3月・7月・11月   年三回発行

尊光寺報 91号 平成20年11月
    徳島県阿波市市場町大野島字天神
            0883−36−3026



「生きている」ことと「生きていく」こと
宗祖聖人の最後のみ教え、八十八歳のご消息と著作

 「生きているか!」に始まり、遠慮のない雑談、「いけるだけ生きていこう」こんな電話仲間も、戦後60年でとうとう横浜のN氏だけになった。
 何気なく口にする「生きている」と「生きていく」は一音違いでも大差がある。「いる」は本来動いている人や動物が留まり在ること。「いく」は行く、動いて場所が変わること。それぞれの目標に人生を生き進めていくことである。生きて動く命は、次の新しく大きな命を生み育てる。釈尊の体は亡くなられても、仏教ー大乗仏教という形で今も生きている、ようにである。
 この春、「後期高齢者」そのうち「末期高齢者」かと、揶揄されたり腹立てたりと喧ましかつたが、ヨタヨタ歩きのボケは隠しようがない。長生きすれば辱多し、荘子も寿則多辱と、古今の周知の諺通りで腹を立ててもしかたあるまい「そのうち皆も通るみち」です。
 世の聖人と云われる方々その老年は案外知られない。だが宗祖親鸞聖人はすごい。晩年(八十才より九十才往生まで)の御著作は18種もある。
 その最後のもの「彌陀如来名號徳」カナ交じり文で、十二光佛(無量ーー超日月光)の意を九字・十字の名号に帰結される。末尾に、文応元年12月2日書写之 愚禿親鸞八十八歳書了とある。
 宗祖のお手紙(御消息)で残っているのは四十二通である。その多くは関東在住の門弟たちへの御教化で、すべてカナ交じりで親愛感がにじみ出ている。署名や年月の記載なしもある。その一通、末尾に「文応元年11月13日 善信八十八歳 乘信御房」とある。残念ながら宛は信乘の逆ですが、お齢は同じ八十八歳。ドキリとしました。
 「なによりもこぞことし老若男女おほくのひとびとの死にあいて候らんことこそあわれに候へ」に始まり、懇ろな御教化のあと「乘信房にかやうに申候やうをひとびとにも申させ候」と、宗祖のお手紙は丁寧だ。
 私に鉄槌されたドッキリ感でした。生かされている限り、まだこの世で果たさねばならぬことが残っているぞ、八十八歳。宗祖聖人の最後の教えでしょう。
 報恩講で蝋燭の灯りで読む御伝鈔末尾は「弘長二年仲冬下旬いささか御不例 口に世事を申さず称名たえず」と、九十年のご生涯。ご往生の前僅か八日間がお心休めだった。私には有難く申し訳ない、とお念仏する報恩講です。万障お繰り合わせゆつくりご参詣下さい。

敬弔 総代尾崎博氏が去る9月28日ご往生。修復 工事ほか、大変お世話になりました。南無阿弥陀仏


 「京都だより」(9)   信映
    
「安居あんご」ー最高の研鑽講会ー
          典座拝命し奉仕参加できました

 本山本願寺では7月17日より30日まで「安居」(あんご)が開かれました。
 安居は僧侶が一定期間一カ所に集まり、外出を避けて修行や学問の研鑽を行うことを言います。その起源はお釈迦様の時代に遡り、インドには雨期があり、外に出て修行することは難しく、むやみに歩いて活発に蠢く小さな生き物を踏み殺さないために、一所に留まり室内での修行に励んだことが起源と言われております。
 本願寺での安居は、本願寺派最高の講会(こうえ)と位置付けられ、最も格式の高い学問研鑽の場です。寛永17(1640)年に始まる370年の歴史を誇り、安居の為に設立された学寮(現在の龍谷大学大宮学舎・本館)を会場として開かれます。参加するには僧侶における学問の階位資格である「学階」が必要です。学階には下から得業・助教・輔教・司教・勧学とあり、安居では得業から輔教までが聴衆、司教と勧学が講師となり講義・問答等が行われます。
 今年は本講として淺田恵真勧学より『往生要集』の講義が、副講として深川宣暢司教による『往生論註』及び宇野惠教司教による『華厳経』の講義が行われました。安居の特徴として、講義の後に「会読(かいどく)」と呼ばれる問答が行われます。会読の内容は浄土真宗の教えの要である安心(あんじん)に関するものから三つのテーマが選ばれます。このテーマは一年前に発表され、安居に出席する者は一年間をかけて会読テーマを勉強した上で安居に臨みますから、問答は細かな部分にまで及び、見解の相違をめぐり義論が白熱することもよくあります。
 このような会読の審判および義論の進行役として、典義(てんぎ)が司教より任命されます。今年は森田浄円司教が勤められました。
 今回の安居の典座も佐竹氏と共に任命されました。安居での典座の仕事は、主に会場の設営や講師の先生方のお世話及び雑用全般です。
 安居は七時に朝の勤行より始まりますが、それまでに会場を解錠し、クーラーを効かせ、お供えの仏飯を本願寺に取りに行くなどの仕事があり、誰よりも早く、六時には出勤しなければなりません。寝坊も無く終えることができましたが、緊張と早朝出勤もあり、猛烈な睡魔との戦いは言うまでもありませんが、そのような安居を通じて先生方から真宗や仏教に関わるお話をたくさん聞き、勉強させていただきました。また、安居事務所として共に安居の運営に関わる先生方とも交流を深められ、有り難いご縁を頂戴いたしました。
いつの日か、学階資格を取り安居に出席したいと思います。


◎徳島新聞連載小説「親鸞」五木寛之
 読んでいられてますか。なかなか興味深いです。
 宗祖聖人の幼年期史実はともかく、あの源平興亡の乱世の京都の世相などリアルで面白かった。
 いよいよ叡山での青年期です。十年の修行と勉学、そして法然上人との出会いへと、波瀾の展開は果たしてどのように五木文学は語るでしょうか。

◎本願寺展(徳島城博物館)盛況終了
 去る11月16日、期間38日、好評で無事終了し、二万人目の入場者には記念品(本山秘蔵一文字茶碗のレプリカ)が渡されました。有難いご縁が生まれましょう。
尊光寺もいち早くバスでの団体拝観しましたが、沢山のご門徒の参観・土曜講座ご出席も承り有り難うございました。


◎お稚児さんーみ仏の子供ですー(募集)
 寺では毎年一番大切な法要ーお講さんーにお稚児さんの参加・参列をお受けしている。
 法会の美しく厳粛な式の中に自分が加わった体験は生涯の思い出となり、またみ仏との深いご縁を結べて、将来に美しい情操を育ててくれるでしょう。
 ご本堂の輝く仏具、華束に盛られた花餅やお供華。その前に坐る可愛い装束のお稚児さんは、お詣りの方々をみ仏の世界に遊ぶ気持ちにさせ、その厳粛な姿に教えられます。


◎報恩講法要のご案内
 当寺御正忌報恩講法要は12月22日〜23日まで厳修。(一昨年より日程変更) ご門徒皆様はお誘い合わせ是非ご参詣下さい。
      12月22日 昼1時 日中法要
            夜6時 大逮夜法要
お斎日 12月23日 朝10時 門徒総永代経
戦没者追悼法要
お斎は 随 時 昼1時 御満座法要
     布教使  李平 博昭 師
 本年度の当番は「柿原組(北二条・南二条・小笠・柿原野田原)」組です。よろしくお願いします。

◎除夜の鐘 
 大晦日12月31日11時半より恒例除夜の鐘をつきます。続いて本堂で除夜勤行があります。お詣り下さい。






 

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