この日が裕生にとって三度目の一人通学のはずでした。 5番目の駅を通過したころ 車掌さん:「.......!冷房が入っとるけん、窓閉めてくれるで?」 裕生:「........?」 車掌さん:「......!冷房がきかんけん、窓閉めてくれるで?」 裕生:「........?」 困った顔をしながら 車掌さん:「......!閉めようか?」 裕生:「いやいの!」 わたしは、とうとう辛抱ができなくなり 裕生の席へ移り、「裕生!窓閉めなさい」 車掌さん:「冷房がきかんけん......」 父:「はい....」 これできょうの予定は、すっかりくるってしまいました。 はじめから気にしていたことではあったのですが 他の乗客もいるし、寒くなったときのことを考えると 窓をいつも開けているのはちょっとまづい様で.... 乗用車、JR、バスなど窓が開けられる状態の時は いつも開けるので知っているものがいっしょの時は 注意すれば辛抱できるのですがいなくなると開けてしまう、 そんな裕生なのです。 その後、私は別の席に移り座っていると きょろきょろしながらもう一度開けようとしました。 なかなかむづかしい問題です。 それ以外は、あまり問題ないのですが.... 先日、発見したこと! 国語の勉強をしていて 阿波池田駅から府中駅までの20の駅名を 書かせたところひとつの駅を除いて順番どおり 漢字で書くことができました。 いつもボーッとして乗っていると思っていたので 母親とともに驚きました。 見ていないようで見ている、聞いていないようで聞いている。 そんな裕生を再確認したのでした。