• お母さんから若い親御さんへのエール!






    
       我が家のホープはなんと言ってもS君です。
      
      苦労した子ほど親に良い思いをさせてくれます。
      今21才、今年の8月に22才になります。
       
       保育所は障害児を看てくれる少し遠方の施設へ通いました。
      小学校から中学校は地元の学校の普通学級へ通学しました。ただ中学3年生になった
      時は周りの子たちが進学でピリピリしていたせいか途中からほとんど登校出来なくな
      りました。しかし運動会とか遠足とかいうイベントの時はうれしそうに学校へ行きま
      した。
       高校は養護学校へ行きました。養護学校高等部に入ってからそれまで運動は苦手だっ
      たのが突然人が変わったようになり、リレーの選手やらマラソンやらとびっくりする
      ほどに能力が出てきました。小学校の時にカウンセリングを受けていた神経科の先生
      がおっしゃるにはバランスがとれてきたのだと言うことでした。
      おかげさまでてんかんの発症もなく現在は小さな会社ではありますが毎日自転車で通
      勤しています。少しくらい体調が悪くてもとにかくまじめな子なので会社を休むこと
      は罪悪のように思っていてがんばって仕事に行ってます。
    
       高等部2年の時に初めて前橋で開催されたゆうあいピックに参加しました。その後、
      札幌大会、そして昨年は水戸大会と3回も参加することが出来ました。得意のピョン
      ピョンと飛び跳ねることがどうも攻を奏したらしく走り幅跳び、立ち幅跳び、リレー
      と3種目に出場し札幌大会では立ち幅跳びでその大会の記録では日本一になることが
      出来ました。
    
       小さい頃は本当にどうなることかと・・・とてもつらい毎日を過ごしました。
      しかし、くよくよしていても仕方がないと開き直ったときから親にゆとりが出始めそれ
      が子供にも伝わってゆき今日までに至ったように思われます。
       今、小さいSと同じような子を持つ親御さんたちは本当につらい思いをされていると
      思います。でもつらいことばかりあるわけでは無いですよね。この子によってもたら
      された色々なことは今振り返ってみるとつらいことだけでは無かったとしみじみ思わ
      れます。
       今だからいえることかもしれませんが・・・。
      若い親御さんにがんばらなくても良いから自然に子供に接してあげることが一番とエ
      ールを送ります。
    
       もう少し我が家のことを付け加えます。
      Sは4人兄弟の末っ子です。構成はお兄ちゃん一人と
      お姉ちゃんが二人います。それに両親とおばあちゃん、今は
      老健施設でお世話になっています。Sが生まれた頃はお爺ちゃんも
      存命していて8人という大家族でした。
      今は上の娘が昨年末結婚し私たち夫婦と下のお姉ちゃんの4人で暮らしています。
      お兄ちゃんは隣の県で働いています。
      名字は県で1軒しかない変わった名前です。
    
       裕生くんはお元気ですか?ご兄弟はいらっしゃるのですか?
      何からお話ししようかな?ちょと迷っています。
      Sの小さな命の灯火が付いたときエッと思ってしまいました。とにかく仕事をしてい
      る私には4回も産休をとらなくてはならなかったのと下の娘が3才になっていて楽に
      なっていた矢先だったのでまたこれから一人という思いががありました。しかしせっ
      かくいただいた命を粗末に出来ないということで仕方なく??産まれてきた子でした??。
      この思いは今も悔やまれます。縁があってこの世に生を受けた命なのに!!
    
       今、思うとなんという母であったかと悔やまれます。今はSあっての私でこの子なしでは
      語ることの出来ない私たち家族だと思います。
      Sは私たち夫婦が30才の時に生まれてきました。赤ちゃんの時は本当に手の掛から
      ない子でした。上の二人は赤ちゃん言葉も使わず、また下の娘は可愛い赤ちゃん言葉
      を駆使(?)し3人ともとてもおしゃべりの上手な子供たちでした。ところがSはお
      話が出来ませんが手の掛からないおりこうな赤ちゃんでした。ちょっとおかしいなと
      感じた頃は3歳児検診の少し前でした。お話も出来ず、目を合わせる事の出来ない子
      でした。まあ、一人くらいは言葉の遅い子もいるだろう等と暢気なことを考えていました。
      しかし、やはり上の子たちと比べるとちょっとおかしいと思った私は市の保健所へ相談に
      行きました。その結果はまあ、3歳児検診まで様子を見ましょうと言う事でした。
       その後3歳児検診ではチェックされ再度精検を、ということで再検査がありました。
      そのときにはなんと、Sのカルテ(?)が既に出来ていました。その後は市の児童相談所に
      通所しなさいと!!
      なんで私がおかしいと思ったときに適切な助言が得られなかったのかしら。。。。。。。。。。
      その後は色々と難しい本を読んだりしてどんどんと落ち込んでいってしまいました。
      また、人の薦めで言葉の教室をのぞいたり、その教室は向き不向きもあるよう
      で私にはとても耐えられないところで1回見学しただけでその後は一度もお世話にな
      ることはありませんでした。
       ほとんどの親がたどる道を通過してきたというように思います。今から思うと何であ
      んなに深刻に悩んだのか(?)今も悩みは無いわけでは無いのですが、あのころは本当に
      大変でした。
      また、母原病などと私の心を逆なでするような本も出版されたりとてもつらい日々でした。
      このまま・・・・?????など、思ったりしたこともありました。
       
       私には今ではSがいない生活は考えられません。
      玉井何とか先生の本には<天使の子供>と言うことを書いていらっしゃいましたがそ
      の通りだと思います。また元気づけられたのは「森昌子さんの書かれた<はぐく
      む>」と言う本でした。」お読みになられましたか?もし、お読みでなかったらおす
      すめします。
       私にとってのSは一番苦労させられました。しかし心配させた子が今では一番幸せを
      与えてくれた子供だと思っています。
      こういう子を授かった若いご両親がつらい思いをしておいでだと思います。でも希望
      を捨てないで下さい。きっとこの子たちは苦労に報いてくれる事を信じて下さい。
       昔私はこの子はエイリアン?と思ったことがありました。なぜなら私の考えているこ
      とがSにはすぐに伝わり私が落ち込むとパニックに陥ったりで、・・・でもそうでは
      なく、本当にエンジェルなのです。親の気持ちはきっと通じと思います。
      ちょっと、疲れました。会社が忙しく毎日残業でかなり疲れています。今日も帰りが
      遅くなりました。また、お便りします。ちょっと、ではなくかなり尻切れトンボです
      が今夜はこの当たりで失礼します。
      乱文お許し下さい。ではまた、
    
                                   Sの母より
    
    
    
    お母さんへのお便りは....!
    tmtkr@p1.coralnet.or.jp



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