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5月4日 「レディ・ジョーカー(上)」 村薫 新潮文庫 映画になったのはもうずいぶん前だと思うのだけれど、文庫になるまで長かったですねぇ。最初の単行本は読んでいないので、どの程度加筆され変わったかは不明。映画にもなったので、ビール会社の社長を誘拐する話とだけは前提知識あり。でもそんなもの全く役に立たないですね。ほとんど白紙の状態で読んでいるようなものです。 ということで、ビール会社の社長を誘拐する話。上巻では、犯人たちの犯行に至るまでと実行、その他被害者も含めての事件に関わる人たちの諸事情と事件への係わりが細かく描かれていて、内容を一言で言い表すなら、やはり前述の「誘拐」云々が一番適切か、とも(苦笑)。 描写の緻密さはともかく、犯行自体は単純な誘拐かと思ったら、誘拐された人質は実はあっさり返されて、そこから金を取るための脅迫が始まるというのが面白いです。こういう登場人物設定でこういう話ならハッピーエンドは望めないんだろうけど、なんかちょっと一つでも明るい話があって終わったら良いなと思わないではなし。(そもそも誰にとってのハッピーエンドか、どういう形ならハッピーなのかという問題) 村氏の作品は好きだけれども、拘って読んでいるわけではないので、合田刑事が本庁から所轄に異動になったのは「照柿」の事件のせいなんだろうなぁと思いつつ、あえて確認もせず。余談だけれど、マークスの山の映画のせいで、以降、私の中の合田刑事はずっと中井貴一さんです。照柿のドラマではどなたが演じられたんでしたっけ?? 「あまつき 11」 高山しのぶ ZERO-SUM COMICS 「ディフェンス・デビル 4」 梁慶一 作:尹仁完 SUNDAY GX COMICS 本日の読了冊数:1冊 、今年の読了総数:33冊 本日のコミックス冊数:2冊 、今年のコミックス総数:21冊 |
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5月17日 「レディ・ジョーカー(中)」 村薫 新潮文庫 無事に帰って来た社長に対して、犯人側から現金要求の連絡が届く。警察側は裏取引を考え、警護と称して刑事の一人を張り付けた。事件が再び動き始めた。 上巻の誘拐の場面でも読んでいてそれなりに盛り上がっていたとは思うのだけれど、今回特に城山社長が電話の合図を見逃して異物混入ビールが発見されたあたりから、かなり事件的にどきどきする展開になっていて面白かった。もともとミステリ読みであり、誘拐だの脅迫だのというのを見るとまずミステリとして読んでしまうのだけれど、読みながらつくづく人間を描いた作品だなぁと思う。各登場人物それぞれの行動やら心情が興味深いです。 村氏は、自作の文庫化にあたっては内容を大幅に見直すとのこと。最初の単行本を読んでいないのでどの程度の変更があったかは判らないのだけれど、ともかく、文庫の巻の区切りを見た内容の展開になっているとは思います。この巻では一切犯人側の描写がなかったのは、話の展開の仕方として非常に好みでした。 ともあれ、そう来たか! というところで終わりだっただけに、最終巻は早く読みたい、と思います…。 本日の読了冊数:1冊 、今年の読了総数:34冊 |
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5月22日 「レディ・ジョーカー(下)」 村薫 新潮文庫 「崩壊」という章のタイトルがすべてを語っているように思います。物語の最後に向けて、関係者たちがただ進んでいくだけというのは、タイトルと同様にむなしさを感じさせて、事実物語も、「誘拐事件」をどこかに置き去りにして社会の暗い部分に入り込んでいき、釈然としないまま物語が(事件が、ではない)終わるのです。なんか、ある意味後味の悪い物語でした。 物井の爺さんとヨウちゃんが好きだな。というか、彼らが一番理解できる。あそこまで執着しないというか、無欲というかにはなれないだろうけど。あと布川。逆に、半田の執着は気持ちが悪かった。城井社長さんも結構好きだったかな。雲の上の人だけれど、人らしい部分が多く描かれていて、それが仕事の際には外へは出せないもので、その辺のギャップというか葛藤というかが面白かった。 途中、物井の爺さんとヨウちゃんが、爺さんの田舎の話をしていたところで、図らずも涙してしまいました。なので終章もちょっと泣けました。 本日の読了冊数:1冊 、今年の読了総数:35冊 |
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5月24日 「スターシップ−反乱−」 マイク・レズニック ハヤカワ文庫 宇宙軍の英雄であるコール中佐は、たび重なる独断専行のために軍上層部の不興を買い、辺境の老朽艦「セオドア・ルーズベルト」に左遷された。ただ彼は、そのまま終わるような男ではなかった。過去の仲間、新たな理解者、意欲をなくしすべてに無関心な、また規律一辺倒の上官らの中で、些細な変化から敵の動きを察し、またしても突っ走る。 久々にスペースオペラというか「宇宙活劇」というものを読んだ気がします。軍の英雄、下からの称賛と上からの圧力、左遷と再起? ある意味ベタベタなパターン。レズニックということで、キリンヤガとかアイヴォリーのような叙事詩的なものを読みたかったのだけれど、まぁこのタイトルだし、そういやこの人は「一角獣を探せ」的なものも書いてたな、と今更思い返したりもして。感動するような作品ではなかったですが、単純に楽しめましたし読みやすかったです。 着任当時のセオドア・ルーズベルトの間諜(なんでこっちが先に変換で出るかな?)もとい艦長フジヤマの扱いが、日本人としてはちょっと不本意かなぁ。 本日の読了冊数:1冊 、今年の読了総数:36冊 |
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5月29日 「カルテット−それが僕らの音楽だった」 小竹清彦 幻狼ファンタジアノベルズ ジャズカルテットの4人のメンバーの、過去と、音楽に至るまでと、現在を、おもに昔語りの形式で綴った話。 話全体としてはそれなりに感動できる部分もあるのだけれど、全体にそっけないというか、事務的というか、なんだか物足りない。文章のせいかな〜と思うけど、自分の中にそれらを受け止められるだけのものがないのかも…。 キャラクターはステレオタイプ。過去にバスケの優秀な選手でチームメイトだった彼らがみな音楽でもそれなりの技量を持っていたのは、リズム感集中力云々を言えばそれなりに納得できなくもないけど、ちょっと都合良すぎるかなと思わないでもなし。特に、一度ばらばらになった後に、全員が個別に音楽と演じることに自身のありようを見出したというあたり。それも、バスケをやっていたときに一つになれたように、同じ魂を持っていたからだ、などといささか情感的な理由をつければつけられなこともないけれど。 要するに作品の良し悪しはともかく、イマイチ合わなかったということなのだろうなぁ…。 本日の読了冊数:1冊 、今年の読了総数:37冊 |
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5月30日 「ひとりぼっちの王様とサイドスローのお姫様」 柏葉空十郎 メディアワークス文庫 女子も男子に交じって高校球児として甲子園を目指せる設定。父親の仕事の都合で海外に行くことになった綾音は、幼馴染で野球仲間の巧也と、3年後に一緒の高校に行って甲子園を目指そうという約束をして別れた。しかし、巧との再会を楽しみに入った高校には満足な野球部がなく、しかも当の巧也は野球をやめてしまっていた。 まぁ、だいたい展開の読める青春小説。若いが故の直球のぶつけ合いはそれなりに楽しい。歯がゆいけどね(苦笑)。女子が男子に交じってプレーすることのハンディとか努力や工夫とかはよく描かれていたように思います。 野球は詳しくないけれどそれなりにルール程度は知っている。だから、4-6-3のダブルプレーとかの説明があったときに、そうか、これは知らない人には説明が必要なのだ、とか再確認したりして、なんとなくまどろっこしいけど逆に新鮮。はたしてそれを知らない人がこの本を読むのかどうかはともかく。 ともあれ、軽く読める1冊でした。 本日の読了冊数:1冊 、今年の読了総数:38冊 |