ブラックジャックになりたい(外科医の夢)




 外科医はとてもかっこいい。病に悩む人をすばらしい腕で治してあげることができる。
 昨日まで生死の淵にいたひとが、ドラマチックに生還する。
 それは本当にすてきなドラマだ。
 どんなに苦労しても、毎日目に見えてよくなってゆく患者さんを見るのは楽しい。
 そんなとき、夜眠れない生活も、家族をほったらかしにしていることも、すべて忘れて、
「ああ、外科医になってほんとうによかった」と思う。

 一方、末期癌ですでに手術の時期をすぎた人たちをみると、自分の力のなさを思い知らされる。

 どんなに進んだ癌でも、たちどころに治してしまう「ブラックジャック」は、外科医の永遠のあこがれなのだ。


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