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ロバート・パーカーJr.「ボルドー第4版」より
レオヴィル・ラス・カーズのセカンド・ワインであるクロ・デュ・マルキがつくられたのは19世紀末のことである。この値前が定期的に使われるようになったのは20世紀初頭のことだが、そもそもはシャトー・ド・レオヴィル(故ラス・カーズの住まい)の近くにある、小さなクロ(石垣で囲まれた畑の一画)に由来する。
クロ・デュ・マルキはボルドーのセカンド・ワインの先駆けとみなすことがだきるかもしれない(セカンド・ワインの運動が定着したのは1980年代半ばがら後半のことである)。昔から若めのブドウ樹や、グラン・ヴァンにするには品質不十分とされたキュヴェでつくられてきた。
もっとも、年月がたつにつれて、クロ・デュ・マルキも自身のアイデンティティを獲得した。今日では、このワインは、グラン・クロ・ド・ラス・カーズの外側、プティ・クロの内側に位置する、きちんと境界が定められたテロワールから生み出されている。こうして選別された畑のまわりには、ピション=ラランド、レオヴィル・ポワフェレ、レオヴィル・バルトン、ラグランジェ、タルボの畑がある。
1989年以降の品質は三級ないし四級に近いものとなっている。 |