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vol.13 笑顔の魔法
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| 小学生の子どもたちが町へ繰り出し、商店の人や通
りすがりの人にカメラを向ける。「笑ってください」と言うが、なかなか自然な笑顔を引き出すことができない。そう言う子どもたちの顔も、心なしかこわばっている。 先日テレビで見かけた光景だ。その道のプロたちが母校を訪れて個性的な授業を繰り広げる番組。その日はカメラマンが先生で、子どもたちは「笑顔の写 真を撮る」という課題のもと、デジカメを手に校外で奮闘していたのだ。 笑って、と見ず知らずの人に急に言われてすんなり笑える人は少ない。どうしてもぎこちない作り笑顔になってしまう。そこでカメラマンの先生は、写 真を撮るのは二の次にして、まずは話をしてみよう、と助け舟を出す。 知らない大人と話をする機会などめったにない子どもたちは、戸惑いながらも話の糸口を見つけようとする。仕事は楽しいですか。今、はまっていることはありますか。好きな食べ物は何ですか。大人たちも戸惑いを浮かべながら実直に答えていく。言葉をやりとりするうちに、何となく互いの表情が柔らかくなっていく。そこでパチリ。前よりいきいきとした笑顔が撮れる、というわけだ。 写真そのものの出来もよかったが、笑顔を引き出すプロセスの方が私には興味深かった。私自身もカメラを抱えて苦労したことがあるので、子どもたちの苦労がよくわかる。人に笑顔になってもらうには、まず自分が笑顔でなくてはならない。彼らもそれを実感したことだろう。 今、わが家では、家族みんなが何とか二女を笑わせようと努力している。生後まだ二ヵ月足らずなので「新生児微笑」なのかもしれないが、名前を呼んだら返事をするようなタイミングで笑うこともある。その天使のような笑顔見たさに、高い声を出したり、おかしな顔をしてみせたり、あの手この手であやしている。 端から見ると、さぞかし滑稽だろう。相手が大人の場合、ここまでする必要はないが、笑顔で接する気持ちはいつでもだれに対しても忘れたくないものだ。 |
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(愛媛新聞「四季録」2004年12月30日掲載)
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<画像>ヨウシュヤマゴボウ
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