遺伝子治療



動き出した 日本の遺伝子治療(メディカル朝日1996.12.p13)

 昨年夏、北海道大学で、ADA(アデノシンデアミナーゼ欠損症)の男児にたいする遺伝子治療が日本ではじめて実施された。
 さらに熊本大学ではエイズ、東京大学医学研究所では腎癌、岡山大学では肺癌に対する遺伝子治療が、学内の審査を終え、国での承認を待っている段階だ。
 このほか、いくつかの研究機関が癌を中心に臨床応用に向けて動き始めており、日本でも遺伝子治療が活発になりつつある。
 しかし日本が手本にしているアメリカの米国立保健研究所(NIH)の特別委員会は昨年12月、これまで実施された遺伝子治療の臨床試験例の中で、「現段階で臨床的有効性を実証された物はほとんどない」との報告書をまとめた。
 この中では安易に臨床応用を広げて行くのでなく、基礎研究をいっそう充実させることが、真の実用化には重要であるとも指摘している。こうした状況下で、スタートした日本の遺伝子治療は、今後どんな方向に進んで行くのか。
 日本の遺伝子治療の現状と、課題を報告する。


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