• はじめて我が家から学校まで一人で.....


父 :「ゆうくん!今度の月曜日は、ゆうくんがひとりでJRに乗って
   学校までいくんでよ!わかったで?」

裕生:「は〜い〜!阿波池田駅から府中駅〜?」

父 :「そう!かしこ〜にしとって、府中駅で降りないかんのでよ!」

 土曜日のスイミングスクールの帰りの車中での会話です。
緊張感からでしょうか、月曜日の午前3時ごろから
寝苦しそうにして、あまり眠れなかったようです。

 それでも、「切符は、財布の中のお金で買って
おつりは、また財布にいれときなよ!」という母親の
指示を聞いているのかいないのか?

 とにかく、午前6時15分家を出発!

私は、5分ほど後から家を出ていつもとは違う道を通って
駅に着きました。
そ〜と駅の中を覗くと裕生は、もういません。
改札を通って陸橋を渡り、いつもの2番ホームへ降りていくと
列車が停車していて、いつもの場所に裕生が座って、きょろきょろ
しています。...まづい!これでは、見つかってしまう!
と思いながら陸橋の反対側へ素早く...あ!こっちを見た!...
しかし、裕生は仮性近視なのでたぶんはっきりとは、見えなかったでしょう。

同じ車両の一番端から乗り込んで裕生の方がみえる座席に座りました。
なんだか長〜い1時間45分になりそうです!
 
網棚においた荷物をなおしている!よしよし!
朝、はやくて肌寒い感じがするのに窓を両手で持ち上げて
すこし開けました。まあまあ、これぐらいは、寒いときでもないし
気にしなくても良さそう!
3番めの駅ぐらいから学生が乗ってきましたが裕生の隣に
座るものもなく、多少、頭が動いている程度でこの分ならなんとか
行けそう!
しばらくして、中年の男性二人が裕生の座っている
4人掛けの向かい合わせの席に座りました。
そのうち、すこし、風邪気味な裕生が大きな咳!咳!咳!
それとともに多分たんを出したのでしょうティッシュで
取るはずですがそのあとの始末ができたかどうか?
男性二人が裕生の方を見ながら苦笑いしています。
まづい!....父は、大変心配、心配、心配、....
そのつぎの駅を過ぎたころ二人は、隣の車両へ
移りました。...まあ、しょうがないか!

府中駅に近づくにつれて車内は、混んできました。
裕生のとなりも、正面も斜め前も座りました。
頭が前後に揺れていますが....この程度は、いつものこと...

そろそろ、裕生も気になるのか駅につく度に駅名を
見ている様です。

 満員状態の中、府中駅到着です!
さ〜あ、どうかな?と思ってみていると
 裕生は、網棚から自分の荷物を取って降りました!ホッ!ホッ!
一番心配していた府中駅で下車できました。なにしろ
ふたりで乗っているときは、府中駅についても私が言うまで
いつも、知らぬ顔でしたので....緊張感の賜物でしょうか!
はじめての時は、割と上手くいくことが多いのです。
ということは、緊張感が続くようにしてやればもう少し
できることが広がる可能性があると思うのですが.....

しばらく、間をおいて駅を出るともう、2、300メートル
先を歩いていきます。
見ると、よく、駅でいっしょになる同じ国府養護学校の生徒と
いっしょに歩いています。もう安心!

寄宿舎に着いてみると、部屋で荷物を広げて
枕カバーを付けています。
今日の試運転は、合格!
しかし、ふたりで乗っているときより私は、何倍も
疲れたのでした。やれやれ....

ひとつ気がついたこと!
学校に着くと家でいる時と裕生の顔つきが
違うことに気がつきました。
何というか険しい顔のようで.....
良いのかどうかわかりませんが
子供から大人への成長の過程と考えることにしました。
裕生'sスマイルは、いつまでも忘れないでいて欲しいのですが......





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