がん終末期のケア(3)主治医と家族の協力



Q:終末期のがんの患者の家族は、病状を先生にお聞きしたいと思っても、なかなか思うようにお話しできないようですね。
A:そうですね。家族の方はお仕事をお持ちですし、医師のほうもいろいろ予定があって、そうなっているようです。
 しかし、病状の推移を見ながら、主治医とご家族は密接に連絡をとりながら、進めていくことが大切です。
 したがって、家族の方は遠慮しないで、先生としばしばお会いになるのがよいのです。
 病棟の婦長さんや、外来の看護婦さんにアポイントをとってもらえばいいでしょう。
 遠慮されることはありません。

 がんの終末期の患者さんは、治療を受けながら、病状がしだいにわるくなって、いろいろ疑問に思ったり、悩んだり、怒ったりされます。

 そしてついには、病院が悪いからこうなるのではないか?
 主治医の治療が悪いからこうなるのではないか?
 病院や主治医を変えてみたらどうだろうか?
 などと心の中で思われるケースもあるのです。

 現実に、がんの終末期に数カ所の病院を転々とされた患者さんの話を聞いたことがあります。
 このようになると、患者さん自身もご家族も、どちらも、数倍つらいおもいをされるのではないでしょうか。

 こうならないためにも、ご家族の方と主治医との連携はとても大切です。

 がんの終末期は、主治医と患者さんが孤独な戦いをしたのでは決してうまくいきません。
 ご家族の愛情と協力が最も大切なのです。

 ご家族の方には、患者さんに対する支えだけでなく、主治医への信頼もつなぐことに協力していただかなくてはならないのです。

Q:ご家族が励ますときに注意することがありますか?
A:「すぐよくなるよ」とか「きっとすぐ元気になる」とか、うそをいわないことです。
 「これは長期戦でながくかかると先生もいっていたよ」
 「難しい病気のようだけど、辛抱強くがんばろうね。私達も協力するから。」

 等と言った言葉が適当です。

 答えるのがむずかしい質問には、
「それは、今度一緒に先生にきこうね。」
 とか
「今度先生にあって聞いておいてあげる。」
 などと答えて下さい。
 自分の判断で、いいかげんに答えていると、患者さんはよけいつらい思いをされるだけです。
 患者さんはいいかげんな嘘はすぐに見抜いてしまいます。
 とても、神経が敏感になっているからです。

 それよりも、つらい状況を、主治医や、家族が徹底的にサポートするという言葉や態度のほうがずっと大切なのです。


目次へ  ジャンル別索引へ 総索引へ  ホームページへ戻る