歩こう会


 先日10月28日土曜日に小豆島への歩こう会に参加した。小豆島の患者さんはじめ、患者会の役員の方々が企画してくださったプランだ。
 土渕海峡を渡り縁を感じる「とみおか通り」を走ってエンゼルロ-ドへ。そしてオリ-ブ公園、国民宿舎での昼食後、金両の醤油蔵、寒霞渓へ。

 一つ一つの素晴らしさについてはきっと会報誌「でぃあねっと」で紹介されることと思う。
 自分にとっての小豆島はいつもはそんなに意識に上らないのにどこか懐かしい場所だ。今回訪れた所も一度は訪れたことのある場所が多かった。が、今回目にしたさまざまな景色は間違いなく初めてのものだ。当日は台風も影響した雨天。多くの場合「あいにくの雨」と表現されるのだろうが、この日の雨は違っていた。確かに足元は悪かったがそれ以上に「雨のおかげ」で得たものがあった。濡れた足元を気遣ってバスに入り口には布が敷かれ、観光地に着く度にバスを降りた所で傘を差してかけてくれている。言葉にしなくても皆、他の人の足元を気遣っていた。そして訪れた所々でお店の方が雨の中私たちに手を振りお見送りしてくださった。それは決して形式的なものではなく、温かい「おもてなし」であり、心がぽっと温かくなった。
 そして寒霞渓からの景色は絶景だった。赤や黄色に少し色づき始めた木々を抱いた山を、霞がゆっくりと覆いながらも大きな流れで動いてゆく。それは自分の心さえも清めてくれるような気がして、自然と背筋がピンと伸びた。雨に濡れた緑の葉っぱや木々は、何よりも「ゆっくりでいいんだよ」と言ってくれている気がして自分にとって至福の時間となった。
 今、小豆島の魅力は何かと聞かれたらきっと自分は答えに困ってしまう。一言では言えない。自然の懐の深さを大切にされている人達が日々の生活をされている場所。観光地ではなく「場所」であり続けて欲しいと強く思った一日だった。
                                         平成29年11月 小豆島ファンT

2017年10月31日