癌告知
癌と上手につきあおう:
最も大切医師との信頼関係:
告知進むが、説明ー理解の溝:
患者・家族は不安や不満:
ホスピスケア研究会(郵便171、東京都豊島区南池袋3の18の34の601、電話相談03ー3984ー3291、月ー金)
がん電話相談(癌研究会付属病院03ー3918ー0110。月11ー15時火水木11ー14時)
朝日新聞960407
神奈川県の会社員(53歳)昨年秋、社内の健康診断で「胃の精密検査が必要といわれた。今年1月胃の内視鏡検査の後、医師が
「おくさん、ちょっと」と妻(52)を呼び止めたとき、、Mさんは自分の病気を確信した。
「ここではすべてお話しします。よろしいですね。」
「どうぞ、全部聞かせてください。」
「胃に癌がありました。」
「治りますか」
「その可能性は十分にあります」
癌に立ち向かおうとする夫を見て、妻は心の鉛がすっと消えたように感じたという。
ほとんどの患者に癌を告知している同病院の笹子三津留医長の調査では、告知を受けた患者の役八割は、一カ月以内には告知のショックから立ち直るという。Mさんのように、最初から病気と立ち向かおうとする人もいる。
しかし誰もが自分を癌患者とすんなり認められる訳ではない。
癌研究会付属病院の中島聡副院長によると
「癌といわれるのはどうしてもいや」
という人が一割はいるそうだ。
「癌とはいわず、異型細胞があった、等と言葉に工夫するが、治療でうそをつくわけにも行かない。」
と中島医師はいう。
がんと立ち向かう上で最も大切なのは、医師と患者、家族の信頼関係だといわれる。だが、医師の説明と患者の理解の間には溝があり、それが、患者や家族の不安、不満の種になることは少なくない。
ホスピスケア研究会の季羽しずこ代表や癌研究会の電話相談にようかかってくる電話は、
「医師が説明した内容を再確認したい。」
「定期的に検査しているが病状を説明してもらえない」
「医者から見放されたように思う。」
「医者が説明をさけているように感じる。」・・・患者のいらだちが受話器の向こうから伝わる。
患者や家族を支える催し・・・
「患者が頑とともに、よりよい生活を送れるように、適切な情報を与える」事を目的にアメリカで開発されたプログラムの日本語版を使う。
癌の診断を受けたばかりの人、手術を受けた人、運悪く再発した人、などいろいろな段階の患者と家族が、ボランティアの人たちとともに、癌であることを見つめる。週一回、二時間の講座が四回でワンセットになっている。
「がんについて学び、がんと歩むことを知る。終わるとみんな、ほっとした顔になる。」
告知は一度で終わらなかった。Mさんにとって、一番大変だったのは両親への説明だったという。手術を受け、抗ガン剤の治療が始まるのをきっかけに、ようやくありのままを話した。「あれでまた楽になった」