日本自閉症協会徳島県支部の総会があり、

明石洋子さん、徹之さんの記念講演がありました。

講演後の感想!

まさに、”見事にやられました!”......と言ったら

変に聞こえるかもしれませんが彼女の徹之さんに向けた

一貫した愛情と柔軟さに感動すら覚えました。

どんなに重度な自閉症者でも見事に自立できるんだと言うことを

この30年間でやってのけているのです。

私ども少々興奮気味でした....

はっきり言って多動で重度の裕生を見ている私たち親が見ても

徹之さんは、かなり多動で...何かしていないとじっとしていることは

非常に困難であるように見えました。

明石洋子さんの講演の最中でも絵を描いているかボランティアの人を引き連れて

校内を探検していらっしゃったようでお母さんも講演終了後に

「ここのトイレが大変気に入ったようで何回も行っています。」と言った具合です。

その徹之さんの老人施設で市の公務員として働く姿は、実に彼の個性を

しっかりと捉えたお母さんの指導が見事であることは、容易に解ります。

車イスの清掃、風呂場の清掃、トイレの清掃、タオルたたみ、など

見事に...実に見事にやってのけています。

項目に分けられた手順にそって仕事を進め、担当の上司に認め印をもらい、

次の仕事と言う具合です。

休憩中は、好きな絵を描いているそうです。

仕事は、どれも彼の幼いときからの水へのこだわりから

家庭で思う存分水が使えるようにとお母さんが風呂の清掃という役割を順序立てて根気よく

教えた賜物なのです。

それと絵を描くこと。丹念に描き込んでいましたね!

ですからそんなにたくさんの物を獲得してきているわけではありません。

そこに彼のできることに目を向けるように考え方を修正してこられた

お母さんの柔軟さです。

できないことに集中するよりもできることを....なのです。

しかし、お母さんに言わせれば「できることがないのでこだわり...に目を向け、

何かを執拗に追っかけているときの真剣な目に着目して...」です。

掃除という得意分野を掘り下げてきたことが現在、彼が生き生きと仕事に取り組んで

毎日を送っておられる原点であると言うことです。

もちろん彼ができることは、それだけではなく、日常の社会生活を営むうえでの

さまざまなスキルは、見事にお母さんの指導の元に獲得しています。

キャッシュカードを使ってATMからお金を引き出して買い物をすると言ったようなことも

確実にやってのけておられます。

お母さんの指導、しつけの原点は、「おはようございます。頑張ります。」と言う

挨拶であることも非常に印象に残りました。

近所の方、知り合いの方にお願いして、「知らぬ顔をしていると思いますが

何十回、100回、いや200回もいってくれたらきっと徹之も振り返り、そのうち

挨拶ができるようになるので協力してください。」とお願いされたそうです。

家で何千回挨拶するよりもたくさんの人とのかかわりが大切であると、

そこから徹之さんが得ることの大きさを説いておられました。えらい!

しかしそうしたお願いの中にも「おはよう!とだけ言ったら知らぬかををして

通り過ぎてください。」とその前後にいろいろなことを言われると

何を言われたのか解らなくなるので....本当に的を得ています。

明石洋子さんのすべてをさらけ出して自分たちが獲得してきたところのものを

何とか我々のために....と言う意識が終始感じ取ることができました。

ほんとうに”ありのまま”を見せていただいたことに深く感動しました。

我々の聞きたいところがすべて解っておられるかのような講演でした。

ここでは、あえて明石洋子さんの著書の紹介は、しませんが....と言うのは、

私が読んでないので.....本の内容は、彼女の講演における姿勢で

十分素晴らしいものだと思われます。

とりあえず、この感動、共感を新鮮なうちに

ここに紹介したかったということです。

すばらしい2時間30分でした。

明石洋子さん、徹之さんありがとう。

とどうしても言いたくなります。

明石洋子著「ありのままの子育て - 自閉症の息子とともに」

     「自立への子育て―自閉症の息子と共に〈2〉 」

     「お仕事がんばります!」




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