによって、品質は劇的に向上したのだ。その結果、ピション・ロングウィル(よく「ピション・バロン」と呼ばれる)は今、名門の第二級シャトーと呼ぶにふさわしくなった。

 ブドウ畑は砂利が多い土地の上、真南に向いた申し分ない土地だ。その大部分がシャトー・ラトゥールの畑に隣接している。1960年代、1970年代のピション・バロンのワインの多くがぱっとしなかったのは、無造作なブドウ栽培の方法と、不十分なセラーの管理の両方が原因だったのだろうと思われる。私は焼けつく暑さのある7月、このセラーのそばを通りすぎたときのことを覚えているが、瓶詰めされえたばかりのヴィンテージが外に積み上げられ、強い日光にさらされていたのだ。

 カーズのチームのもとでは、そんな無謀な真似が許されるわけがない。美辞麗句や世評の結果はさておき、ポイヤックが再び2つの偉大なピションを得たという歴然たる証拠は、ピション・バロンで1986年からつくられたワインである。このシャトーが1990年代のスーパースターのひとつだということは、遠からず確かめられるだろう。偉大なワインは1988年、1989年、1990年にもこのシャトーから出ている。これらは、ジャン=ミシェル・カーズがピション・バロンのために考えたスタイルの体現であり、強力でくっきりした、非常に凝縮したワインとなった。
(ジャン=ミシェル・カーズは1997年ヴィンテージまで)

平均年間生産量:24.000ケース
畑 面積:68ha、平均樹齢:35年、密植度:9000本/ha、平均産出量(過去5年間):45hl/ha
育て方:ブドウは手摘みで、完全に除梗。発酵は温度調節されたステンレス鋼の発酵槽で通常15〜17日間続く(例外は1996年で20日かかった)。マロラクティック発酵は発酵槽の中で起こるが、収量のうちごくわずかはオーク樽に入れられる。ワインは12月に樽に移される。新樽は70%。12〜15ヵ月熟成(瓶詰めは春)。清澄処理も濾過処理もされる。樽から樽へと3ヵ月ごとに澱引き。
ブレンド比率:カベルネ・ソーヴィニョン70%、メルロー25%、カベルネ・フラン5%



◆◇◆GRAND VIN◆◇◆
グラン・ヴァン

Chateau Pichon-Longueville Baron 税込み価格)
2005 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 18.900円
[PP92〜95 WS92〜94]


Chateau Pichon-Longueville Baron 税込み価格)
2003 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 13.000円
[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
 ピション=バロンの偉業ともいえる1990年をしのばせる。2003年はボルドーのクリュ・クラッセとしては力強い、アルコール度の高い(13.46%)ワインで、pHは高く(3.85)、酸は弱い(3.1)。31hl/haという収量でつくられており、ブレンド比率はカベルネ・ソーヴィニョン65%、メルロ35%。インクのような/紫色をしており、大柄な、厚みのある、ジューシーなノーズは醤油、ブラックベリー、クレーム・ド・カシス、ミネラル、花を思わせる。フルボディで、力強く、果実味の純粋さや深みがすごい。この美酒は、樽で成長していくうちにどんどん輪郭のはっきりしたものになっていくことだろう。フィニッシュは45秒強も持ちこたえる。予想される飲み頃:2009〜2025年。
ポイント92〜94
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー


Chateau Pichon-Longueville Baron (税込み価格)
1997 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 6,405円
[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第3版」より
カベルネ・ソーヴィニョン80%とメルロー20%のブレンドで、新樽が70%使用された。重くはなく、ミディアムボディの、濃い紫色のクラレットで、低い酸度、ほどよいタンニンがある。1997年にしては焦点が定まり、輪郭のはっきりした作(このヴィンテージのほとんどは開いていて丸みがある)。トーストのような香りと混じった、たっぷりした甘いブラックカラントの果実味に特徴がある。口に含むと、よく焦点の定まった感じ、適度のタンニン、そして適度に長いフィニッシュがある。私が味わった1997年のなかでも成長の進んでいない方に入るので、発売まであと2〜3年は寝かせなければならないだろう。15年はもちそうだ。
最終試飲月:98年3月 ポイント87〜90
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー


Chateau Pichon-Longueville Baron (税込み価格)
1996 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 11.700円
[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第3版」より
 印象的なワインで、傑出した点のつく可能性は充分なのだが、1995年よりタンニンが強くて厳しい。1996年のピション・バロンは濃いルビーから紫色、甘いカシスの果実味、そしてノーズにはトーストしたような新樽が香る。フィニッシュに、魅力的なチョコレートのような、カシスとブラックチェリーのような果実味を示し、樽で熟成しながら肉つきを増しそうだ。このワインはどこから見ても1995年と同じくらい良好で、しかももっと寿命が長いのではないかと思う。
飲み頃予想:2004年から2016年 最終試飲月:98年3月 ポイント88〜90+
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー


Chateau Pichon-Longueville Baron (税込み価格)
1995 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 12.000円
[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第3版」より
 スタイリッシュでエレガントで、より抑制されたスタイルのピション・バロン。普通より新樽の香りが目立たない、この深みのあるルビー色から紫色のワインは、ブラックカラントの香りがする純粋なノーズ、そしてコーヒーと燻したような、トーストしたようなオークの微妙なアロマを示す。口に含むと、1996年より軽く、筋肉質でもないが、快くエレガントで豊かな果実味を、ミディアムボディからフルボディの驚くほどみずみずしいスタイルの中に示している。
飲み頃予想:2001年から2016年 最終試飲月:97年11月 ポイント90
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー


Chateau Pichon-Longueville Baron (税込み価格)
1992 シャトー・ピション・ロングヴィル・バロン 9.000円
[赤・フルボディ]
ロバート・パーカーJr.「ボルドー第3版」より
 このヴィンテージ正統派のひとつ。1994年11月にボルドーに10日間滞在して1992年と1993年のテイスティングに励んだときも、このワインは味わうたびに抜きん出ていた。暗いルビーから紫にかけた色合いを見せ、大きくて派手、くっきりしたブーケはジャムのようなブラックカラント、西洋杉、燻したような樽香がする。ミディアムボディからフルボディで、すばらしく豊かで、凝縮した果実味とほどよいタンニンがある。この非常にエキス分の多い、ゴージャスにつくられたワインは、今飲んでもよい酸度の低さだが、あと12年から15年は優雅に熟成を続けることが保障できる。このヴィンテージのたいした労作!
最終試飲月:94年11月 ポイント89
カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー


◆◇◆Second Vin◆◇◆
セカンド・ワイン
(税込み価格)
1999 レ・トゥーレル・ド・ロングヴィル 3.000円
1998 レ・トゥーレル・ド・ロングヴィル 3.000円
[赤・フルボディ]

カベルネ・ソーヴィニョン、メルロー


          

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