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複視と眼振 物が二つに見える方への参考になれば幸いですが、、、、
始めに 善家 迪彦
一眼性複視は眼科医に両眼性複視は脳神経医に行くべきである。
現病歴:
- いつ複視に気づいたか 又、経過中に一定かどうか 又、長時間の読書や目が近い仕事の後に起きたかどうかを調べる。(重症筋無力症も複視を来す。その程度は動揺し疲労時に悪化する。)
- 最近レンズを変えたかどうか。(特に2重焦点レンズや読書用メガネの初めての使用),
又は宝石商のルーペを使用しているか、又 は刺繍など目に近い仕事をしているか、又は長期間にわたり明るい戸外でビデオカメラを使用したかどうか
----これらは全て一過性の複視を来たす。(近目仕事に凸レンズの急な使用
=> 輻輳不十分になり =>目は外向きにさまよう傾向
=>一過性複視、それは両側性)
- 過去に斜視が有れば --- 以前に 潜在斜視heterophoria
(目の潜在的変位は両眼視の時表れる)の患者が急に他の目を注視固定のために使用し始め複視を来す
(固定変換複視)
- 複視は一眼か両眼性か知っているか,もし一眼性なら
=> どちらの目が複視を来すか? (一眼性複視は通常は目の病気である,一方両眼性複視は普通は神経筋障害である)
- 虚像はもう一つの像に沿い水平位置に有るか斜めか垂直位置か?。 (水平複視は 内直筋又は外直筋マヒで起こる。一方斜/垂直複視は他の外眼筋マヒで起こる)
- 頭を傾けると複視が悪化するか良くなるか? (垂直斜め複視は反対側に頭を傾けると良くなり、同側に頭を傾けると悪くなる---滑車神経マヒである。)
- 特別な方向を見ると複視(像の分離の程度が)が悪化するかどうか。(複視は普通共同注視でマヒ眼筋の最大関与の方向で最悪になる。例えば右側注視で悪くなる水平複視は
右外直筋か左内直筋のマヒによる)
- 遠方又は近くを見て複視が悪くなるか。(外直筋マヒは普通遠くを見ると複視は悪化する。一方斜筋又は内直筋マヒは内転又は近くを見ると複視が悪化する)
- 伴う視野障害又は視力低下があるか。 (視神経機能障害
+ 複視は眼窩内又は下垂体近傍部病変を示す)
- 他の脳神経障害や他の異常神経症状 (言語障害、呑み込み障害、顔面のマヒ、しびれ、痛み,聴力低下,失調性歩行,手足の知覚運動障害)があるか。(病変の場所決定に役立つ)
- 最近の頭痛や眼球周囲の痛みはどうか。(緊急映像検査が必要か)
- 基礎にある特別な病気の症状は?ーー(重症筋無力症,甲状腺の病気,糖尿病,高血圧,多発硬化症)
- 最近の顔面及び頭部外傷の有無。(眼窩骨折 =>
外眼筋 巻き込み => 制限性複視, 頭蓋底骨折
=> 外眼筋 脳神経損傷)
検査
- 最初に目の位置が正常か?、又一眼の明かな下降(hypotropia)や上昇
(hypertropia),あるいは一眼の水平位置変異,そして伴う眼球の内旋/外旋があるか?
(眼球不整位置は外眼筋支配の脳神経マヒか、外眼筋のマヒか、外眼筋機能を害する眼窩内圧迫性又は制限性病変か、脳幹の病気による捻転変位による)
正視におけるわずかな眼球不整位置は顔前約40cmの明るいペンライトを見るように要求して観察する。=>瞳のピンポイント光反射を見る。もし光反射が鼻側に中心がずれると目は外に偏位(exotropia)
=> 目を内転させる筋肉 (内直筋)が弱い事になる。もし光反射が側頭側に中心が偏位したら目は内側に偏位し(esotropia)
=>目を外側に動かす筋(外直筋)が弱い。もし光反射で中心が上方へずれると目は下に偏位(hypotropia)しており
=>目を上に動かす筋(下斜筋又は上直筋)が弱い。もし光反射が下にずれたら目は上方に偏位
している (hypertropia) =>目を下に動かす筋肉
(上斜又は下直筋)が弱い。(角膜光反射テストは眼球の不正位置には敏感な検査で 1mm のぶれは眼球のぶれにすると
7 度になる。)
伴う眼瞼下垂や眼球突出、瞳孔不同があるか。(眼球突出は眼窩内病変を示唆し
eg. 甲状腺による眼症候又は眼窩内腫瘍、浮腫、出血又は海綿静脈洞部血栓;
眼瞼下垂は Horner's 症候群又は動眼神経麻痺又は筋肉疾患(
重症筋ん無力症など); 瞳孔不同は Horner's
症候群や動眼神経麻痺による2次的なもの)
- 複視を少なくするために頭部傾斜位置を取っているかどうか。(両眼性垂直複視患者、すなわち第4脳神経マヒ、では代償機構を意味する
=> 頭は普通は患側から離れる方向へ傾ける)
- 患者に一眼を隠して9方向に目を動かし複視があるか(一眼性複視),
又は複視が両眼視の時だけか (binocular 複視)(複視のチェックはまず正視で行い、その後他の8方向視(左、右、上、下、左上、左下、
右上,右下) で調べる。
- もし複視が一眼なら => 多孔(pinhole)装置
を使用して複視が良くなるか消失するか調べる(多孔装置は普通病気が広範でなければ一眼性複視を矯正する)
- 顔前約40cmにおいた指の動きに従いさせ眼の動きを調べる,そして9方向視で外眼筋運動障害があるか定量する(注視変換テスト)
(左右側方視で =>強膜は眼角に完全に隠れる; 上方視では
=>角膜の半分が上眼瞼の後ろに隠れる; 下方視では
=>角膜の3分の2は下眼瞼に隠れる )
- もし両眼性複視なら, 全方視にて複視が同じかどうか(comitant
複視),又は特定な方向視のみ複視がひどいか
(incomitant複視)。もし両眼性の incomitant
複視なら => どの方角を見ると複視が最大になるか、偽の虚像は実像に水平位置に沿って位置しているか、又は実像に対し斜位か垂直位置か。(虚像は普通は実像よりぼやけていていつも端の方に位置する)
- 視力と対面視野を調べる
- 完全な神経検査を行う。両眼性 incomitant複視のわずかな障害に対し5,7,8脳神経を完全に調べる。
- slit ランプ検査を行い目の視軸に病気がないか角膜や前房室anterior
chamberを調べる。そしてレンズや後房室や網膜を直接眼底鏡で調べる。
医学的処置
- 最初に一眼性か両眼性複視か決定する。
- 一眼性複視は病気が患眼内にあり =>目の検査に集中
=>もし異常が見つからなければ眼科医に送る。
- 一眼性複視はヒステリー性 症候の事もある。それは目の病気が除外された後の除外診断である。
- よくある一眼性複視の原因ーー(前から後ろに)角膜表面をゆがめる眼瞼損傷,
角膜乱視astigmatism,角膜欠損又は角膜内異物,前房室混濁
例えば 虹彩炎, レンズ脱落又は混濁、硝子体混濁又は退縮,網膜のゆがみ(網膜下浮腫,網膜剥離又は
macular cysts )
- (一眼性複視は視交差部病変(視野欠損がある)、後頭部病変、又は多発性硬化症(MLF症候群)でもまれである)
- 両眼性複視にはcomitant (複視と伴う目の偏位 は特別な方向視で増強しない)
と incomitant (複視と伴う眼球の偏位 は
- ある方向視にて増強する)がある。
- 両眼性 comitant複視は普通は後天性神経障害が原因でなく患者は診断と治療のため眼科医に送られる。
- 両眼性 incomitant 複視は共同眼球運動障害で外眼筋の病気か支配する神経系の病気による---脳神経科医へ。
- もし外眼筋運動支配神経に障害を有するなら
=>特別な病気の診断が診察や眼球運動テストではっきりする。
- 第3脳神経の障害 =>水平又は垂直複視を呈し患眼は正視にて下外に向き患眼を内転挙上できない。(内直、上直、下直、 下斜筋麻痺
=>眼球の内転と上昇不能) 眼瞼下垂と瞳孔散大を伴う。
- 第4脳神経の機能異常=> 縦/斜複視がある; 病眼は上昇している事もあり(hypertropia)下内側を見る事ができない
- (上斜筋マヒ => 内旋と下降ができない)
(階段下降時やベッドに水平位で足の間からテレビを見たり、目の内転と内旋を要する目に近い仕事時に特に複視を訴う)
- 第6脳神経の障害 =>垂直非交差複視を呈し、遠くを見ると悪化し、患眼は正視で鼻側偏位のこともある。患眼は同側へ
- 外転できない(外直筋まひ =>外転 マヒ)
- 特徴的な3,4,6脳神経障害でない外眼筋運動障害を有する患者=>多発外眼筋支配脳神経障害か外眼筋の多発筋炎 又は眼窩内癒着病変(予想される病気は伴う臨床症状による。たとえば両側眼球突出と両側眼瞼後退縮と両眼外眼筋運 動障害のある甲状腺肥大の患者=>甲状腺性眼障害)
- 眼球運動テストで外眼筋運動の明らかな障害がなければ=>専門的なテスト(目隠し非目隠しテスト,赤いめがねテスト,内外転 テスト,Parks-Bielschowsky
3段テスト)をして外眼筋運動のわずかな異常を発見する。これは単に注視運動テストで眼球 運動を見ても発見できない。
- 専門的なテストは時間がかかるが急性の脳神経マヒの正確な診断には重要=>緊急時は直ぐに画像検査も必要。
- 眼球運動テストで複視の最大方向を決定ーー専門的テストを始め、その方向視で覆い非覆いテストで眼球偏位
の明らかな確証を得る。
顔前40cmの指を見させ9方向視の検査で指の動きを目で追わせる
=>複視が特別な方向視で最大になる事を観察し一眼 が完全に動かない事を探す= >患者にマヒ眼のマヒ側を見る時健眼を覆わせる。そしてマヒ眼で焦点をあわせさせる=>患者 がマヒ眼でいかに早く滑らかに指に焦点を合わすかを見る
=>そこで急に健眼の覆いをはずし、健眼に焦点を合わさせる
=> 目標に健眼がいかに早く滑らかに再び焦点を合わすか見る。そして健眼が焦点を合わす時どれだけ偏位
していたかを見る (この検査はクビキ筋の同等支配の
Hering's 法則による)
- マヒ眼がゆっくり固視してくれば陽性とし元の偏位(マヒ眼が固視するに要する動きの角度)は2次的偏位
(健眼の固視復 帰のために動かす角度)よりは少ない。健眼は時間の潜時もなく早くしかもスムーズに行われる(テストは患者がマヒ眼で固 視出来ない時や患者が健眼の覆いをのけた後マヒ眼で固視持続可能な時や健眼の視力が減少し健眼の固視が出来ない 時は無効である
=>もっと専門的な検査が要求される)
- もしテストが陽性なら=>特別な方向視における眼球運動の不整位置があり患眼がはっきりする。(テストは非常に敏感で目 標に固視する動きの時マヒ眼のわずかな偏位でも気がつく)
- もしテストが陰性だと間違った目を選択した
=>反対眼を覆ってテストを繰り返す(もしマヒ眼を覆うなら=>マヒのない目は指を 固視続け動かない。そしてマヒ眼の覆いをとると=>検者の指に固視し動かない)
- もしテストが依然として陰性なら(そして眼が覆い非覆い方法で偏位
しない),眼はいっしょに動いておりテストした方向視では 複視はないと結論。(複視は神経眼科医による特別な検査で見つかるかもしれないが眼科の検査が必要)
- 特別な方向視で複視があるかどうか=>複視が(そして外眼筋まひ)麻痺した外眼筋
によるか対する外眼筋 の制限によるか?
- (内外上下転)回転テストと強制内外上下転テストを行ってみる。
- 回転テストは凝視テストを繰り返させ、患者に最大複視の方向を見させて行う
=>それから健眼を覆いマヒ眼で検者の指を凝視させる(覆い非覆いテストのように)
- 患者がマヒ眼で凝視できるなら(追加的神経支配を与えて)回転(一眼)の方が注視(両眼)より優位で
マヒの原因は
- 神経性か神経筋性である。
- もしマヒ眼が注視(両眼)テストより回転(一眼)テストの方で動きが悪いと原因は対立する外眼筋
の制限による
- 対する外眼筋 の制限は更に強制牽引テストではっきりする
矯正牽引テストは辺縁に沿って局所麻酔した眼球の表面にQ tipを置いて行う(プロパノカイン点眼を辺縁に沿って結膜にし、 更に麻酔するためにコカインを侵した
Q tipを使う) =>明らかな麻痺の方向に眼球を押してみる。すなわちもし患者が眼を
- 外転 できず外直筋が麻痺しているなら =>Q
tipを眼球の内側におきQ tip で眼球を外側に回すように押す(又は摂子で
- 辺縁に沿って麻酔した眼球の表面をつかみ押すよりも引張って眼球を回す-子供や動く人は全身麻酔下が必要かも)
もし眼球が明らかに麻痺の方向に更にずれたら
=>制限障害はなく複視の原因は神経筋麻痺による
- 回転注視テストの後、簡略赤めがねテストで特別な方向視で外眼筋 マヒがある事を確認---
- 右目の上に赤めがねをおき、顔面40cmの明るいペンライトを見させてマヒ筋の作用する方向での複視を調べる。
- ペンライトはマヒ筋の作用方向に動かす=>患者に像がどれだけ離れるか、又お互いに水平か斜位か、どの色が(赤か白) 最も端にあるか尋ねる。例えば左外直筋マヒなら=>像は左の極限を見ると最大にずれ,像はお互いに水平位に位置し、最 も端の像は白像になるだろう(非交差複視);
もし右内直筋マヒなら=>赤像が最も端になるだろう(交差複視)
- もし複視が見上げたり見下げたりして悪化すると像は垂直又は斜めに分れ=>眼を垂直に動かす8つの円垂直外眼筋
の一個以上のマヒがある。最大複視の方向(そして多分マヒ外眼筋
の作用方向)で覆い非覆いテストや赤めがねテストでどの円垂直筋がマヒか決める事が出来る
- 3段テストは単一の円垂直筋のマヒを決めるのに有用である。例えば滑車神経マヒ=>一側上斜筋マヒ;
しかし3段テストは複数の円垂直筋マヒのときは信頼性がない。例えば完全第3脳神経性外眼筋
まひ
Parks-Bielchowsky3段テスト
- Parks-Bielchowsky three-step test 垂直複視の患者にどの円垂直筋がマヒか決めるのに使用する。
ステップ1:患者の頭を中立位に置く(頭の傾斜に注意) =>正面視でどちらの眼が高い(上昇眼)か見る。
- もし右目が高ければ(hypertropic)=>マヒ筋は右目の下降筋(右上斜筋又は右下直筋)又は左眼の上昇筋(左上直筋又は
- 左下斜筋)。
- もし左眼が高ければ(hypertropic)=>マヒ筋は左眼下降筋(左上斜筋又は左下直筋)又は右目の上昇筋(右上直筋又は
- 右下斜筋)
ステップ2: 左右を見たとき過偏位の程度を調べる。
- もし右上昇眼が左を見ると増加すれば=>右上斜筋又は左上直筋マヒがある。
- もし右上昇眼が右方視にて増強すれば左下斜筋か右下直筋麻痺である。
- もし左上昇眼が左方視にて増強すれば左下直筋か右下斜筋マヒである。
- もし左上昇眼が右方視にて増強すれば左上斜筋か右上直筋マヒである。
ステップ3: 左右に頭を傾けると過偏位 は更に大きくなるか(正視にて真っ直ぐ前の物を見ながら)?
もし偏位 が頭を左に傾けて大きくなれば=>左上斜筋又は左上直筋(視軸を中心に内転incyclotortors)又は右下斜筋
- 又は右下直筋(視軸を中心に外転 excyclotortors)のマヒである
もし偏位 が頭を右に傾けて大きくなれば =>右上斜筋か右上直筋(incylclotortors)又は左下斜筋か左下筋(excylotortors) のマヒである。
上記の3ステップでやられた筋 =マヒ筋
上斜筋マヒは=>局所筋機能障害又は第4脳神経マヒ
上直筋マヒは=>局所筋機能障害か第3脳神経上枝マヒ(患者は普通は眼瞼下垂を伴う)
内直、下直又は下斜筋マヒは=>局所筋機能障害か部分的動眼神経麻痺
もし眼が垂直不整位置がない又は、3ステップテストが込み入った結果ではっきりしない時=>
?第3脳神経マヒ, ?多発外眼筋 脳神経マヒ,
?多発外眼筋 のマヒ
もし多発の外眼筋 がやられると=>原因は第3脳神経完全マヒか多発外眼筋
脳神経障害(海綿静脈洞症候群又は後眼球
症候群又は下垂体近傍病変又は頭蓋底病変又は二次性多発脳神経障害
- Guillane-Barre症候群(Miller-Fisher 変形)、
ジフテリア又は神経毒[alcohol,鉛,砒素,四塩化炭素,
phenytoin, 金塩, isoniazid]) 又は外眼筋 多発筋炎(重症筋無力症,
botulism)又は多発外眼筋 運動障害を来たす眼球内病変
(甲状腺性眼症)
もし複視の型が特別な EOM脳神経マヒを示すなら,次の分析で損傷の場所を分析可能。
第3脳神経マヒ
- 両側第3脳神経マヒ+/-両側眼瞼下垂,又は同側第3脳神経マヒ+対側上直筋マヒ=>中脳の動眼神経核障害(瞳孔はやられることもやられない事もある)
- 完全/不完全第3脳神経マヒ+同側小脳性失調=>
結合腕と動眼神経束(Nothnangel's 症候群)をおかす中脳(背外側)損傷
- 完全/不完全第3脳神経マヒ+対側小脳性失調=>赤核と動眼神経束(Benedikt's 症候群)をおかす中脳(傍正中)損傷
- 完全/不完全第3脳神経マヒ+両側失調+対側 asynergia,
dysmetria and dysdiadokinesia => 赤核、結合腕、動眼神経束をおかす中脳損傷(Claude's 症候群)
- 完全/不完全第3脳神経マヒ+対側片麻痺,顔面下半と舌を含む=>大脳脚と動眼神経束をおかす中脳(基底)損傷(Weber's 症候群) ----(中脳損傷の最も多い原因は血管性阻血、出血、腫瘍である)
- 第3脳神経マヒ+第4脳神経マヒ,そして/又は第5脳神経マヒ(第1枝+/-第2枝),そして/又は第6脳神経マヒ=>海綿静脈洞病変又は頭蓋底病変 (Tolosa- Hunt症候群は突発性炎症状態で海綿静脈洞内の脳神経を犯し,ステロイドが劇的に効く)
- 第3脳神経マヒ+視神経性視力喪失+/-眼球突出=>後眼球病変(orbital apex 症候群)
- 第3脳神経上枝単独マヒ(上直筋マヒと眼瞼下垂をきたす)=>動眼神経上枝を犯す眼窩内病変
- ある種の局在不明の第3脳神経マヒ---梅毒,
sarcoidosis, ライム病, 巨細胞性動脈炎, 結核, 外眼筋
マヒ性偏頭痛
- 単独第3脳神経マヒはくも膜下腔内での動眼神経損傷による事が最も多い
- 瞳孔を含む第3脳神経マヒ--->他になければ脳動脈瘤(緊急MRI血管撮影が必要。特に頭痛や目の周囲の痛みがあれば)
- 50歳以上の患者で瞳孔所見なく第3脳神経マヒは高血圧か糖尿病---=> 神経科医に送る
早期に脳のMRI;(最も普通の原因は糖尿病患者では神経の血管梗塞である;
他の少ない原因は
- 高血圧、動脈硬化、lupus, 巨細胞性動脈炎,同側側頭葉腫瘍,
同側急性硬膜下血腫、偏頭痛)
- 50才以下で瞳孔症状のない第3脳神経マヒ=>脳神経科紹介の前に緊急脳MRI検査
臨床検査が第3脳神経障害を示せば=>神経の派生再生abberrant regenerationの兆候を調べる
- (眼の内転と下降で瞼の後退,垂直視で眼球の沈降又は内転で瞳孔縮小するなど)
- (第3脳神経の派生再生+神経マヒのサインは亜急性/慢性病変を示す。例えばゆっくり大きくなる
- 動脈瘤又は腫瘍による神経圧迫)
第4脳神経マヒ:
縦方向(廻旋性)複視の最も多い原因。 対側方視で病側に頭を傾けるとぶれ(偏移)は増す。
最も多い原因; 鈍い頭部外傷、中脳背外側挫傷によるAmbient
cisternal 出血(しかし鈍い頭部外傷が基底にある頭蓋内腫瘍
による第4脳神経マヒを明らかにする事があり---いつも頭蓋基底部の神経映像検査をすること)。
両側マヒは前頭部打撲で中脳における滑車神経交差の挫傷。
他のよくある原因は糖尿病や腫瘍による微小循環部梗塞
一側第4脳神経マヒ + 3rd, 5th,
6th 脳神経マヒ--->
海綿静脈洞部病変
脳幹部病変による一側第4脳神経マヒはしばしば
Parinaud's 症候群 (松果体腫瘍,中脳水道狭窄,
水頭症)又 中枢性 Horner's
症候群を伴う。
第6脳神経マヒ:
外傷、微小血管障害、基底部頭蓋内腫瘍が多い原因。
両側第6脳神経マヒ---> 他になければ頭蓋内圧亢進(基底部髄膜炎によることあり)
第6脳神経マヒ + Horner' 症候群 -->海綿静脈洞症候群
第6脳神経マヒ+ 顔面マヒ +/- 同側Horner's
症候群,同側顔面痛覚低下,同側聾 +/- 病変側への同側視マヒ
=>橋(腹外側)損傷(Foville症候群)
第6脳神経マヒ+第7脳神経マヒ+/-対側触覚固有知覚麻痺+核間性眼筋麻痺と第6脳神経マヒ側への注視マヒ(対側第3
脳神経核への連絡繊維の破綻による)=>橋(傍正中)損傷
第6脳神経マヒ+第7脳神経マヒ+対側片麻痺=>橋(基底)損傷(Millard-Gubler
症候群)
第6脳神経マヒ+第5脳神経マヒ+第8脳神経マヒ=>錐体尖部病変(Gradenigo's症候群)
脳幹の外転 神経核損傷=>しばしば同側への共同注視マヒを来たす(いつも本当の外転
マヒではない)
両側 外眼筋EOM マヒ
両側多発EOM マヒ=>外眼筋筋症、例えば重症筋無力症,
botulism,又は多発脳神経障害 例えば. Guillane-Barre
症候群
(Miller-Fisher 型),又は制限性 EOM 障害 例えば甲状腺性眼筋障害,
又は中枢性注視マヒ (例えば脳幹部血管病変)
skew deviation
脳幹部病変により核前入力障害による眼の垂直不整位置である。
1;垂直複視が頭を傾斜しなくても存在し、正面正視で過偏位
があるhypertropiaが色々な方向視で変わらない(comitant)か
一側から他側を見る時変わる時、
2; 垂直不正位置が突然起こる時、
3;眼の垂直運動の制限がBell's 現象(抵抗に対し目を閉じるとき眼球が上転する)や垂直Doll's
head maneuverにより治る時 ,
4;他の脳幹症状があるとき---他の脳神経マヒ、交差片マヒ、spinothalamic
signs, 同側内転マヒと上昇眼の視軸での内転
を伴う一側核間眼筋 マヒ. ー−以上のような時にSkew
Deviationが疑われる。
小脳の病気----複雑眼筋 マヒ+共同注視マヒ+ saccadic
dysmetria + pursuit defects + 中枢性眼振
Wernicke's 病=--->両側多発EOMマヒ+/-失調性歩行+/-混迷/作話+/-水平眼振
付録
外眼筋 の作用:
内直筋=>内転、外直筋=>外転
、上直筋 => 上昇(外転 時最大) と内旋、下直筋=>
下降depression (外転時最大) と外旋
上斜筋=> 内旋 and depression (内転時最大)
、下斜筋=> 外旋 and elevation (内転時最大)
Hering's law (くびき外眼筋 の等価支配)
患者が特別な方向視をするとき,2つの眼を動かす外眼筋
は一緒にくびきになっており2眼は共同視の方向に同等に動く。
例えば右を水平視する時,右外直筋と左内直筋は同等の支配を受ける。そうして右側方視で左右の眼が同等に動く
-一対の筋が共同視ではくびきになっている。
もしくびき筋の一方が弱いと,同等支配でマヒ眼はその方向視で動きが少ない=>その眼は正常眼に比べて偏位
して見える。
なぜならマヒ方向には正常眼程動かない。例えばもし右外直筋がマヒすると=>右目は左眼程右方向に動かない。又左眼に
比べ遅れているように見え内側 に偏位
する(内側 偏位 の程度= 主偏位 度).もし左の健眼の焦点を合わす事を妨害し(注視
テストで左眼を覆う)患者に指標の指を見続けさせる=>右のマヒ眼をまひ方向に動かし目標指に焦点を合わせようとさせると
多大な神経支配努力が要求される。マヒ眼で焦点を合わしている間は(それは追加神経支配を要求する)=>同じ量の追加
神経支配が健眼の左内直筋へ行く=>その追加神経支配は左眼のより大きな運動を起こす(マヒがないので)
-これが健眼の
2次偏位 の程度はいつもマヒ眼の主偏位
より大きい理由である。
神経眼科学;
有痛性眼球マヒ
眼球性;
感染症:細菌性-近隣副鼻腔炎、穿通性外傷、細菌性血栓
ウィルス -- herpes zoster fungal
- mucormycosis
、aspergillosis
炎症性(非感染性): thyroid orbitopathy
、idiopathic
血管性:眼球出血、 動静脈奇形
腫瘍at orbital apex :原発 、副鼻腔
又は脳内病変の2次的伸展
、2次的転移性
非眼球性;
腫瘍:頭蓋内原発 - 下垂体腺腫、髄膜腫、craniopharyngioma
頭蓋骨; chondroma、multiple myeloma、lymphoma
2次性転移;鼻咽頭ガン、乳がん、前立腺ガン、肺がん
感染性: bacterial, viral, fungal
炎症性:Tolosa-Hunt syndrome 、Wegener's
granulomatosis、Temporal arteritis、Sarcoidosis
血管性:動脈瘤、頚動脈海綿静脈洞婁、dural
cavernous fistula、海綿静脈洞血栓
外傷性:骨折。血腫
他 :糖尿病性多発神経障害
眼振Nystagmusの定義といろいろ
☆ Jerk nystagmus :ゆっくり流れながら急に訂正する部分もある。
☆ Pendular nystagmus:両方向に同じスピードである。
☆ Saccade : 興味あるものをfoveaに持ってこようとすばやく訂正する目の動き
意識的な場合(前頭葉の眼の領域支配),反射的な場合(前庭性支配)
☆ Optokinetic nystagmus:”列車から木を見ている場合”。一種のJerk
nystagmus。
生理的なもの。遅い相--- 動いている物が視野を満たす。
解剖学的には網膜の投影像,橋の核群、前庭神経核、下オリーヴ、前庭小脳などが関与する。
☆ Reflex pursuit: 内側上側頭葉が中枢。 動く刺激が滑らかにMaculaに投影される様にする。
☆ Volitional Pursuit: 前頭葉の眼の領域が中枢。必ずしも動く物によらない。
☆ Optokinetic Drum :Optokinetic nystagmus
の検査でない。Pursuit やSaccades を検査する。
患者に対して右に回る
ドラムは右向きの緩除相(pursuit)を,そして代償性の左への急速相(saccade)を発生する。
緩除相の不揃いは半球性特に頭頂葉の病変の時に出現。
初期のsaccadeの障害は次の病気で出現する。---進行性核上マヒ,ハンチントン
舞踏病、Olivo橋小脳変性症,先天性
ocular motor apraxia , sea-blue
histocytosis
縦回転ドラムではretraction nystagmusを誘発しやすい。ヒステリーや仮病が解る。
先天性の眼振では反転することもある。
☆ 前庭性眼振:いつも直線的。緩除相が損傷前庭器の方向。眼の流れは常に損傷半規管の面に平行である。
緩除相は固定視により減少し、暗闇で増加する。
☆ Oscillopsia---周りの環境が動くような幻覚。
☆ 末梢性対中枢性前庭性眼振: 固定視で末梢性は抑制可能だが中枢性は不可能である。
純粋な縦又は回転性眼振は
中枢性である---syringobulbia, syringomyelia,
Arnold Chiari 奇形, MSなど。
☆ 縦方向眼振:脳幹の損傷。普通はETOH, 代謝異常、抗ケイレン剤の中毒など。
☆ Downbeat 眼振:脊髄延髄境界部の病気の可能性。後正中小脳病変でもある。
☆ Upbeat眼振:延髄の病気。前半規管のcentral
projectionの障害。
☆ Convergence 誘発性眼振:普通は縦方向眼振。多発硬化症や脳幹部梗塞の時見られる。
☆ Convergence眼振:松果体部病変。
☆ Convergence-Retraction眼振: pretectal部病変。Prinaud's症候群の一部。
☆ Gaze holding/Gaze マヒ性 眼振: 眼窩内で眼を中心外に保持できず視線を保持できない。
眼が中心外に位置できず
正中方向に流れる。小脳や前庭障害。
☆ Ocular Bobbing: 大きな橋破壊損傷の時。
☆ Ocular Flutter: 水平運動の群発。 小脳の病気に特徴的。
☆ Opsoclonus: 眼が共同性に持続的に自然に色々な方向に動く。脳炎や毒素や有機りん剤など。
小児ではNeuroblastomaの時に。
☆ 先天性眼振:多くは振子状である。普通は突発性だが,家族性は稀。共同性で水平性が普通。固定視で増悪し輻湊
で減弱する。ドラムのテストではOptokinetic眼振は逆転する。
☆ See-Saw眼振:一眼が上昇し内転し他眼が下降し外転する。脳幹病変又は圧迫(巨大下垂体近傍腫瘍)
☆ Periotic Alternating周期性変換性眼振:方向が変わる位置性眼振。脊髄延髄境界部の病気。
☆ 一眼性眼振: 一眼の失明と共に。失明眼の外転時に見られる。
☆ Spasmus Nutans: 1歳で始まり2歳で終わる。 3徴候;頭をうなずく,眼振、異常な頭位。
視線マヒ:
☆ 水平視線マヒ:一側へのみ制限がある。普通は対側の前頭葉か同側の橋病変。
☆ 進行性核上マヒ: 最初の症状は縦のsaccade
障害。後に急速相も障害。輻湊もしばしば障害。
最後は完全眼球運動麻痺 。
☆ Oculogyric Crisis:上外側への発作的,攣縮性,共同性眼球偏位。ある考えに拘り注意力の変化を伴う。
舌打ちやdysronicな運動や眼瞼攣縮などを伴う。パーキンソン病や頭部外傷、脳炎、多発硬化症で出現する。
☆ One and a half症候群: 一側への共同眼球運動障害。対側への内転障害。その結果眼振を伴う一眼の外転のみと
成る。左方視線不能側では左PPRFか左外転神経核かその近傍のMLFの障害。
☆ Skew Deviation: 末梢性でも中枢性でも内耳からの情報が不均衡の時。脳幹から延髄,小脳にいたる損傷なら
どこでも。視線の変化で変われば延髄病変である。後交連の障害の時も。
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